神域 (上)

  • 毎日新聞出版 (2020年2月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784620108476

作品紹介・あらすじ

再生医療は救世主か。悪魔か。
アルツハイマー病を治す「奇跡の細胞」が誕生。国家の威信をかけた熾烈な開発競争が始まった!

脳細胞を蘇らせる人工万能幹(IUS)細胞「フェニックス7」。
それは人間の尊厳を守るために生み出されたはずだった。
国家戦略の柱としたい日本政府は、一刻も早い実用化を迫る。 再生医療による医療が普及すれば、人は永遠の命を手に入れるかも知れないーー。
しかし、本当に細胞は安全なのだろうか。

バイオ・ビジネスの光と闇を描く、真山仁初の医療サスペンス!

感想・レビュー・書評

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  • アルツハイマー病を治す! 脳を蘇らせるという人工万能幹細胞「フェニックス7」をベンチャー企業が開発、実用化に向けて研究を進める。研究者、研究者と政府の調整人、そして、度重なる不審な老人の死体をみる刑事、欲望が渦巻く開発の世界。フェニックスは人にも安全か?
    (下巻へ)

  • 久しぶりの真山さんの小説。
    この本はテーマ的に前々から読んでみたくて、文庫になるのをずっと待っていたのですが、
    待ちきれず図書館で借りて、読んでみました。

    当初、創薬ビジネスに関するビジネス小説だと思っていたのですが、
    それに加えて、ミステリー的な要素が加わり、
    ミステリーの要素が途中からどんどん増えていきます。
    上巻の半分も過ぎれば、もうネタバレというか、
    繋がりが容易に想像できてしまうので、
    驚きの結論という感じではないですが、
    真山さんお得意の入念なリサーチに基づいたストーリー展開は十分に面白いです。

    若干、今後の展開が想像できてはしまいますが、
    下巻も楽しみです。

    ※神域 下
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4620108480#comment

  • 読書備忘録609号。
    ★★★★。
    医療ミステリー?
    アルツハイマー病を治す奇跡の人口万能幹細胞(IUS)フェニックス7。
    動物実験で大きな問題にぶち当たり、その解決の為にはより複雑な脳の構造を持つ人間での治験が必須。"ボケるくらいなら死んだ方がまし。自分で実験してくれ!"、という高齢者たち、自らアルツハイマーの兆しを抱える医療研究機関の理事長、国家戦略の柱にしたい政府。そして謎の行き倒れた高齢者の死体が次々に発見される・・・。
    分かりやすすぎる展開を下巻でまとめられるかで評価が決まる!笑

  • 主人公、篠塚幹はアルツハイマー病のための治療薬フェニックス7を東北にある最先端の研究所で開発しているが、動物実験での課題がクリアできず、なかなか人間での治験に移行できないことに焦りを感じ始める。
    その頃、同じ市内で認知症高齢者が失踪してから数ヶ月後に死体で発見される事件が連続し、遺体の状態などに疑問を感じた所轄の刑事は、後輩刑事と事件の真相究明に動き始める。

    始めはミステリーかと思ったが、上巻の早いうちに、事件と主人公に何らか関係があることがわかってしまった。
    事件の真相、治療薬の研究の行方、登場人物たちの心の葛藤が読みごたえを感じさせてくれるか、後半に期待。

  • アルツハイマー病の治療法開発をめぐる医療ミステリー(?)。再生医療倫理問題がテーマ。

    篠塚幹と秋吉鋭一が開発した人工万能細胞(IUS)"フェニックス7"は、アルツハイマー病の画期的治療法として脚光を浴びるが、安全性に疑義が生じて治験に進めない。その研究手法にも闇があって…。

    展開が早くて読みやすい。

  • 神域 上
    著作者:
    毎日新聞出版
    タイムライン

  • 真山仁さんの小説は教科書のような存在です。

    アルツハイマーの新薬研究員について、スポンサー・政府・官僚・研究員たちの思惑や情熱の交錯が描かれています。

    日本の治験に対するハードルが高いが故に、優秀で志しある研究員が非合法に治験を行ってしまう。
    真山仁さんの作品は、いかに日本が米国の搾取を受けているか、そしてその隙を作ってしまうのは日本の行政機関や業界だということを思い知らされ、勉強になります。

  • 脳のアルツハイマー状態を改善する万能細胞フェニックス7。

    実用化を目指す投資家・研究団体のトップ、研究者達はついに人体実験に踏み入れてしまう。そして世界にその真実を隠して研究を進めていく。

  • アルツハイマーの治療薬の開発がテーマ。
    人が人の細胞を開発する神域に踏み込む研究者、と痴呆症の老人が不可解な死を遂げる(事件)に挑む刑事が主人公。
    前半は読み終わって改めて表紙を見ると寒気が走りました。そしてエンディングが予想できない終わり方でした。

  • 真山仁の筆力たるや!

  • 「こんなわたしはいやだ」と、物語は、衝撃的な場面から始まる。

    認知症の発症による、自殺者数は多くないという。特に、初期および軽度の状態で、将来の不安で鬱になって自殺する場合がほとんどらしい。重度になれば、自殺する判断にも支障があり実行に到らないという。
    もし、尊厳を守るとしたら、初期の自覚のあるうちに実行しなければ、自殺(自死による尊厳死)すらままならないかもしれない。

    脳細胞を再生させる新薬。一時的に発症前の状態に脳を戻せる。有効期限は数年、その後は死を迎える。この新薬が開発されたら、藁に縋らない患者がいるでしょうか? たとえ、実験台としても、たとえ僅かな延命に過ぎないとしても。

    ただし、選択の自由は、患者自身しかない(まだ判断できるほど早期)。親の、パートナーの、若年性の患者に家族が薬を投与する選択肢はない。きっと、耐えられないに違いない。機会があるとしたら、介護が限界に到った時だけかもしれない。一瞬の回復と安楽死をセットに。いずれにしても、残酷な薬(選択)です。

    脳細胞の再生は、神の領域を犯すかもしれないと、説く。しかし、医療を考えたとき、神の領域はどこにあるのか難しいと言わざるを得ない。ワクチンはOKか、輸血はOKか、義手義足はOKか、臓器移植はOKか、人工臓器はOKか、再生医療はOKか。
    手段はあっていいのではないでしょうか。利用する個人が是非を判断すれば。

  • つまらない。
    感想は下巻で

  • 4.1

  • アルツハイマーの新薬を開発中に、高齢者失踪事件が多発。なぜなのか?真相は下巻に持ち越される。

  • アルツハイマーの薬 早くできてほしい。

  • 2作続けてアルツハイマー。こちらは推理。真山作品にしては、詰め込みすぎず一気に読了。早々にネタバレさせて、下巻引っ張りきれるのかちょっとだけ心配。

  • 頭の開頭痕は普通に気付くのでは。

  • 長編小説なので時間かかるかなと覚悟してひらいたら、先が気になりすぎて一気に読んでしまった。面白い。
    感想は下巻で。

  • なかなか面白い
    下巻へ続く

  • 著者の読み物としては、少しライトな感じ。
    医療カテゴリとしては、もう少し難しそうでもいいのではと思いつつ、社会・政治物でなくミステリー小説なら、まあいいのか?
    後半の展開に期待したところ・・・

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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