居酒屋ほろ酔い考現学

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620318868

作品紹介・あらすじ

階級論でおなじみの社会学者が、杯を重ねながら東京の町を歩く。酒好き必読、薀蓄満載の居酒屋学。著者厳選30店のデータ収録。

感想・レビュー・書評

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  • ああ、こういう形の「学」もあるのねと気づかせてくれる。
    居酒屋という柔らかいものから、現代社会の問題を剔抉した良書。「考現学」の効力の一端を垣間見た気分。

    え!「ホルモン」って「放るもん」からきたんじゃなかったの!なんて「考現学」とは全然関係ないところがいちばん心に残ってたり。

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/archives/20140404-1.html
    階級格差の拡大を憂える社会学者の、居酒屋研究
    「貧乏人は酒を飲むな。これが、いまの日本である。」(P27)共産党の人でもいまどき言わないようなお言葉が、のっけからでてくる。貧乏人ほど酒を飲みたいものだと思っていたから、橋本のこの言葉はすんなりとは入ってこない。貧乏だから酒を飲むのか、酒を飲むから貧乏なのか、という問題はあるが。

  • 東の横綱が新潟の越乃寒梅なら、 西の横綱は大分の西の関と
    作者は決めちゃった。

    タイトルの考現学てなーに?!
    考古学が歴史学の補助学問とすれば、考現学は社会学の補助学問ってことになるとさ。

    ホッピーって飲んだことありますか?
    正式には、ホッピービバレッジ社が製造販売する商品名です。一種のノンアルコールビールで焼酎を混ぜて出されるのが普通。もともと戦後の貧しい時代にビールの代用品として飲まれたそうです。

    いろいろ勉強になります。

    ■ヤミ市:1945.8.15敗戦の5日後、新宿東口駅前に関東尾津組・尾津喜之助が開いた新宿マーケットが発祥。復興に男をかけた。国がやっている配給制度では乏しい物資を国民全体に行き渡せない。

    ■酒の流通も統制あり、バクダンとかカストリと呼ばれる密造酒が出回る

    ■注ぐ時には受け皿にまで盛りこぼす。一口飲んで小皿のこぼれた酒を自分で注ぐ。これが飲んべいの作法

    ■やきとり:カシラ(頭肉)、シロ(大腸)、タン(舌)、レバ(肝臓)、ガツ(胃)、テッポウ(直腸)、アブラ(首周りの脂身)、牛シビレ(膵臓)、ハツ(心臓)、ヒモ(腸)、コブクロ(卵巣)

    ■ホルモン:1920年代からあった。医学用語のホルモンに由来。牛や豚のモツ焼きが「やきとり」として売られた。トリは牛豚より高価だったため

    ■ホイス:ホッピーがビールの代用品ならこちらはウィスキーの代用品。焼酎に混ぜて飲む

    ■デンキブラン:神谷バー(浅草)で飲める。ブランデー、ジン、キャラソー、薬草をブレンドしたものという。レシピは秘伝

    うー勉強になりました。

  • ちょちょっといっぱい飲んでいこうておもっちゃいますねこれ。

  • HPが実は充実(笑) なのだけど、学術史的な興味としておすすめ。

  • 早くオッサンになりたぁぁぁい!!( ゚Д゚ )
    大衆居酒屋を観察することから現代社会を考える。「考現学」。
    まあそれらしいこと書いてたのは、ほとんど最後の格差社会について述べてたとこくらいだったのですが。どちらかと言うと、ひたすら居酒屋の薀蓄。
    ものすごく面白かった。

    ただ、場末の大衆居酒屋は今の歳だと入りづらいんですよね〜(´・ω・`) 一人でぷらりと入りたいんですけど。
    上野の立飲み屋「たつなみ」が大好き。まずいところがいい。
    うぅ…、行きたくなってきた。

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著者プロフィール

橋本 健二(はしもと・けんじ):1959年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。専門、社会学。

「2023年 『階級とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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