植物はヒトを操る (Mainichi Science)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620319896

感想・レビュー・書評

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  • 育種家との対談、面白い
    一年草(朝顔など)はいかに沢山の種を作るかが勝負、前半で体を大きくして、日が短くなってからはどんどん花をつける、20
    単子葉植物で1番進化しているのは蘭、108p
    フキノトウは雄雌異株、雄が黄色い、雌は白い
    ソメイヨシノは奇跡の両親良いとこ取り、81
    八重咲きは雄蕊や雌しべを作らずに延々と花びらを作り続けるデカダンス、生殖能力は無い、28
    萼→花びら→雄蕊→雌蕊、というのが正当手順
    これが狂う
    たんぽぽ、受精すると茎がぐたーとなる。種を飛ばす時には再び茎をもたげてくる、100
    花数が少ない方が進化している
    一つの花当たりでできる種数が少ないものも進化
    双子葉植物で1番進化しているのはキク科、109
    純白の花は自然界には無い、虫が認識できない
    雄は種の多様性の為の保険
    バーバンクとエジソン(ケチで嫌われ者)とフォード
    バーバンクのジャガイモ、今も大ヒット中
    戦前の小麦自給率100%、品種改良に成功、134
    稲塚権次郎、ノーリン(農林)テン
    未成熟の大豆を食べるのは日本だけ、なのでEDAMAME
    ビールにホッブ加えるのは14世紀から、それまでは秘伝のハーブ、日持ちも良くなった
    小麦→大麦も14~15世紀
    成長点を切り出すことでウイルスフリー、ウイルスを抜く

  • 3大発明家が、エジソン・フォード・バーバンク、育種家が発明家の1人という話がいちばん印象に残りました。
    人が生きるって、食べることが外せないし、いかに多くの人たちを食べさせるかってことが大事な為政者の務めです。
    植物は自分が育つ力があるから、「俺がつくった」というのは驕りだよというのも、なるほどだし、だから発明家としてあんまり知られていないのねとも納得しました。

  • 朝顔の芽が最初ツルになって勢力拡大して、寒くなってくるとツボミになって子孫を残す。
    育種家という職業についてと、植物雑学がいろいろ。
    確かに、植物は、「きれいな花付けたるから、人間よ、品種改良して強くして、私の子孫を残せや」って思ってるかも。なんとなく品種改良って自然に手を加えるような良くないような印象があったけど。

  • 読書録「植物はヒトを操る」3

    著者 いとうせいこう、竹下大学
    出版 毎日新聞社

    p152より引用
    “竹下 もともと芽に栄養はなくって、芽
    の外側にくっついている胚乳にあるわけです。
    つまり胚乳はエネルギータンクなんです。植
    物の赤ちゃんである芽を育てるお乳でもある。
    麦芽や発芽玄米が体に良いのは、その時期に
    芽を育てるためのいろいろな酵素が活性化す
    るから。種のまんま食べるより栄養的に優れ
    ているからなんです。”

    目次から抜粋引用
    “植物の生命戦略
     植物が日本人をつくる
     この世にオスは必要か
     植物は偉人を操る
     権力と植物”

     クリエイターと育種家の二人による、植物
    と人間の関係を植物を中心として考えなおし
    た一冊。
     著者が植物と関わるようになったきっかけ
    から花とヒトとの進化についてまで、対談形
    式でかかれています。

     上記の引用は、発芽状態にある植物の種に
    ついて書かれた項での一節。
    発芽しているその時だけにある栄養素がある
    から、ビールを醸すことが出来たり、もやし
    やかいわれなどの栄養価が高いとのことです。
    食べることだけでなく、生きるため成長する
    ためには、大事な時期を見逃さないようにす
    るのが大切なようですね。
     人間が生きていくために無くてはならない
    のが植物です、上手いこと利用しているよう
    に思っていても、いつの間にか利用されてい
    るかもしれないと、本書を読むと思わざるを
    得ないところがあります。
    もし植物に上手いこと使われているのだとし
    ても、現在の人口を養い続けるためには、操
    られ続けるしかないのかと思うと、複雑な気
    分になります。
    まあでも、植物の種を食べてお腹いっぱいに
    なったり、お酒を飲んでいい気分になったり
    出来るのならば、操られ続けるのもそれほど
    悪くないかもしれませんね。

    ーーーーー

  • 三葛館一般 470.4||IT

    育種家という職業を知っていますか。植物や家畜の品種改良を行う職業です。植物にも造詣の深いいとうせいこうさんと、育種家である竹下大学さんの対談形式で、人間や動物、昆虫の進化や植物の進化、品種改良について、語られています。とても面白く、惹きこまれてしまいます。
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=57923

  • 人はなぜ花が咲くと嬉しいのか。

  • ベランダ園芸家でもあるいとうせいこう氏と、世界的な花の育種家の竹下大学氏の植物にまつわる対談集。

    昆虫に蜜を与える代わりに受粉という生殖作業をさせるという点からして、少なくとも植物は昆虫を操ってきたのだろうと感じていたが。
    さらに、実は人間だって植物に操られてきたのかも?と思わせる新たな視点が次々と登場する。

    また、世界の中でも日本人の成し遂げてきた植物への研究は、あらためて素晴らしいと思える話も多数。
    食料危機を救うための小麦や稲、鑑賞用としての植物の品種改良など。
    そして、今では普通になっている観葉植物の「斑入り」は、日本人が最初に目を付けて、その美意識がヨーロッパの人々にも伝染したという話は面白い。
    植物の世界にもジャポニズムがあったのだ。

    読み終えて、やはりヒトの歴史には植物がかなり深く係わっていたんだなぁと。
    それは、ネアンデルタール人が、花を墓に供えた時から始まっていたのね。

  • 男爵イモがどうして男爵なのか、
    その理由を知る機会がえられるとはw

  • いとうせいこうと育種家の竹下大学との対談。
    「植物からみた世界史」なんてあれば読んでみたいと思った。

  • 対談本。解りやすく興味深い会話から、育種というものを知ることができます。
    とても面白く読んだのですが、所々に内容や流れをちゃんと汲んでいるとは思えないような図版があって、なんとなくいい加減な印象を受けてしまいました。
    挿絵依頼時の内容伝達や、画像のレイアウト等にもう少し力を入れていただけたら、せっかくの内容がもっとひきたったのにと惜しい気持ちです。

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著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』(河出文庫)で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』(新潮文庫)で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』(河出文庫)で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう!』(講談社現代新書)など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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