日本人として知っておきたい地名の話

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620318608

作品紹介・あらすじ

古代より生き続けている地名には、土地の風土、歴史、人々の暮らしが刻まれている。地名を知れば「日本」が分かる。

感想・レビュー・書評

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  • 良書です。作者は調べた史実をシンプルに紡ぎながら各地名を紹介しています。
    地名本でありがちな、その土地に対して恐怖心などを煽ることもせず、アイヌ語などの他言語に頼ることもせず、個人的感情で文章が偏ったり流されたりもしていません。どこからページを開いても楽しめます。
    ただ個人的には、地名とともにせめて高低差や旧道を簡単にでも示した地図をもっと掲載したほうが、より地名の由来に想いを馳せることができたと思います。
    あと、大まかな地名と小字クラスの地名の扱いがあまりにも差がありました。地名好きとして、もうちょっと小字クラスの地名にも愛情が欲しかったです。

  • 今日はあの震災と原発事故が起こってから12年。



    月日が立つのは早いものだ。




    原発の事故処理は、まだ初期段階で終わってはいない。




    福島県は一番被害を受けたが、島でもないのにどうして福島なのか?





    県庁所在地の福島市は、中世からの城下町だった。古くはスギノメ(杉目、杉妻)という地名だったが、文禄2年(1593)に蒲生氏郷(がもううじさと)の家臣、木村氏がここにやって来て、杉目城(すぎのめじょう)を福島城という縁起のいい名に変えたそうだ。





    イタコで浮かんでくるのは、青森県の恐山にいるあの方たちと、最近亡くなった「ハッピーサイエンス」の教祖様が「霊言」と称して古今東西の有名人が語ったとされることを本にして発売しているのをネットで「イタコ芸」とやゆしているくらいだな。





    恐山はもともと宇曽利山(うそりやま)と言った。




    ウソリとは「湾の内側」を意味するアイヌ語のウソ・ル、または「入江・湾」を意味するウショロに由来する説がある。





    恐山のオソレは動詞のオソフ(襲う)で、山が重なった要すや崩壊地形をいみしている説もある。




    恐山という「舞台」でやるからいいのであって、渋谷ハチ公前でやったら交番行きだな。




    読めない地名は全国にある。その1つに「小田」がある。




    こんなことを書くと「何でやねん、アホちゃうか」と絶叫されそうだが、「ヤナイダ」と読む地名が滋賀県米原市にある。伊吹山の麓に位置する集落。





    もとは湿潤地で柳が生えていたそこからヤナイダと言う地名になり、漢字で「梁田」と書いた。それが後に「小田」になった。




    気になるのは「梁田」が「小田」へ変わった理由だ。




    まさかのネズミが関わっていた。ネズミが「梁田」と書かれた文書の「梁」の部分をかじってしまった。その結果「梁」の上の部分がなくなり、下の「小」の部分だけが残り、「小田」になった。




    そんなオチがあったとは思わずズッコケそうになった。





    地名を巡る話は興味深く、尽きることがないなあ。

  • (^▽^)/

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著者プロフィール

北嶋廣敏(きたじま・ひろとし)

文筆家。福岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。短歌・美術の評論でデビュー。古今東西のさまざまな文献に精通した博覧強記の読書人。面白くてためになる雑学系の著書は多くのファンを魅了している。
主な著書に、『林檎学大全』(アディン書房)、『塚本邦雄論』(六法出版社)、『画家と自画像』(泰流社)などの評論のほか、『知識ゼロからの大江戸入門』(幻冬舎)、『「右」と「左」の面白ネタ事典』(PHP研究所)、『日本の「初!」雑学事典』(三笠書房)、『雑学帝王500』(中経出版)などの多数の雑学書がある。

「2017年 『さらっとドヤ顔できる 草花の雑学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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