ボクは吃音ドクターです。

著者 :
  • 毎日新聞社
3.89
  • (4)
  • (9)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 75
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620320366

作品紹介・あらすじ

世界中、どこにでも100人にひとりいるという吃音者。社会参加もままならず、対人恐怖からひきこもりやうつを併発する人も多い。自身、幼少期から吃音に悩み、電話も外出も嫌い、友達もできなかった。誰にも相談できず「それなら自分で治す方法を見つけよう」と猛勉強の末に医学部へ。それから12年、今も吃音とつきあいながら、日本でただひとりの専門医として吃音という劣等感に苛まれた人へ贈る、心強く温かいメッセージ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 吃音に悩んでいた筆者が医者になった経験と、吃音に対する真摯な想い、同じ仲間の悩みに対する想いがしっかりと書かれている。

    吃音という症状に対して、吃音を持っている人たちがどのように向き合い苦労しているか、吃音がない身としてはあまり気にしたことがなかったが、この本を読むとその一端がうかがえる。

    社会が、コミュニケーション力をより求めるようになっている現代社会において、言葉が出にくいという状況は不利な状況だ。私も少しまえにNHKのドキュメンタリーで吃音の方の就職活動を観て、本人たちにとって深い問題であることを初めて知った。

    そんななか筆者は、「どもってもいいんだよ」というシンプルなメッセージが吃音者を救う、自分を否定しないこと、肯定すること、自分が話せないことを明確に表現することが重要であること、話す内容が大事であること、悩みを分け合って苦しみを分担んすることが大事だという。

    よくこのような本は、筆者のことが超人や偉人のように感じてしまうものだが、そのような印象は感じない。
    等身大の人間が、我々と同じ目線で、語る。だからこそ心に響く。
    この本にはそのような力があると思う。

  • 途中で終了しました。

  • 私も吃音なのでとても参考になりました。自分の吃音とうまく付き合っていきたいと思います。

  • 筆者の吃音にまつわる自伝と、吃音である人やその周囲の人に向けてのメッセージが書かれた本。
    私も吃音なので、この本に書いてあることはとても当てはまり、共感できます。吃音について詳細に記載されており、知識を深めることができました。
    吃音である人へのメッセージが、とても的を得ています。自分が心がける点をまさに突つかれた感じです。
    悩みが解決するかしないかは読む人それぞれだと思いますが、吃音に対する視野が広がる良い本だと思います。もっと若い時に読んでおきたかった!

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:496.9||K
    資料ID:95120161

    ※2013年4月の「闘病記」でも取り上げました。

  • 吃音の実態をはじめて知った。学校にお勤めする身として恥ずかしい。
    なんとなく、おちついてゆっくりしゃべれば話せるもんだと思い込んでいたがまったく違った。
    身体からくるものと、精神からくるものがありそうだけど、しっかりした原因がわかっていないことも初めて知った。
    「軽い方だから気にしすぎですよ」に傷つく、というのはよくわかる。耳鳴りも生き死にに関わらないからよくそう言われる。患者にとってはそれが一番の悩みだったりするのに。
    寛解、ということばを使うのもイメージがしやすかった。
    また、オペラント学習が興味深かった。注意ばかりされるとそれに気持ちがいって、ますますその行動をしてしまう、というのは避けねばならない。よいことをほめ、アピール的ないたずらに反応しないと読み替えた。いいこと、もさまざな尺度のものを使って、ある行為だけが正しいと思わせないようにすることも必要なんだなあ。
    ずっとつきあう病気、のようなものは実はたくさんあるんだろう。どう軽減させるか、どう向き合うか、付き合っていくかを真剣に考えたい。治すぞ!!!というのだけではなく。

  • 吃音のあるお医者さんが書いた吃音の本。

    吃音を治したい一心で医学部を受験し、医者になり、

    その後臨床から研究に身を移し、今も吃音治療の研究をしている

    著者の、苦悩とその克服。吃音の悩みを抱える人々へのメッセージで

    つづられた著書です。

    「どもる」人がどれほどそのことゆえに悩むのか、

    読んでいて気の毒になるほど、辛い思いをしていることが分かります。

    「どもり」を隠す為に大変な努力をしたり、「どもり」ゆえに

    強い疎外感を感じたり、周囲が知らないところで大変な苦労をしていることが分かります。

    また、自助グループとして「言友会」があり、吃音で悩む人たちの

    大きな心の支えとなっていることも知りました。

    また、「言語聴覚士」という国家資格者が吃音の治療を行うこと。

    診断は、耳鼻咽喉科の医者が行うことなどを知りました。

    今振り返って思うと、彼、彼女は吃音だったのか・・・と理解できる

    こともあります。

    障がい者という範疇には入れられていなくても、職業的にも

    不利になっていることもあると思います。

    吃音者には、無理に訂正を強制すべきでないとか、からかったり

    非難したりせず、どもりも許容していく周囲の理解の大切さも知りました。

    どもることを気にするよりも、言うべきことをしっかりと伝える、

    その中身が大事だというコミュニケーションの基本を大切にしていくべき

    という著者の言葉には、頷かされるものがあります。

  • 当事者の視点から吃音というものを分かりやすく説明している。是非、一度読むべき本

  • 菊池さんは、九州大学耳鼻咽喉科のお医者様です。菊池さん自身の吃音に悩んだ経験が書かれています。吃音の研究をしようと医師を志したそうです。
    吃音のある人と話した経験はありますが、『少し、どもりがあるんだな』と思うくらいでそんなに気になった記憶はありません。
    でも、この本を読んで、悩んでいる人が多いこと、その悩みが深いことに驚きました。
    「ぼ、ぼ、ぼくは・・・・・」という感じで、最初の一音を繰り返してしまうのが、吃音だと思っていましたが、話そうとしても、とっさに言葉が出ないことも吃音の一種だそうです。電話や授業中の音読にみなさん、すごく悩んでらっしゃるのです。
    吃音を周囲に悟られないようにすごく気を遣って、会話の中身よりそのことが気になってしまうそうです。
    大学時代に菊池さんが、実は吃音がある、と周囲に告白した時、友人の方々はみな驚いたそうです。隠そうと努力してたので、わからなかったんですね。その中のお一人が、実は自分にも吃音があるとおっしゃって逆に菊池さんも驚いたのだとか。
    意外にすごく身近なことなのかも。
    一番びっくりしたのは、菊池さんが大学生の時、
    「吃音の人のためのサークルに入っている」と言うと
    お母様が「まだ、どもりがあったの?治ったと思っていた」と驚かれたそうなのです。
    思春期の男の子は、母親との会話は減るものですが、同居のお母様でさえ気が付かなかったなんて。
    菊池さんが一人で悩んでいたことと、息子の悩みを長い間知らなかったことに、お母様が受けたショックは本当に大きかったと思います。
    悩みがある人はお母さんには話してほしいな。
    解決策が難しそうでも、親はいつでも、子供の気持ちを聞きたいものです。
    それに、大人の方がほんの少し、世の中で知ってることが多い時もあるから。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

九州大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 助教 医学博士
中学1 年生のときに、「吃音の悩みから救われるためには、医者になるしかない」と思い、猛勉強の末、鹿児島ラ・サール高校卒業後、1999年九州大学医学部に入学。医師となり、研修医を2年間終えた後、2007年に九州大学耳鼻咽喉科に入局。2008年より九州大学大学院に進学し臨床神経生理学教室で、「脳磁図」を用いた吃音者の脳研究を行ない、今まで4度国内外での受賞をしている。現在、九州大学病院耳鼻咽喉科で吃音外来を担当。吃音の著書は本書で10冊目。年平均20回、全国各地の講演会に招待され、吃音の啓発に努めている。医師の立場で吃音の臨床、教育、研究を精力的に行なっている第一人者である。

「2019年 『吃音の合理的配慮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

菊池良和の作品

ツイートする