- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620322452
作品紹介・あらすじ
日米開戦に舵を切った将官たち…サラバ「海軍善玉」論。昭和史研究の泰斗二人が、新公開資料を読み解き、語り尽くした帝国海軍の実像、栄光と限界、提督たちの"失敗の本質"
感想・レビュー・書評
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・小柳資料 帝国海軍 提督達の遺稿
☆さらば海軍善玉論(半藤)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国や国民のためではなく、海軍のため。陸軍のとの対立。海軍省と軍令部の対立。有事においても前例踏襲の人事。失敗しても責任を問われず、反省もしない・自己保身。現代の官僚制に通じるところが多い。
内容がマニアックすぎてついていけない部分が多かった(ロンドン軍縮にはじまる艦隊派と条約派の対立。統帥権干犯と議員内閣制の崩壊) -
「善玉」と呼ばれる海軍。なぜ三国同盟に反対せず、対米開戦にも無理を承知で合意したのかが知りたくて読んだ本。海軍は、五一五事件の翌年にそれまで参謀総長の下にあった海軍軍令部が独立の「軍令部」として分離して以降、軍令部と参謀本部、軍令部と海軍省の責任所在の曖昧化により、独自路線を歩んでいく。艦隊戦力の拡大のみに注力し、陸軍が満州事変や日中戦争を始めた際にも「陸軍のことに海軍は口を出さない(責任をもたない)」というポリシーのもと反対を唱えず、三国同盟に際しても勢いづく陸軍の前に「陸軍と衝突するわけにはいかない」と最終的に承諾し、対米戦では「海軍のせいで、これまでの戦果と死を無駄にできず。」「対米戦を戦えないとは言えない。海軍の準備不足を咎められる」「近衛首相が陸軍を止められないのであれば、海軍はよもや止める立場にない」と反対を唱えなかった。海軍内部にも佐官クラスに主戦派がたくさんおり、首脳部もそれに抗いきらなかった。これが、無理を承知で始めた海軍の太平洋戦争の経緯だ。
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こちらを読了。半藤一利さんと保阪正康さんの対談といえば面白くない訳がない。
2010年に刊行された『小柳資料』という、昭和31年から36年にかけて海軍OBの親睦団体「水交会」の委嘱を受けた小柳さんという元中将が、当時存命だった旧日本海軍の将官クラス47人に聞き取りをしたものをまとめた本をもとに、お2人がいろいろと語り合ったものをまとめたのがこの本。
高い(2300円(笑))のですが、読む価値あります。