第三者委員会は企業を変えられるか -九州電力「やらせメール」問題の深層-

著者 :
  • 毎日新聞社
3.29
  • (1)
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 23
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620320991

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 九州電力「やらせメール」問題の深層という副題が示すとおり、九州電力の玄海原子力発電所の運転再開をめぐるメール問題などを調査した第三者委員会委員長が書き綴った詳細な調査にかかわる人間模様である。

    また、最近の組織の不祥事で設置された第三者委員会と九州電力との対比も書かれている。

    あとがきでは、検察という組織が「組織としての一体性」が崩壊し、統制が働かなくなっているとの指摘もある。

    人間社会は、多様なステークホルダーの調和により成り立っている。

    なかんずく、公益という価値に携わる組織においては、高邁な理念哲学を保有するトップの存在が重要である。

    プリンシプル、プリミティブな正義感、ノブレスオブリッジな態度でガバナンスしなくてはならない。

    その態度を見て、組織員全体のモラルが保たれ、外部のステークホルダーにもいい影響を与えられるというものだ。

    しかしながら、人間というものは、ふとしたことがきっかけで不祥事を起こしてしまうものであり、そういうことも惹起してしまうという前提で、色んな制度設計をしていかなければならない。

    第三者委員会の適切な運営をできる資質を備えた人材の育成・確保も人間社会にとって大切なことである。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1955年生まれ。弁護士(郷原総合コンプライアンス法律事務所代表)。関西大学社会安全学部特任教授。総務省コンプイライアンス室長・年金業務監視委員会委員長。東京大学理学部卒業後、民間会社を経て、1983年検事任官。東京地検、長崎地検次席検事、法務総合研究所総括研究官等を経て、2006年退官。「法令遵守」からの脱却、「社会的要請への適応」としてのコンプライアンスの視点から、様々な分野の問題に斬り込む。

「2017年 『青年市長は“司法の闇”と闘った 美濃加茂市長事件における驚愕の展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

第三者委員会は企業を変えられるか -九州電力「やらせメール」問題の深層-のその他の作品

郷原信郎の作品

ツイートする