モンローが死んだ日

著者 :
  • 毎日新聞出版
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本棚登録 : 242
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108155

作品紹介・あらすじ

なぜ生きるのか?なぜ愛するのか?人が他者を、自らを支えきれなくなった時代、「生と性」の意味を問い続けてきた著者が贈る、渾身の感動長編!孤独の中を生きてきた男女が辿りついた場所とは-現代人の心の襞の奥底に踏み込む、濃密な心理サスペンスの誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 大人の恋の物語。
    静かな資料館での毎日に憧れます。
    が、まさかの展開。

  • 夫に先立たれ一人暮らす鏡子と、離婚してこれまた一人の精神科医の高橋。
    軽井沢の隣町で静かに二人の時間は過ぎていくかにみえたが、突然高橋が失踪し、空気感が急に変化したのには戸惑った。
    精神的なものは苦し過ぎる。

  • 夫を亡くし、猫2匹と軽井沢の外れの自宅でひっそりと暮らす鏡子が精神のバランスを崩したことから受診した精神科医。
    もう何もないと思っていた鏡子の人生に、ひと刷毛の朱を入れるように訪れる医師との静かな恋。その描写は淡々としながらも、小池さんならではの筆力でぐいぐい読ませられ、気付いたら500ページが終わっていた。
    鏡子の年代が近いこともあり、心の動きがすんなり入ってきて、今、この年で読んでこその面白さかなと感じた。

  • だいすきな小池真理子さん。久々のミステリーということで、とても楽しみに読みました。
    最初は、主人公鏡子さんの心情の変化や、精神科医の高橋さんとのやりとり、軽井沢の美しい自然に引き込まれ、中盤は、高橋さんとだんだん距離が縮まっていく様が何とも言えず心地よくて。後半からは、彼が本当は誰だったのか?という謎に引き込まれ、振り返ってみると、あっという間の一冊。
    小池真理子さんの本は、例えガヤガヤしたところで読んでいても、すっと本の中の景色に溶け込めてしまって、境遇はちがうのに共感してしまうのが本当にふしぎ。
    最後に、また寄り添う2人を見れて、胸が熱くなりました。
    また何年か後に読み返したい一冊♡

  • 物語の前半は、天涯孤独な中年女性鏡子が夫を亡くした後、精神の不安定を抱え、精神科に通い、その精神科医と恋愛に至るまでの心の過程が丁寧に描かれる。読者である私までがすっかり鏡子の気持ちに同化した所でその精神科医の突然の失踪。後半は果たして彼は何者だったのかという謎解きになる。鏡子が謎を解明しようとするのに私も夢中でページをめくった。そしてその謎が解けた後再び寄り添う二人に胸が熱くなった。とても面白く1日で読破して大満足。

  •  夫に先立たれ、心身のバランスを崩した主人公・幸村鏡子(59才)と、精神科医の高橋智之(55才)との恋愛を描いた女のそして男の濃密な心理サスペンス。

     むき出しの感情のぶつけ合い――相手を想う気持のたかぶり、切なさ、やるせなさ、じれったさ、そしてそれらが生み出す生命のほとばしり――を恋愛と呼ぶならばそれは苦しくも生の実感そのものだ。
     そしてアラカン(アラウンド還暦)であっても真実の生があるということが綴られてゆく。
     あるいは三島由紀夫への一大オマージュでもあるようだ。

    (内容紹介)から抜粋
     孤独の中を生きてきた男女が辿りついた場所とは――
     幸村鏡子は、長野県軽井沢の外れにある花折町で小さな文学館の管理人兼案内人の仕事をしながら独りで暮らしている。
     夫を亡くしてから心身のバランスを崩していた鏡子は、町内の精神科クリニックで高橋智之医師の診療を受けはじめる。やがて鏡子と高橋医師は恋に落ちるが、高橋は突然姿を消してしまい......。

     なぜ生きるのか? なぜ愛するのか?
    人が他者を、自らを支えきれなくなった時代、「生と性」の意味を問い続けてきた著者が贈る、渾身の感動長編!

  • 抑鬱症状の患者の視点での精神科医との関係という少しイメージしにくい状況で少しずつストーリーが進んでいく。
    ラストの急展開でそれまでの経緯が明らかになるが、やや唐突な感じが否めず自分的にはしっくりと来なかった。

  • NHKドラマのラスト幸村鏡子の無防備感が気になったので原作を読みました。
    原作ではドラマ脚本より鏡子の高橋との再会を自制的に表現しています。
    鏡子はアラカン未亡人で決して裕福とは言えない状況で老後の沙汰も金次第ということを実感しているはずの世代です。一方、高橋は偽医者で一文無しの犯罪者です。いくら鏡子が孤独感に苛まれて将来を悲観する精神的弱者で、高橋もまた精神面に問題がないとは言えずイケメンで心を通わせる相手として信頼できそうと鏡子が感じているにしても同棲若しくは結婚はリスクが大きいと思います。軽井沢は小さな田舎町で、噂は直ぐに広まり鏡子は職を追われるでしょう。高橋が軽井沢近郊で満足な職に就ける可能性も殆どないでしょう。とすれば、原作が匂わせているように高橋の娘を鏡子の夫と同じ墓苑に埋葬して、高橋は東京で夜間警備員なりをしながら年1回娘の命日の墓参に合わせて二人が再会するという緩い関係であれば長続きするとは思います。

  • 8年前に夫を亡くし、還暦を迎えようとしている鏡子の孤独や、心身のバランスを崩し通い始めたクリニックで高橋医師(実はにせ医者)と出会い、恋に落ちる大人の女性の心理描写は繊細。
    何かがありそうな思わせ振りな雰囲気はあるものの、物語の中盤までは物静かな、それでいてやや積極的な大人の恋の物語。

    高橋が失踪してからの鏡子の行動は大胆。大人になると真実を知って傷付くよりも、知らない方がいいと思ってしまいがちだが、鏡子は高橋への恋心か傷付いても真実を知りたいと、らしくない行動を。

    心の病に苦しんでいたとはいえ、鏡子も高橋の娘美緒も、母親に愛された実感がないのはきついのでは。鏡子に子供がいない理由は体の事だとあったが、本当は心の問題で、母親に愛された実感がない自分に、子供を愛せるのかと思っていたのでは。と、少し考え過ぎ。

    愛する人の命を大切にして、ひたすら静かに暮らしたい気持ちに共感。最後のページの二人に、鏡子の望む暮らしが叶う事を感じる。と、言うか願う。

  • テレビで見て面白かったので、図書館で本を借りてきた。テレビの内容と小説と大きく変わらないということは、テレビの脚本がいかに良くできていたという事になるね。
    小説も良くできているように思える。この作家は初めて読むが、他の作品も読んで見たいと思う。

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著者プロフィール

小池真理子(こいけ まりこ)
1952年東京都生まれの作家。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。その他の著書に、『二重生活』『無伴奏』『千日のマリア』『モンローが死んだ日』などがある。
2019年1月6日から、『モンローが死んだ日』がNHK BSプレミアムでドラマ化。主演は鈴木京香、草刈正雄。

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