ブラック・チェンバー・ミュージック

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.69
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本棚登録 : 224
感想 : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108544

作品紹介・あらすじ

『キャプテンサンダーボルト』『オーガ(ニ)ズム』の阿部和重が世界の分断に翻弄される男女の〈愛〉の物語を描いた感涙ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 国家を揺るがす極秘任務に押し寄せる怒涛の展開。

    張りつめる緊迫に動悸が止まらぬまま駆け巡りましたー!

    くすりと笑えるユーモラスな部分と、手に汗握る息をつく間もないような胸はやる展開が交差していく面白スリリングがたまらない!

    二段組もなんのそのでクライマックスまで駆け抜ける!

    もう、なによこのラスト、
    目と鼻の奥んとこ、きゅぅ〜〜ってなったじゃない。
    最高ズルイっ!
    こんなラブストーリー、読んだことないわ♡

    壮大なスケールの映画観た気分。
    あ〜面白かった!

  • #あべかずチャレンジから1年、新刊が出たので読みました。前作『オーガ(ニ)ズム』と同じ巻き込まれ型のお話なのだが、語りのリズムとかギャグのキレとかキャラ立ちが前作よりパワーアップしている?(なお、単に技が磨かれたのか、この辺の調整をあえてやっているのかは不明である)いずれにしても、二段組み500ページ弱の長さが気にならず、スルスル読めて最っ高に楽しかった!今回直前に著者と佐々木敦さんのトークイベントを一部(*ネタバレ出て来そうなところで止めて、読後にアーカイブで残りを見ました)配信で見て、読むヒントをいくつか与えられた状態で読んだ。なんの前情報もなしに突っ込むのも好きだけど、これはこれで良いな。以下、そのトークの内容ともからめつつ、備忘録。
    *基本、グダグダ悩んだり理屈をこねまわしたりしている主人公が、読んでて不自然なくらいの衝動に駆られて行動する、それと同時に物語も大きく動くという瞬間がいくつかあって、これって不自然なようでいて実は意外にリアルなんじゃないかな。今まであんまり考えたことなかったけど、物語の動かし方というものに俄然興味出た。
    *「紋切型を受け入れつつ反転させる(第一印象を裏切る連ドラ的パターン)」に「小説家としての政治性」を託している、というお話だったが、古本屋のリサとバイト、謎の追っ手の正体など、よくある、お医者さんと言われると男性だと思ってしまう心理テストの類みたいな単純な話じゃないよね?私はサブキャラではゆみちゃんが一番好きなんだけど、クレイジーなゆみちゃんが実は有能なとことかも、そのひとつなのかな。きっともっと深い意味がありそうだから、この問題はもうちょっと考えたい。
    *「ラブが表面化する瞬間」、これも唐突なんだけど、確実に胸がきゅんきゅんして、やるな、あべかず、と思った。薄目で流していたSNSの感想などで最後の1ページに何かあるとは予想してたけど、それでもラストにはぶわっときたし。今までに読んだことがない感じの、でも紛れもなくsheerなラブストーリーだった。
    *トークショーでは『IP』を連想したという読者の声が紹介されていたけれど、私はやっぱりスーツケースという小道具もあって、大好きな『ミステリアスセッティング』を想起したかな。考えてみたら、『ミステリアスセッティング』って、物語そのものがステレオタイプの反転だよね?
    *「政治性」ということで言えば、先日たまたま3.11がテーマのアンソロジー『それでも三月は、また』をぱらぱら読み返して、「RIDE ON TIME」のマイペースさというか他とは一線を画した孤高さに感嘆したのだが、この距離感と切り込み方、歴史のとらえ方が、本作でも生きているのかな。
    *最後の日本側の真相、脱力&半笑いしつつも、ネット社会をリアルに絡めた、あべかずにしか書けないみごとな種明かしだなと思った。この辺りは『ニッポニアニッポン』ともつながってる?
    *映像化するなら横口健二役を誰にするか問題、なかなか難しいけど……加瀬亮とか?あと、字面が横山健に似てるせいもあり、ちょい若い頃の健さんも思い浮かべてしまったけど、横口健二のセリフって、『オーガ(ニ)ズム』の阿部和重もそうだけど、テンポとか間とかがすごく大事なはずだから、巧い役者さんじゃないとね(追記:森山未來はどうだろうか。いだてんの再放送観てて気がついた)あと、諏訪太朗さんには是非出演してほしいですね。古本屋のダニーデヴィートか佐伯先生とかで? なんでもかんでも黒沢監督の映画でイメージする癖があって申し訳ないが、『勝手にしやがれ』シリーズや哀川翔主演のVシネマっぽいスラップスティックな楽しさがあったし。とくにクライマックスの浅草篇は、思いがけず生まれ育った町の近所だったこともあってめちゃくちゃ楽しかった!ヘイト集団の処理の仕方も完璧。


    以下、ネタバレ


    *これはフィクション全般についてなのだが、話の一番いいとこで既存の楽曲出すのと、双子使うの、どっちが反則? 双子のほうなのでは?と私は思った(べつに責めてはいない)

  • 面白かった。すごく少ない手がかりをたどっていくと予想外の展開があり、どんどん読みすすめられた。主人公の行きあたりばったりで計算してない行動がいい。

  • 一気に読んでしまった。この著者のものは初めて。複雑に入り組んだハードボイルド調のストーリーをベースにしているが、そこにリズム感ある小気味良い会話が展開されることによって読む者を否応でも惹きつける。終盤謎解きが強引な部分が一部あるが、それを差し引いてもとても面白い作品と思う。この著者の他の作品も読んでみたい。

  • 長編エンタテイメント作品として躍動感があり、一気に読ませてくれる作品。好みの問題は勿論あるものの現実的でない部分も含めてストーリー展開は巧み。顛末に今一つの工夫があると尚良かった。

  • 2022-1-3 1冊目
    話しが長いのに憶測に憶測を重ねる書き方でフラストレーション満開です

  • ページをめくった途端、
    え〜『蜜蜂と遠雷』のパターンかいな
    と、そっとページを閉じた。

  • ハラハラドキドキのサスペンス。いつもながらすごい着想だ。よくこんな話を思いつくなあと脱帽です。

  • 「この人の本を「面白い」て言えるのなんかかっこいい」と思う作家さん。
    朝鮮半島とアメリカの動きを背景に、映画の評論をめぐってたくさんの人が巻き込まれていく。
    「おおばんぶるまい」って「大盤」だと思ってたけど、「椀飯(おうばん)振る舞い」だったことを初めて知った。

  • デビューから阿部和重さん好きでしたが、久しぶりに読んだ分厚いこの本はよくわかりませんでした。エンタメなのか純文学なのか曖昧な感じで、主人公の名前が溝口健二のパロディであったり、物語のキーになっているヒッチコックの論文というのが単なるマクガフィンなのかどうなのか。読む側もどう考えていいか分からなかった…。もとは新聞小説なんですかね?ちょっと単調なものに感じました。ところどころ、昔読んだときのワクワク感もあったんだけど…。タイトルの謎さも気にすべきなにか、そうでないのか…。?だらけの小説です。

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著者プロフィール

1968年生まれ。94年「アメリカの夜」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に『シンセミア』(毎日出版文化賞)、『グランド・フィナーレ』(芥川賞)、『ピストルズ』(谷崎賞)『オーガ(ニ)ズム』など。

「2022年 『たけくらべ 現代語訳・樋口一葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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