花のベッドでひるねして

  • 毎日新聞社
3.63
  • (71)
  • (100)
  • (109)
  • (32)
  • (5)
本棚登録 : 1137
感想 : 130
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107998

作品紹介・あらすじ

神聖な丘に守られた小さな村。みなしごの主人公と愛おしい家族-。この美しい世界、生きる喜びを描き切った最高傑作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 夢と現実とが織りなす不思議な世界でした。
    私の生い立ちは、人からは不幸と言われても仕方がないようなもの。

    「少し冷たい風がときに柔らかくときに激しく吹きわたっていく頃、いろいろな気に新しい緑色のふにゃふにゃした葉がついて、固かった土にもいろいろな色の草が生えてくる頃、海辺に立ちふわっと飛んで消えていきそうな薄い青色の空を見上げると、不思議と自分がすごく広いところにいるようなわくわくした気持ちになる。この世にこられてよかったなあ、とかなり小さなそして同時に果てしなく大きな気持ちになるのだ。」

    生い立ち。現実として現れる死。鮮やかに、はっきりと表れる夢。
    何がほんとうで、何が偽りなのか。
    どうでもいいのかもしれない。
    自分だけの人生だし、理屈は関係ないから。。。
    夢がほんとうだと思ったら、受け入れたらいいだけ。他人は関係ない。

    +++

    あとがきまで読んで。
    なぜこの本をばななさんが描かれたのか、ああ、そうなのか。

    人生は有限なので、まわりに振り回されている時間はもったいないな、(この本を読んでさらにおもいました)と。
    自己啓発本よりも訴えかけてくるものがあるお話だと思いました。
    なんかね、自然を感じるゆとり、時間が大事かもしれないです。
    残された時間がすくなくなったとき、もっとテレビ見ておきたかった、なんて思わないだろう、とまじめに思って、今月からまずは新聞の購読をやめました。

    • 辛4さん
      あはは~
      コメントありがとうございます。おげんきでした?

      いろいろ考えちゃうわけですよ~
      桜がきれいだな、小鳥がきてるな、とかそんなことの...
      あはは~
      コメントありがとうございます。おげんきでした?

      いろいろ考えちゃうわけですよ~
      桜がきれいだな、小鳥がきてるな、とかそんなことのほうが自分には大事だと思っちゃいました。なんてことないんですけど。
      2022/05/10
    • ひまわりめろんさん
      元気の源は絶対そっちですので良いと思います!
      そして私も元気です!
      元気の源は絶対そっちですので良いと思います!
      そして私も元気です!
      2022/05/10
    • 辛4さん
      ひまわりめろんさん
      ですよね~。ひまわりめろんさんにご同意いただいて、たいへん心強いです。お元気そうでこちらもよかったです~
      ひまわりめろんさん
      ですよね~。ひまわりめろんさんにご同意いただいて、たいへん心強いです。お元気そうでこちらもよかったです~
      2022/05/11
  • 圧倒のばななワールド。

    よくよく考えたら、このプロットで他の人が書いてたら、超絶つまらない本になってそうだ笑(個人的意見)

    やはりばななさんだからこそここまで心に迫ることができる。

    脱モラトリアムしてから読むべき、感が、ある気がした!また読みます。

    • 円軌道の外さん
      chaideelatteさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がない元プロボクサーです。
      かなり...
      chaideelatteさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がない元プロボクサーです。
      かなり遅くなりましたが
      フォローありがとうございました(^o^)
      (実は多忙のため2年ほどブクログを休んでおりました)

      レビュー読ませてもらいました。
      chaideelatteさんの言う、

      よくよく考えたら、このプロットで他の人が書いてたら、超絶つまらない本になってそうだ笑

      に激しく頷きました(笑)

      この作品はまだ未読ですが、
      ばななさんの作品はストーリーやプロットを追うよりも、
      ばななさんにしか描けない、
      言葉にできない感情や儚く消えてなくなってしまう日常の中の刹那や
      恋愛の中でおこる心の機微や揺れを
      唯一無二のばななさんの文体で味わうのが一番の楽しみ方だと思うし、
      それだけに感性が合わない人にはまったく響かない作家だと思ってます(笑)

      僕は彼女の作品を読むたびに
      なぜこんな文章が書けるんだろうと毎回、感心しきりだし、
      なんてことのないストーリーであっても
      なぜか強く心に残るんですよね。
      つくづく不思議な作家だと思います(笑)


      ではでは、これからもよろしくお願いします!

      あっ、コメントやいいねポチいただければ
      必ずお返しに伺いますので、
      こちらにもまた気軽に遊びに来てくださればと思います。
      (お返事は仕事の都合によってかなり遅くなったりもしますが、そこは御了承願います…汗)

      ではでは~(^^)
      2018/01/17
  • ちょっと前にすごく落ち込んでる時に少し読んだだけで泣きそうになりあわてて閉じてまた読み始めた。この人は私の人生を大きく変えた作家さんだから、どうしても感情が揺さぶられてしまう。最後がとても良かった。ちょっと元気になって物語にそれはないわーとかつっこめる自分にもなれて良かった。

  • こういう読み方が正しいのかわからないけど、これがあの偉大なお父様を亡くされた悲しみの中で書かれたものなのだと思うと、無性にさびしく切なく、でも希望に満ちている。

    起承転結はなく、簡単な文章で独特の表現がされているので、好みは別れるかも。

    ばななさんの作品に通底する、大切な人の死というものに対する静かな感情が結実している。

  • 2014年10月7日読了。

    うーん、まぁまぁ面白いし、良いこと言ってる部分も
    あるんだけど・・・なんかどこか胡散臭いなぁ・・・って
    思っちゃいました(^_^;)

  • 私は海辺でわかめにくるまっているところを母に拾われた捨て子の赤ちゃんであった。
    私は幸せを見つけるのがうまい女性ですぐになんでも幸せだと思って自分の糧にできる。そして夢に不思議な力を宿している。
    ある時母が事故に遭って入院し幼馴染の野村くんが村に帰ってくる。
    子どもができた時絶対中絶しないって15歳から決めてるけどさらに強く思った。だってその子が成長していくにつれてどんな感情を持ってどんな思いをしていくのかそんなことを考えたら絶対堕ろせないし堕しちゃいけないと思う。結局人殺しだもんね。

    私はいることをゆるされている、そう思うと、土に根っこが降りているみたいな安心感がわいてきた。
    人生は遊びだからなぁ。
    自分の人生は自分しか助けられない。
    なにか大きいことをしようとして、そのぶん小さいことがおろそかになり、おかしなことをおかしいと思えなくなってしまって、どんどんずれてくさまを。

  • アドラー心理学の本を読んだばかりだったからか、アドラー心理学とはなんぞやということをストーリー仕立てで書いている本だと解釈した。『嫌われる勇気』を読むよりもこれを読んだほうが老若男女感覚的にアドラー心理学に基づいた"幸せ"について理解できそうな気がした。
    個人的には本全体を通してフワフワしているのに急に落ちてエアタイムに入ってるのにまだ空気感がフワフワしてる、みたいな変な感覚に陥った。

  • 平坦で、地味でちっぽけな日常を、いつも心をしあわせな気持ちでいっぱいにして過ごしてゆく幹ちゃんや、おじいちゃんが可愛すぎて、魅力的すぎた

  • よしもとばななは何でいつもこんな優しい話を書けるんだろうか。やっぱり世界一好きだ。全てがおもむろにポジティブなわけじゃなく、暗いこととのコントラストで明るくなるように書かれているというか。世の中の黒い部分に目を背けて書かれているわけじゃなく、ただ自分のものの見方や捉え方次第で、世界はそんなに悪くないと思えるんじゃないかなっていう感じ?考え方を改めなければ、と思った。幸せ病といわれるくらいにいろんなことに感謝して生きていかなきゃ。そうすることで、もしかすると本当に必要なものを引き寄せられるのかもしれない。

  • 花のベッドでひるねして


    おじいちゃんの言葉が心に残る

    どんなことがあっても
    たとえそれが辛いこと悲しいことでも
    心は花のベッドでひるねしていたように
    それは優しく満ち足りた暖かい気持ちでいること

    幸せな感じを
    ただ ただ味わうこと それに感謝すること

    何かをしたら幸せになるのではなく、
    違うなって感じることをしないこと

    違うことをせざるを得ないときは、
    ちゃんと、違うやんと思いながら
    日々調整しながらいきること


    お花畑がずっとずっと続くようなお話じゃなかったけど
    これも人生そのものだと思った
    悲しいこと びっくりすることを
    見ないで否定するのではなく
    そんなことがあっても
    心の中の暖かさはいつも灯しておくこと
    それを気づかせてくれる、
    テストみたいな一冊だった

    きもちいい秋晴れの日に読みました
    キンモクセイの香りと 頬にあたるそよ風が本当に素敵で
    いつまでもこの感じを大切にしたいと思いました
    きっとわたしの中のお花ベッドは
    そういう感じのことなんだろうなと思いました

全130件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしもとばななの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×