あなたが消えた夜に (毎日文庫)

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.26
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本棚登録 : 1884
感想 : 146
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620210230

作品紹介・あらすじ

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査
一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇
の序章に過ぎなかった―。
 神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。
〈純文学×警察小説〉
かつてない衝撃!圧倒的人間ドラマ!
待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • ある町で発生した連続通り魔殺人事件。
    所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は
    目撃証言による“コートの男”を追う。
    しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。
    “コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。
    翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、
    人は救うことができるのか。
    人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!

  • 新聞小説(長期連載)だったからか前半と後半の印象が全く違った。後半からやっと「らしく」なって安心したほど、前半に違和感を感じた。

  • トラウマでうまく生きられない者ばかり。刑事も犯人も。
    殺人事件の背後にある、狂った論理、そこに至るまでの精神の崩壊する様子が凄まじい。
    「性依存」というのもあるんだな。
    心の闇をのぞき込むと滅入る。
    人にもリセットボタンがあればいいのに。

  • 読み進め難かった。
    私には合わなかった。
    全く惹かれる部分が無いまま読み終わる事だけ考えてやっと終わった。

  • 警察小説か?と思ったけど、後半になるにつれ違った展開に…
    私には、結構、難しかった。
    まぁ、こんな事件起こす人達は、心に闇があるといか、病んでるような人なんやろうけど、犯人を含め、みんな病んでる人ばっかり。

  • 中村文則『あなたが消えた夜に』毎日文庫。

    見慣れない文庫レーベルだと思ったら、毎日新聞社から新たな文庫が創刊されたようだ。中村文則が警察小説に挑むとは非常に興味深いが、長編となると一抹の不安を感じる……

    中村文則は長編となると途端に弱点を露呈してしまうように思う。元々人物描写に重きを置く作家ではないので、登場人物の性格描写は薄っぺらく感じるし、それ故か頭の中に全く物語の画像が浮かんで来ないのだ。『教団X』と同様に本作でもこの弱点を露呈しているようだ。また、性に目覚めた少年のように、やたらと『セックス』という言葉を多用するのには失笑した。恐らく50回くらいは用いられている。

    所轄刑事の中島と捜査一課の女刑事・小橋が、連続通り魔殺人事件の犯人と目される『コートの男』を追う……

    不安は的中。中村文則は中短編が限界なのか……『掏摸』『銃』は傑作なのに……

  • 前半は中村文則らしくないどこにでもありそうな刑事小説だなと考えてしまう。
    前半で挫折してしまいそうだったが、後半に入った瞬間、そう考えた自分を恥じたくなった。
    怒涛の独白。
    後半のその文章に引き込まれて、抜け出せなかった。
    前半をかなりの時間をかけて読んでいたのに、後半はあっという間に読み終えた。びっくりした。

    愛のない相手に抱かれることで自分へ罰を与えること
    愛のない相手に抱かれることで他人へ仕返しをすること

    仄暗いそれらの感情に中村文則はスポットをあて、
    そして共に生きようと言う。

    どうすればいいのだろう?といないとわかっている神に向かって天を仰いだ経験はだれしもあるだろう。
    どうすればよかったのだろう?と、自分以外の世界のすべてを呪いたくなった時も誰にでもあるだろう。

    後ろ暗い私たちはそれでも生きていかねばならぬ。
    狂って、殺して、自殺して、、、、物語の登場人物のようになることは現実世界では難しい。
    だから、どうしたって、時には物語よりもひどい局面に出会ったとしても、生きていかなければならない。
    逆説的であるかもしれないが、それが生きるということだ。
    生きるとは、なんとかして生きねばならぬということだ。

    中村文則の物語が、きっと寄り添ってくれる。だからなんとかして生きていくことができる。
    そう思う読者も多いのではないだろうか。

    これはエンタメの刑事小説ではないのだ。ましてやサスペンスでもない。
    人がどう生きるか、という、やはりこれは文学なのだと思う。

    生きるのがどうしても辛くなったら、
    あなたが消えた夜に何が起きるのか、周りの人はどう思い、どう生きていくのだろうか。
    そういうことを考えてもいいのかもしれない。

  • 刑事が出てきて事件が起こる、けどミステリーじゃない。
    じゃあなんだろう。なんか…思索をする話?
    最後の番外編がおもしろかった。

  • ミステリ的な要素も十分にあるけど、第3部の犯人による手記が重かった…。第1部と第2部の、通り魔事件の真相を暴き出していくところまでは、ミステリとして思いのほか面白く読めたけど。
    共依存怖い。

  • 今までの文則作品ではなかったような、奇天烈怪奇な難事件をデコボコバディが情熱と執念によって解決に導くみたいな本格刑事ものかな、ちょっと大衆向けにソフトなストーリーにも裾野を広げたのかなという展開でしたが(小橋さんの素っ頓狂なキャラもかわいい)、安定のダークサイドに落ちていっていただき、悶々とすることができました。感謝。


    あとがきでもありますが、無意識の自覚化といった点が随所に表現されているし、物語の一貫したテーマになってる。そこに、神々の戯れ的な人類を超越した価値観も交わり、難解な物語が綴られていく。

    ネタバレになっちゃうので軽く触れますが、「コートの男」事件としては山場が2つあり、どちらも許されざる、でも裁かれることがない悪に対する悲痛の叫びを感じさせる。白か黒の2分では説明できない、グレーな世界に果敢に攻め入っている文則作品を継承している、この流れの中で一部分でも思いの発露を見いだせている、救われているのかもしれない。結構重いのですが、中毒性に侵されている。ははは。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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