あなたが消えた夜に (毎日文庫)

  • 毎日新聞出版 (2018年11月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (504ページ) / ISBN・EAN: 9784620210230

作品紹介・あらすじ

連続通り魔殺人事件の容疑者"コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。しかし、それはさらなる悲劇の序章に過ぎなかった。
世界の片隅で求め合う男と女。極限の愛が狂気に変わる時、「人間」を超えた殺人者の終わりなき〈復讐〉が始まる――。
神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。
〈純文学×警察小説〉かつてない衝撃!圧倒的人間ドラマ!待望の文庫化。

■「あなたが消えた夜に 番外編」のオマケ掌編収録。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    とっかかりは普通の警察小説。けっこう好きなやつ。
    特に文体が崩れていくわけではないのだが、徐々に狂気がとっ散らかってゆく。
    心の闇をかなり深くまで掘り下げられていくような読書だった。

    番外編との落差が、これまた笑

  • チグハグな印象。

    前半はまるで普通の警察小説。
    子供時代の闇を抱えた主人公所轄男刑事とユニークな警視庁女刑事が組んで、連続通り魔事件を追いま~す。
    後半、いや終盤からやっと作者らしくなりましたね。
    なんてことないと思われた人の闇。異様な事件。
    仄暗さ。

    それにしても長いな。
    485ページ。
    登場人物が多かったのでもっと長く感じた。
    この人のは長編より中編くらいのが良い印象。
    新聞連載だったらしいから、いろいろと制約かなんかあったのかも。

    巻末に10ページの番外編も載ってます。

    最後までチグハグ感が拭えなかった。
    暗いリズムの曲なのに明るい歌詞を付けてるような?
    /⁠ᐠ⁠。⁠ꞈ⁠。⁠ᐟ⁠\ショボーン

    なんやかんやで中村文則作品九作目を読了。
    なんだかんだで気に入ってるらしいぞ。

    • 1Q84O1さん
      あー、恒川さんでしたか!
      あー、恒川さんでしたか!
      2025/05/23
    • 傍らに珈琲を。さん
      土瓶さんこんばんは!
      気に入ってるのに☆1つなんだ!
      土瓶さんの好みって複雑だ~(・・;)
      土瓶さんこんばんは!
      気に入ってるのに☆1つなんだ!
      土瓶さんの好みって複雑だ~(・・;)
      2025/05/24
    • 土瓶さん
      傍らに珈琲を。さん。
      気に入ってはいるんですよ。作家さんは。
      でもこの作品はね~。
      妙にユニークなキャラを作ろうとして失敗しているよう...
      傍らに珈琲を。さん。
      気に入ってはいるんですよ。作家さんは。
      でもこの作品はね~。
      妙にユニークなキャラを作ろうとして失敗しているような、ギャグシーンを入れようとしてしている感じも全体の色合いから浮いていてチグハグ感が拭えませんでした。
      はい。好みが複雑怪奇して困ったもんです(´▽`*)
      2025/05/24
  • ⚫︎本概要
    連続通り魔殺人事件の容疑者“コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。しかし、事件はさらなる悲劇の序章に過ぎなかった。
    “コートの男"とは何者か。誰が、何のために事件を起こすのか。男女の運命が絡まり合い、
    やがて事件は思わぬ方向へと加速していく。闇と光が交錯する中、物語の果てにあるものとは。

    ⚫︎感想
    連続通り魔事件の裏に隠された、人間関係の複雑。

    印象的な文をいくつか
    ・人間の堕落の真実はいつも表層に隠れる。真実はいつも、人々が望むようなわかりやすさの中で語られる。
    ・不幸の入口のよくないところは、その入口が幸福の装いをしていることです。
    ・名前がついたことで、僕から犯人が乖離していくみたいに。
    ・人間は、世界的な大事件に、心のどこかで惹かれてしまうものです。…感情のどこかで、わずかな興奮を感じるものではないでしょうか。…人間の感情は複雑で、一本調子ではなくて、相反する感情が同罪するものだから。その感情に大小の差はあっても。


    なぜ印象的に思ったのかも考察しておきたいと思う。
    真実が表層に隠れることと、名前がつくことで、そのものが離れた感覚になること、これは似ていると思う。単純化されることの、良さと悪さを表している。

    不幸の入り口…のくだりは、著者の他の著作にもあった。著者のテーマなのだろう。

    人間は…のところを読み、「暇と退屈の倫理学」、ホメオスタシスという言葉が浮かんだ。人は良い刺激だけでなく、よくない刺激もまた同じように興奮するという事実、人間の心の複雑さは、均衡を保つためか?という考えが思い浮かんだ。

  • 色が常に灰色。全体的に読みづらい。視点が何度も切り替わり、刑事の中島・小橋や、犯人「コートの男」、過去の関係者たちなど、今どの人物の視点なのか分からなくなる場面が多くありました。
    内容が頭に残りにくく物語に入り込めない。

    物語の中心にいる一人の女性が印象的で、多くの登場人物が惹かれ、人生を狂わせていきます。なぜそこまで執着するのかが分からず、感情移入ができません。そんな狂わせる女性に出会ってみたい。

    人間の心の闇や愛の歪みを描いた独特な作品だと思いますが、私には少し難解で、理解しようと考え込むばかりで物語に入り込めませんでした。
    あしからず、、、

  • ある町で発生した連続通り魔殺人事件。
    所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は
    目撃証言による“コートの男”を追う。
    しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。
    “コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。
    翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、
    人は救うことができるのか。
    人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!

  • 新聞小説(長期連載)だったからか前半と後半の印象が全く違った。後半からやっと「らしく」なって安心したほど、前半に違和感を感じた。

  • 難解で混乱しながら読んだけど、独特の文章と刑事2人のかけ合いが面白くて惹きつけられた。
    狂気に満ちた雰囲気が生々しくて余韻がすごかった。

  • 読み進め難かった。
    私には合わなかった。
    全く惹かれる部分が無いまま読み終わる事だけ考えてやっと終わった。

  • トラウマでうまく生きられない者ばかり。刑事も犯人も。
    殺人事件の背後にある、狂った論理、そこに至るまでの精神の崩壊する様子が凄まじい。
    「性依存」というのもあるんだな。
    心の闇をのぞき込むと滅入る。
    人にもリセットボタンがあればいいのに。

  • 警察小説か?と思ったけど、後半になるにつれ違った展開に…
    私には、結構、難しかった。
    まぁ、こんな事件起こす人達は、心に闇があるといか、病んでるような人なんやろうけど、犯人を含め、みんな病んでる人ばっかり。

  • 最悪な恋愛の全てはこの本を理解するためにあったのだと。心からそう思った。
    脳を洗う。本当にそんな作品。現代の神は薬だ。
    神とは救いをもたらしてくれるものだという
    甘い考えがぶち壊される最高の作品。
    人間の弱いところがいっぱいで自分の憂鬱を
    一時的に忘れられて良かった。
    まさに中島刑事のように。
    本当に最高の作品だ。棺桶に入れたい。

  • 事件には全然関係ないけど前半の刑事2人の掛け合いが抜群に面白い!
    最後まで中島さん目線でいくのかと思いきや第三部からの安定の闇。
    犯人の心理状態やどんどん壊れていく様子がしんどかった。完全に狂えた方が楽だろうに、、

  • 前半は中村文則らしくないどこにでもありそうな刑事小説だなと考えてしまう。
    前半で挫折してしまいそうだったが、後半に入った瞬間、そう考えた自分を恥じたくなった。
    怒涛の独白。
    後半のその文章に引き込まれて、抜け出せなかった。
    前半をかなりの時間をかけて読んでいたのに、後半はあっという間に読み終えた。びっくりした。

    愛のない相手に抱かれることで自分へ罰を与えること
    愛のない相手に抱かれることで他人へ仕返しをすること

    仄暗いそれらの感情に中村文則はスポットをあて、
    そして共に生きようと言う。

    どうすればいいのだろう?といないとわかっている神に向かって天を仰いだ経験はだれしもあるだろう。
    どうすればよかったのだろう?と、自分以外の世界のすべてを呪いたくなった時も誰にでもあるだろう。

    後ろ暗い私たちはそれでも生きていかねばならぬ。
    狂って、殺して、自殺して、、、、物語の登場人物のようになることは現実世界では難しい。
    だから、どうしたって、時には物語よりもひどい局面に出会ったとしても、生きていかなければならない。
    逆説的であるかもしれないが、それが生きるということだ。
    生きるとは、なんとかして生きねばならぬということだ。

    中村文則の物語が、きっと寄り添ってくれる。だからなんとかして生きていくことができる。
    そう思う読者も多いのではないだろうか。

    これはエンタメの刑事小説ではないのだ。ましてやサスペンスでもない。
    人がどう生きるか、という、やはりこれは文学なのだと思う。

    生きるのがどうしても辛くなったら、
    あなたが消えた夜に何が起きるのか、周りの人はどう思い、どう生きていくのだろうか。
    そういうことを考えてもいいのかもしれない。

  • なんか精神崩壊しそうな小説。犯人の手記部分はもう、耐えられないくらい鬱鬱。中島小橋コンビはよくて事件捜査の小説としては面白かったんだけどな。最後の「外伝」でこっちに戻ってこれた感じ。

  • 中村文則『あなたが消えた夜に』毎日文庫。

    見慣れない文庫レーベルだと思ったら、毎日新聞社から新たな文庫が創刊されたようだ。中村文則が警察小説に挑むとは非常に興味深いが、長編となると一抹の不安を感じる……

    中村文則は長編となると途端に弱点を露呈してしまうように思う。元々人物描写に重きを置く作家ではないので、登場人物の性格描写は薄っぺらく感じるし、それ故か頭の中に全く物語の画像が浮かんで来ないのだ。『教団X』と同様に本作でもこの弱点を露呈しているようだ。また、性に目覚めた少年のように、やたらと『セックス』という言葉を多用するのには失笑した。恐らく50回くらいは用いられている。

    所轄刑事の中島と捜査一課の女刑事・小橋が、連続通り魔殺人事件の犯人と目される『コートの男』を追う……

    不安は的中。中村文則は中短編が限界なのか……『掏摸』『銃』は傑作なのに……

  • 中村文則さんの作品の根底にある
    “何か”に触れたとき
    いつもそれは 漂うように自分の中に残り
    気持ちが微かにざわついていく…

    確かにその何かに触れたはずなのに
    いつも言葉にしようとすると
    手から溢れていく感覚があり

    でも僅かに残った温度を確かめたくなり
    その手を ぎゅっっと握りしめる

    掴みかけたと思ったのに
    いつも満たされない想いにさせてもらえるところが私はたまらなく好きだ!!




    いつも満たされない何かを抱えているからこそ
    この世に小説があり
    夜を超えるための言葉に出会うことで
    また明日も生きてみようと思えるのだと感じた

    どんなお話なのか書かずとも
    この作品に触れたら
    きっとこの小説から多くの何かを得るはずだ…

    世界の片隅にいる誰かに向けて
    “共に生きていこう”とエールを
    贈ってくれていることを
    きっと誰もが感じとるに違いない

  • これまで読んできた作品がさらに密に分散されて、新しく構築されている。目の下のクマも禁煙中のたばこも。
    前半、野川のスーパーボールの話は関係ないのかもしれないけど無意識に「A」の3つのボールの記憶が重なったようにも感じた。

    手記を読んでいた途中から、殺されていく人物たちが狂気すぎて主犯の人物もそれなりの苦悩を抱えていて平常ではないのだけど、一番平凡に感じてしまった。さらにこんなにたくさんの人が消えることに相応しくないまさかのハッピーエンド。


    中島さんと小橋さんのところどころ入るやりとりも、途中流れるラジオも、番外編という名のおまけが作中の楽しみになっていた。小橋さんの過去の話に胸がきゅっとなった。

  • 刑事が出てきて事件が起こる、けどミステリーじゃない。
    じゃあなんだろう。なんか…思索をする話?
    最後の番外編がおもしろかった。

  • ミステリ的な要素も十分にあるけど、第3部の犯人による手記が重かった…。第1部と第2部の、通り魔事件の真相を暴き出していくところまでは、ミステリとして思いのほか面白く読めたけど。
    共依存怖い。

  • 今までの文則作品ではなかったような、奇天烈怪奇な難事件をデコボコバディが情熱と執念によって解決に導くみたいな本格刑事ものかな、ちょっと大衆向けにソフトなストーリーにも裾野を広げたのかなという展開でしたが(小橋さんの素っ頓狂なキャラもかわいい)、安定のダークサイドに落ちていっていただき、悶々とすることができました。感謝。


    あとがきでもありますが、無意識の自覚化といった点が随所に表現されているし、物語の一貫したテーマになってる。そこに、神々の戯れ的な人類を超越した価値観も交わり、難解な物語が綴られていく。

    ネタバレになっちゃうので軽く触れますが、「コートの男」事件としては山場が2つあり、どちらも許されざる、でも裁かれることがない悪に対する悲痛の叫びを感じさせる。白か黒の2分では説明できない、グレーな世界に果敢に攻め入っている文則作品を継承している、この流れの中で一部分でも思いの発露を見いだせている、救われているのかもしれない。結構重いのですが、中毒性に侵されている。ははは。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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