マチネの終わりに

著者 : 平野啓一郎
  • 毎日新聞出版 (2016年4月9日発売)
3.99
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  • 375レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108193

作品紹介

結婚した相手は、人生最愛の人ですか?ただ愛する人と一緒にいたかった。なぜ別れなければならなかったのか。恋の仕方を忘れた大人に贈る恋愛小説。

マチネの終わりにの感想・レビュー・書評

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  • あちこちで絶賛されている本書だったので、初読みの作家さんだったけれど手に取ってみた。

    むむ。
    どうなんでしょうか。この安っぽいストーリー。
    これが新聞連載が終わった時にはマチネロスに陥った読者多数とも言われた小説なのか?
    アマゾンの評価もぶっちぎりの高評価だけれども・・・。

    物語は簡単に言ってしまうとクラシックギタリストの蒔野とジャーナリストの洋子の恋愛もの。
    強く惹かれあう二人は運命のいたずらかすれ違い別々の人生を歩むようになる。

    何度も繰り返される「未来は過去を変えてくれる」の台詞だったり、国際政治問題への提言の数々、豊富なクラシックの知識を土台に芸術家特有の苦悩を描く筆力、などなどなど、完成度の高い作品であることには間違いがない。

    でも、いかんせん陳腐だよ。
    使い古したネタが昭和かよってつっこみたくなってしまうメロドラマ感・・・。

    もしやこの小説はストーリーはさておき、登場人物一人ひとりの綿密な心理描写だったり、ストーリーに肉付けされた芸術性やら政治問題を堪能するものだったのか。
    それだったらもうちょっと楽しめたのかもしれないなぁ。

    ごめんなさい、どうしても世間の評価と乖離があるようで・・・。

  • 何て静かで清らかな時間だっただろう・・・。
    気が付けば読書に没頭していた。
    仕舞いには、自然と涙が溢れ出していた。

    note で連載を読むことができた為、
    ずっと携帯で小説を読んでいた。

    第九章の始めまで電子媒体で読んだが、
    やっぱり本が出てから全てを読みたいと思い、
    note での閲覧をストップし、上梓を待ちわびていた。

    第九章まではもう一度同じ話を読むことになったのだが、
    二回目に読むと登場人物を既に知っている為
    また違った読み方ができる。
    より深く、登場人物を辿ることができた。

    純文学は苦手でほとんど読んでこなかったが、
    平野先生の作品はそんな私の心も鷲掴みにされる。
    何て美しい文章、美しい登場人物
    美しい情景なのだろう。

    世界中の人に読んで頂きたい一冊。

  • 一言で言うなら 抗わない大人の愛。
    感情が自分の為にあり無意識の欲求を孕むのなら、理性が相手の為に働き愛を育むということなのかな…
    「未来は常に過去を変えていける」がキーワード。読書なのにギターの音色が聞こえてくる心地良さ…。
    再読を心待ちする時間さえ愛しい。

  • 久々に世界観が好きな本でした。
    20歳の時に読んでたらまた、少し違った印象だったなと思ったり。でも、いろいろ勉強になったかなと思ったり。
    今30歳の自分は、共感できる部分も沢山あった。
    でも、大人になったからって、いろいろ偏見もどきを思い込んでたけど、
    年齢関係なく心が動く。いつの時代もどんなに変わっても一緒なんだなって思いました。
    いろんな人間関係、家族があって、
    少しは捉え方が変わった。
    過去の後悔も、今も未来も変わっていくのが
    しみじみと心に沁みた。
    過去の自分なら早苗のした事に勘付いて
    恐れてしまってた。
    私にはできない。
    そして、これが運命でないと言い聞かせてた。
    この小説の2人はお互いの気持ちが繋がった。
    洋子さんは努力家のスマートな人なんだよって早苗に言いたくなった。
    早苗の罪悪感を自己で消化してるところが、
    世間はこんな女の人の方が多いんだろうかって、
    自分の欲が優先なんだろうかって思った。
    知的な女性は凄く魅力的だった。

  • 正に、素晴らしいコンサートを聴いた後のような読後感だと、想像する。そんな洒落た趣味はもってないけれど、多分合っている。どんなに良かったか、言葉では伝えられそうにない、この感じも多分一緒だ。とにかく良い本でした。

  • 大人の恋の物語、と言ってしまえば一瞬だけどこの二人の間には思いがけない障害があってそれでこうなってああなって、とまどろっこしい。すれ違いもここまでくればなるほど小説になるんですね、と後半でやっと思った。半分まではすんなりこの二人がうまくいくとばかり思っていたので。

    BGMを流しながら(バッハの平均律など)涙を流しながら読み終えました。

  • アメトークでみてから。ようやく読めました。久しぶりに小説を定価で買った。

    じーわじわと沁みてくる。
    はじめは堅いな~と思ったけどだんだん止まらなくなって(さいてー…などと独り言言いながら)最後読み切ってしまうのがもったいなくてひとつひとつをかみしめながらページをめくりました。
    愛ってなんだろ。少し時間をおいてもう一回読みたい。

  • プロのクラシックギタリストである蒔野聡史と、海外の通信社に勤務する小峰洋子。華やかな音楽や映画作品、時事的な出来事など幅広い分野を織り交ぜながら展開する、一筋縄にはいかない大人の恋愛模様。

    この作品では“心のつながり”がひとつのテーマになっています。恋愛小説ではありますが、互いの年齢や立場、状況などから情熱だけで突っ走るような真似はしません。むしろ大人だからこそあれこれ思惑が募り、不器用に、遠回りをして、結局手からすり抜けることばかり。こんなに“きれい過ぎる”恋愛模様は現実的ではないとは思います。でもどうしようもなく人として惹かれる者同士、分別ある距離感を描いているので嫌味がありません。どことなくフランス文学を読んでいるようでした。

    読んだ後、とても好きで大切にしている吉野弘さんの『生命は』の詩が思い出されました。孤独に生きる生は存在しない。本人の意図しない瞬間であったとしても生命と生命は紡ぎ、ほどけ、再び紡がれながら世界はゆるやかに構成されている、といった旨の内容です。この小説の軸となる部分と重なる気がしました。

    終わりが近づくにつれて、あとに残る気持ちは特有の寂寥感?と不安な気持ちも抱えながらラストまで一気読み。結果、残ったのはただただ心地好い余韻と満足感でした。

    〜memo〜
    マチネ(午後の演奏会)

  • 読みが足りないのかもしれないが、私は好きじゃなかった。

    「相手を思うからこそ関係を絶つという愛」というが、そのようなものは本当に死ぬか生きるかの瀬戸際でしか発揮されない(それでも絶つくらいなら死を選ぶという選択肢もありうるとは思うけれど)と思う私は、薪野と洋子から相手に対する”真剣さ”を感じられなかった。(”真剣さ”があった人物といえば、ある意味三谷くらいかな)
    そもそも薪野と洋子が別れるに至らなくてはならなくなった理由というもの(三谷が作出したものだが)がありきたりで「え?それ?」というくらい拍子抜けしたし、薪野が見る洋子が、”ソリッチ監督の娘”、”才色兼備の女性であること”(つまり周囲に見せびらかせる)という部分がやたらとクローズアップされていて、そのミーハーさが鼻につく。
    なんだかんだ言って、心にモヤモヤを持ちながらもろくに行動もせず妥協に走った男女なのにここまで情熱的な恋愛小説みたいに持て囃されるのがよくわからなかった。それが大人の分別というならば、それは内心努力をしたくない言い訳に過ぎないと私は思う。
    なので、彼ら2人の考えや台詞と行動との間に矛盾を感じたのだった。

    結婚生活がつまらない人、少しでも妥協して結婚をしたと思っている人、旦那や奥さんよりも好きな人に出会ってしまったと言っているような純愛ぶった不倫をしている人達なら、このような小説はかなりの慰めになるのかもしれないと思った。慰めというより、陶酔(現実逃避ともいう)と言った方がいいかも。
    少なくとも私は彼らのような人生は歩みたくないなと思った。

    ただ、音楽や文学作品、聖書に至るまで様々な引用があるのはとても好奇心が刺激され面白い。小説を通した選書のような感じで読む分にはとても良いと感じた。

  • 冷静と情熱のあいだを思い出したのは私だけではないだろう。
    たった、3度しか出会ったことのない、プラトニックな男女がどうしようもなく惹かれあう。たった3度しかたったことのない人に、その後の人生をかき乱され、翻弄される。出会ってしまえば、もう出会う前の自分には戻れないという不可逆性。
    10代の恋と40代の恋が違うのは、40代の恋のはその人に出会う前の40年分の人生(過去)さえも、上書き変化させられるということだ。
    我々は、過去と未来の接点である現時点に存在しており、日々の出会いを過去も未来もどんどん変化している。

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