- 毎日新聞出版 (2020年4月20日発売)
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感想 : 62件
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Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784620108490
作品紹介・あらすじ
噓つきは教師か? 生徒か?
SNSに投じられた学校代表の「読書感想文」盗作疑惑。
渦巻く疑心が人の心の暗鬼を呼び覚まし、一人の教師を奈落の闇に突き落とす。
エンタメ小説の鬼才が教育現場の圧倒的リアルに迫った学園震撼サスペンス!
感想・レビュー・書評
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小説家になるという夢に破れ 中学の国語教師となった汐野悠紀夫。小規模校の野駒中学校は読者感想文に力をいれ、汐野がその指導にあたっていた。
汐野はその年の読書感想文コンクールに、顧問を受け持つ文芸部の部員 藪内三枝子の作品を出品。作品は市の代表に選ばれる。しかし三枝子の作品は 過去の受賞作の盗作だというメッセージが 生徒間のLINEに回ってくる。
学校側はLINEをデマで片付けようとするも、その内容は保護者間のLINEであっという間に広がる。三枝子が教育委員会会長の娘であったことから、問題は野駒中を廃校にして小中一貫校にする賛成派と反対派の保護者対立にまで発展。
その様子が何者かのリークにより ネットニュースに取り上げられ やがては教育委員会、政治家まで巻き込む事態に…。
【嘘つきは 、生徒か。教師か。】
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
人の心はパンドラの箱、ですねぇ。
汐野が意図せず開けてしまったその箱は、
責任逃れ、保身の為の隠蔽、嫉妬、裏切り…。
人の心の闇の部分を見せつけられて、汐野はやがて 自分のあさましさにも目を背けてはいられなくなります。
三枝子の作品は本当に盗作だったのか、誰が告発したのか。
疑心暗鬼と教師というブラック業務で精神をすり減らす汐野に 追い討ちをかけるように語られる最悪の真実。
自尊心と小さなプライドを守るために、他人を蔑み 蹴落とそうとした人たちの末路、かな。
『人間界という闇の中には、暗鬼しか潜んでいない。
そうだ、全員が暗鬼だったのだ』
汐野も自業自得なところがあるとはいえ、あんだけズタボロにされたら それはこうなる。病む。
_| ̄|○ il||li
人の暗い部分が解放(?笑)される後半部分はゾワゾワでゾクゾクでした笑
初 月村了衛さん
警察小説が有名なのかな?
最近は先生たちの働き方も見直されてるみたいだけど、本当に大変そう。先生方 お疲れ様です。SNSも怖い。北海道の中学校で生徒の個人情報がネットに流れたニュースもあったけど、(あんな評価をする教師も最低だけど)どんなに注意をしてもネットに流す人がいることも怖いし悲しい。その先に 深い傷を負う子どもたちがいることが想像出来ないのかねっ ( '-' ꐦ)
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元作家志望、現在中学の国語教師・汐野。学校では読書感想文コンクール選考の責任者となっている。代表となった生徒の作品が盗作だとSNS上で投稿された。盗作なのか悪戯なのか、校長・他教員、生徒家族、地方議委員まで巻き込み波紋は広がる。
教育現場だけでなく、地方政治の問題、心の闇まで広がっていたよ、それにそれぞれのダークな部分思いっきり出てた。
物語ではあるものの、学校の先生は改めて本当に大変だなあと思ったのと、問題の中学生が怖かったなあ。汐野の周りは歪んだ人ばかり。そんな人たちが汐野を奈落に突き落とす、げっそりしながら読み終えました。『山月記』よく読んでおくといいかも。 -
人との付き合いが怖くなりました。
高校教師、汐野に問題が有るのか?
周りに居る人間が問題有りなのか?
自分の高校時代を思い出すと単純だったなぁ~(笑) -
SNSに投じられた学校代表の「読書感想文」盗作疑惑。
渦巻く疑心が人の心の暗鬼を呼び覚まし、一人の教師を奈落の闇に突き落とす。
エンタメ小説の鬼才が教育現場の圧倒的リアルに迫った学園震撼サスペンス!
妙にリアルな描写もあるにはあるが、やはり絵空事であった。版元が青少年読書感想文全国コンクールの主催者の出版部門というのは、意図的? -
「土漠の花」がスケールが大きく面白かった。
反してこれは中学の読書感想文の盗作がテーマ
教師 教育委員会 役所 そして生徒
それぞれが絡まりドキドキするミステリー
とても面白かったのだけれど
うーん 共感しにくかったなあ
あまりにもエゴとエゴ
汐野の生い立ちとか家族は?
キャラクターが出来上がったわけが知りたいと思った
登場人物の名前とキャラクターがごちゃごちゃになってしまった
それにしても 中学生 こわー
≪ スマホから 疑心暗鬼が 一瞬で ≫ -
読書感想文の盗作疑惑を巡る校内狂騒を舞台設定にして、現代社会の様々な問題点を鮮やかに浮き彫りにしているが、秀逸なのは小説家を希望しながらも認めらず教師に甘んじている主人公の心情を「山月記」で、登場人物たちの闇や暗鬼の姿を「藪の中」で、代弁することによってより深く抉っているところだ。読み易く書かれているが、深い洞察力によって透徹されていることが行間から滲み出ている傑作。
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なんだろう、このあと一歩感は。スマホとかLINEを登場させてる割にはその特性を活かしきれておらず無理に時代に合わせようとしてる?動機がぶっ飛んでいて推理の斜め上だった。
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月村さん、新境地に挑戦⁈読書少年だったのは分かるが、舞台を中学校にしたのは失敗。いくら何でもこんな中学生は、非現実的。誰もが心に鬼を飼っているけど・・・
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突如、SNSに書き込まれた読書感想文の盗作疑惑。これを皮切りに雪だるまが下へ転がり大きくなるかのように次々と問題が発生します。果たして、犯人は?主人公は良い方向へ進むのか、悪い方向へ進むのか。
月村さんというと、アクションシーンの描写が秀逸という印象でしたが、この作品では、そういった描写はなく、新たなジャンルを開拓したように感じました。
読みやすく、犯人は誰なんだろう、次どうなるんだろうと続きが気になってしまい、あっという間に読んでしまいました。とにかく次々と展開が変わっていき、世界観の魅惑に取り憑かれました。
将来、先生を志そうとしている人にとっては、この作品を読まない方が良いというくらい、教育現場での裏側がリアルで、大変さが窺えました。責任を背負いたくないが如く、先生達の陰の部分が垣間見れました。
また、登場人物たちの欲望が渦巻いていて、読んでいてイライラ感が募りました。
特に焦点となるのは盗作疑惑事件なのに、陰謀論とか関係のないことに人々が踊らされていて、深読みしすぎとか論点がズレているとか思ってしまいました。そういった点では、この時世と共通しているのかなとも思いました。
真相が明らかになるにつれ、段々と登場人物の仮面が剥がれ落ちていく様は、読んでいて開いた口が塞がらない感覚で、呆然としました。醜さ全開で面白かったです。
一応、盗作疑惑事件は解決しますが、その後の末路は、人それぞれで、複雑な心境になりました。良い方向へ進む人もいれば、悪い方向へと進む人もいて、主人公は果たしてどっちなのか。ぜひ読んでみてください。改めて教育現場は恐ろしいと感じさせてくれました。 -
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初見の作家である、前置きもなく端緒から物語は始まる、これはもう文学ではなくただの事件ものだ。最初から最後まで嫌ごとばかり続いていき最後は辟易とした、ちょっとこれからフォローしようとは思えない作家である。中学教師の話であるが、専門課程をこなした小学教師とは違い三流大学出でもなれる中学教師などロクな教師しかいないことは、周知の事実であるが、生徒からしてみたら熱血教師もいやだしエロ教師はもっと嫌で、ただ単にひたすら授業を進めてくれる教師が一番ありがたいのでないかと思う。
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月村さんが女子中学生を主人公に!?とびっくりしつつ読み始めたのだけど、とにかく超吸引力に最後の最後まで引っ張られての一気読み。
面白い。とにかく面白い。
「中学生の読書感想文とスマホ」を題材にここまで面白いミステリが書けるものなのか!!
いやぁ、さすがです、月村さん。
学校代表に選ばれた読書感想文が昔の入選作のパクリだった、というLINEでの密告から、学校中が大きな渦へと巻きこまれていく。ある生徒のスマホが別の生徒のカバンから見つかり、そこにまた別の生徒からの通電が入り、誰が何をしようとしているのか、全員が疑心暗鬼。ここまでなら学園ミステリ路線。
ところがそこから話が広がる。学校代表の座を競い合った二人の女子生徒。その父親同士が学校統合の賛成反対両派のトップであったり、そこに業者癒着だの担任の野望だのが入混じり…もう、なにがなんだか、大混乱。
その大混乱の最終章、劇的クライマックスの最大の見せ場。とある方からこの場面からヴィヴァルディの四季 冬 第一楽章を聞きながら読むのがおススメ、と言われていた通り、気持ちも昂りまるで劇を見ているようで!!
かつて、教師は聖職で、政治家は公僕であったはず。その聖なる人々の邪悪さ、そして、清純であるはずの女子中学生の狡猾さ、そこに「その他大勢」の保身や嫉妬、自己中に野次馬根性、とにかく「悪意」のオンパレードでもってラストを盛り上げる。イヤミス上等!むしろあっぱれ!
とりあえず、教師にはなりたくない、と思ってしまったわ。いや、なれないけどね。 -
途中で挫折してしまいました
丁寧に登場人物の心理描写が書いてあると
思いましたがペースが合わなかったです。
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主人公 汐野は作家を目指していたが、
挫折し教師の職に就いた。
誰よりも文学に詳しく、真に通じてると
奢りの心を持ちながら甘んじて教鞭をとる。
汐野が勤める学校は読書感想文に力を注いでおり、
今年は汐野の指導の元、藪内三枝子の感想文が
学校代表になり市に提出された。
ある日、その感想文が盗作だと書き込みがされ
真偽の解明の為、汐野を含めた学校全体が
巻き込まれる。
嘘で固められた人の心の中、
感想文は盗作なのか、
周りを埋める教師、保護者、大人達は
真実を語ってるのか。
心に棲む暗鬼に性別や年齢は関係ないと痛感。
また、心中に巣食う闇はその種となったものでしか
代わりがない人の業を感じました。
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末路、という言葉にはいかにも終幕や行き着いた先のネガティヴさしか感じないが、この作品の末路はその上がること叶わない千仭さではない山月の咆哮の凄みを感じる。織り込まれる文学作品が全て生きて来るラスト。人は変わると言う事。
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多忙な生活を送る中学教師の主人公。
政治家を父にもつ交際相手もいて、将来は婿入りして義父の地盤を継ぐのかと思いきや、序盤から歯車が狂っていく。
人間の愚かさが渦巻いて、主人公が周囲の人間から打ちのめされていく様がかつて読んだことのない感覚だった。
読みごたえはあるけれど、人間の本質を見たような気がして、読後に疲れを覚えた。 -
#読了 読み始めたら面白くて一気読み。ずっと気になっていただけど読めていなかった作家さんだったので、これから他の作品も読んでみよう。
登場人物たちのほぼ全員に共感できなかったけど、こういう面が自分にもあって、ただ目をそらしているだけなんだろうなーと反省もしてしまった。
ご都合主義を感じる舞台装置、展開ではあったけど、それよりも人間の中の暗い感情の発露が気持ち悪くてのめり込んだ。
著者プロフィール
月村了衛の作品

ありがとうございます!
けど、約一名は除外しておきます( ー`дー´)
ありがとうございます!
けど、約一名は除外しておきます( ー`дー´)