東京會舘とわたし(上)旧館

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  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108216

感想・レビュー・書評

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  • 大正11年に創業された東京會舘の100年の歴史を、そこで働く人、訪れた人、関わってきた人達の物語を絡めて紐解くお話。

    東京會舘のことは、お恥ずかしながら何も知りませんでした。
    どんな場所にも、訪れた人の数だけ物語があるもの。
    東京會舘は、100年も歴史のある建物で、大正、昭和、平成と激動の歴史とも関わっていた様子で、とても興味深かったです。

    作家を志す青年、大政翼賛会へ引き渡す際の責任者、戦時下に結婚式をした女性、GHQに接収された中でバーテンとして務めた者、お持ち帰り菓子を開発した者。
    それぞれのストーリーが素敵でした。

    このまま下巻に進みます。

  • 東京会館をほぼ知らなかったのですが、読めばなぜか愛着が湧いてくる。地元にも名を変えて残る建物がありますが、そこにもきっと様々な物語があったのだろうと思います。晴れの舞台に、仕事の舞台に、歴史の舞台に、そして震災と、激動の時代を生き抜いてきた場所は、例え知らなかったとしてはやりこの先も残っていて欲しいと思う。読後、東京會舘を検索してしまいました。スイーツ美味しそう。

  • 東京會舘に行ってみたくなった。戦時の話しは場所も状況も亡くなった祖母と被る。會舘の歴史が日本の歩みであると痛感。それぞれの物語を大事に残していって欲しい。

  • 「東京會舘」という建物を舞台にその長い歴史の中で通りすぎて行った人々の物語。各章に分かれて主になる人物の人生を描く。著者の作品は初めてでしたが読みやすく上下巻流れるように読むことができました。上巻旧館は大正12年5月の章から昭和39年12月の章まで。下巻新館は昭和51年1月の章から平成27年1月の章まで。振り替えればどの章も人々のじんせいが凝縮されていてあたたかみのある話でした。印象に残った章は直木賞ゆかりの物語「煉瓦の壁を背に」でしょうか。

  • ​​東京會舘はお客様のおもてなしをしようというそれぞれのジャンルのプロフェッショナルを引き寄せる。​​単なる場所貸しではなく、お互いがお互いを補完し合いながら、お互いを高める場所。だからお客様とも感動がある。素敵。

  • 最後のが一番好きです

  • あたりまえのことだけれど、どんな場所にも誰にでも、歴史があるんだな、と思ったら、胸がいっぱいになった。東京會舘、思わず検索してみたら、ネットでパピヨンとか買えるんですね。そわそわ。足を踏み入れるには、ちょっと敷居が高いけれど、いつか、と憧れてしまう。それにしても、辻村さんがこんなに骨太な作品を書く人とは知らなかった。

  • ここは夢が生まれる場所。
    華やかなる“社交の殿堂"。
    大正、昭和、平成という時代を情熱的に生きた人々を、鮮やかな筆致で描き出す。
    大正11年、丸の内に落成した国際社交場・東京會舘。
    海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー……。
    変わりゆく時代の中、“會舘の人々"が織り成すドラマが読者の心に灯をともす。

  • 皇居のお堀端に建つ、宴会場・レストランを舞台にした歴史物がたり。

    大政翼賛会本部が、このビルに置かれていたのは、不勉強ながらこの作品を読むまで知りませんでした。近傍の第一生命ビル・明治生命ビルが、GHQに接収されたことは知っていたんですけどね。

    実は、東京會舘は、前を通りすぎたことは何度もあるんですが、中に入った事はないんですよねぇ。この作品を読んで、いっそう興味をひかれました。

  • 旧館編。大正時代、庶民も社交を楽しめるようにと建てられた東京會舘での様々な物語。スタッフの成長や訪れる人たちの心持ちが丁寧に描かれている。戦争をくぐり抜け生き延びてきた激動の時代を、静かに見つめ続けてきた東京會舘を様々な角度から描く。特別な場所なんだなということが伝わってくるお話。行ったこともなく、この小説で初めて知った所なので、イメージが追いつかなかったのが残念だけど、誰にもこんな場所ってあるんだろうな。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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