介護離職しない、させない

  • 毎日新聞出版 (2016年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784620323817

感想・レビュー・書評

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  • 急に訪れる親の介護。日々問題が生じる生活の中で、勤務の都合がつかず、理解も得られにくければ、確かに「この仕事は本当にやりたかった仕事じゃないかも→好きじゃない→辞めて楽になろう」と負の考えになってしまう気がした。そこで、一旦考えよう、相談しよう、というのがこの本の言いたいこと。考えるといっても何のサービスを使うか、ではなくて、どんな風に親を支えたいか、自分はどう働いていきたいか目的を考える。そして職場に必ず相談する。

    介護保険サービスを提供する側も、介護生活の苦労だけではなく、仕事や経済的負担、親族との関係性や今までの看取りの経験などいろんな方面の影響を受けていることを理解して支えていきたいと改めて意識した本でした。

  • 握ったことも無かった母の手を何度も握れた。介護していなければ、こんなことは無かったことだと思います。

  • 介護離職の経験を持つ著者が、自分をはじめ様々なひとの体験談とアドバイスを記した本。介護は情報戦であること、ひとりで抱え込まないことなどを声を大にして述べられており、この本を必要とする介護者はとても多いだろうと思った。

  • ■書名

    書名:介護離職しない、させない
    著者:和氣 美枝

    ■概要

    親子共倒れ、人材消失を防ぐ知恵とスキル!!仕事と介護を両立している「働く介護者」の声を集めました。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    介護離職をすることのリスク、しないために実施しなければいけないことが色々と
    書かれています。
    現実問題、お金が必要です。お金がないと介護が出来ない面は事実です。
    ですが、それ以上に情報が必要です
    情報があれば、お金が無くても出来ることが分かったりします。
    あと、地域ごとの仕組みが面倒ですね。ネットが役に立たない場合があります。
    あと、地方公務員の仕事できなさが足かせになることも多々あります。
    役所の人間は平気で間違ったことをいいますので、それが本当であるか、
    可能であれば、別の人間に確認するほうがいいと思います。
    特に大切と思う部分については、なおさらそうするべきです。
    あいつら、間違っても他人事で仕事しているから。
    特に地方はひどい。これは偏見でもなく事実。あいつらあんな仕事しかしないから
    そりゃドンドン地方が廃っていくわけで。。。
    地方を馬鹿にするわけでははないけど、現実問題、地方に馬鹿が多いのも事実です。
    本当に、役所って何とかならないものかね・・・・・

    ということで、介護離職しようとしている人は、こういう本を読んで少し立ち止まって
    考えたほうがいいです。
    事情的に焦るのは当然ですが、焦ると後で後悔します。

    ■気になった点

    ・会社に申請すれば、介護休暇(年5日)、介護休業(年93日)が取れる。

    ・心に余裕がないと介護はできない。

    ・介護者が笑わないと、要介護者も笑わない。

    ・介護離職してしまうと再就職は本当に難しい。

    ・介護者は誰からも守ってもらえない。

    ・仕事の介護の両立はできるのではなく「やる」のです。
     分からないことを洗い出し、分かるようにしていくのです。

    ・介護と仕事を両立するには、会社に報告することが大切です。

    ・介護にはお金がかかります。上限はありません。いくらかけられるか考え、
     それに合わせ、ヘルパーさんなどと協力して計画していくのです。
     おかねがかかるので、なおさら仕事を辞めてはいけません。

    ・ストレスを定期的に発散することが大事です。楽しむことは罪ではありません。

    ・介護は情報戦です。そこにある権利を最大限に使いましょう。

    ・行政サービスは、能動的に情報を取らないと損になります。

    ・地域とできる限りつながりましょう。

    ・目的、問題、解決案を考えながら、進めていきましょう。

  • 介護のこと、気にかかったときにさくっと読めば参考になる。どこに相談するとか・・・。

  • 介護離職した元不動産ディヴェロッパーが書いた実録。
    自分の体験談に終わらず、自身が立ち上げた介護者の会メンバーの意見を複数例紹介している。
    まだ介護未経験だが、いまから覚悟しておきたいもの。
    介護離職すると社会復帰が用意ではない、周囲の無理解と負担押しつけの圧力、在宅か入所かで異なるケアマネ、行政の介護支援。介護保険を払っているからと言って、自分がしっかりとサービスを検討しないといけないことを、あらためて学んだ。正直、生命保険を選ぶよりもややこしい。家族の協力が不可欠。
    「要介護者は法律で守られるが、介護者は誰も守ってくれない」という言葉が、こころに突き刺さる。社会は弱者には優しいが、弱者を救おうとする普通の人間の弱さには気づけない。

    【いざというときの介護初動マニュアル】
    1.介護保険・介護サービス概要を熟知
    ・インターネットの介護サイト(要支援介護者に医療診断書不要)
    ・介護サービスは介護保険料未納だと全額自己負担。納付者でも負担は原則1割発生。
    ・介護サービスは要介護者の生活支援のため。介護者の家事を押し付けない。

    ・介護サービスの種類
     ・専門職(ヘルパー・訪問看護師・訪問リハビリ)の自宅訪問
     ・施設(ディケセンターなど)へ通所
     ・要介護者の住宅ごと変える
     ・ベッドやトイレを購入もしくはレンタル
     ・階段・玄関の手すり、段差解消などの工事


    2.相談先を知る
     1.市区町村役場の高齢福祉課 介護保険取扱窓口
     2.地域包括ケアセンター ←わからなければ、とりあえずココ!
     3.ケアマネジャー
     4.介護者支援団体、介護の会
     5.介護経験者
     6.会社の人事部、総務部、ダイバーシティ推進室

    3.介護のはじまり 
     家族申請;呂律が回らない、物忘れ激しいなどの兆候で専門家受診
     病院から;事故で怪我、病気
     通報から;警察へ「盗まれた」と駆け込む年寄り→警官が自治体へ連絡

    4.地域包括ケアセンター初訪問
     1.「介護が必要な人の」居住区の地域包括ケアセンターへ(平日17時まで)
     2.要支援介護認定申請をする場合もあるので
      「介護保険証の番号」「かっかりつけの主治医の氏名・医療機関名・所在地・電話番号」「個人番号」が必要!!
     3.訪問前に、かならず電話で予約を
     4.何をもとめて訪問するか? 訪問の目的は明確に! 相談先はエスパーではない 分からないことはわからないと伝える
      「働き続けたい」「介護はしたことない」と、意思ははっきり伝える

    5選択肢は二つ以上もらう
     入所か在宅か、あとで親族と揉めるので、パターンは二つ以上示してもらう

    6.不安点・困っていることは列挙
     起床から就寝時までの自分の行動を把握、要介護者の行動と照合→不安点が明確になる

    7.最後に、会社への報告は忘れず!
     平日の休みや就業中の電話も必要なので。施設見学や専門家との調整で私用電話が多くなる。


    【介護体験者の経験談がリアル】
    入退院を繰り返す老親やきょうだいに振り回され、再就職できない。
    親族から離職して介護に従事せよとの圧力。
    仕事をしていない罪悪感、社会から置き去りにされた閉塞感、孤独。.

    40代から60代の働きさかり世代の介護離職は、企業の大きな痛手。
    経済面、精神面、そして肉体面での大負担。介護離職者のうち再就職できるのは4分の1程度。

    介護者は誰にも守ってもらえない。要介護者と閉じ込められ、しまいには殺人に至る可能性も。

    【仕事と介護の両立ポイント】
    1.必ず、職場へ報告!
    2.介護者仲間をつくる!
    3.身体介護が極力避ける!
    4.定期的にストレス発散!

    【働く介護者が意識したい環境整備】
    「家族・親族」;全員参加で、費用負担話し合い、定期的にルール見直し
    「会社・職場」;会社の介護休暇や、時短制度、フレックス制度。隠れ介護なくす、経営者と管理職の理解、介護経験者の知恵と体験
    「行政・地域」:老人医療費受給者証や高額療養費など
    「医療・介護サービス」:費用対効果を考える

    【仕事と介護の両立キーワード】
    M=メンタル:自分と向き合う
    I=情報収集:自分の不安点。疑問点を解消しておく
    C=コスト :気力、体力、時間、お金の確保

    「介護をやめる、手放す」のも愛ある判断。手に負えなければ、専門家に委ねてもいい

  • 「介護が始まったからって会社を辞める必要など絶対にありません」
    「自分の人生を優先で考えて構わない」
    会社にはカミングアウトした方がいい

    身体介護は極力やらない方がいい
    など とても参考になった

  • 介護離職 
    介護離職を経験した筆者がその経験から、一般社団法人を設立し、様々な介護離職者と出会う。そのことで、社会への提言や介護する側の見方、アドバイスなどが書かれている。

    1~6章構成 5・6章はある意味で、やや理想論で困難だと感じた。
    ただ、介護する/しない‐特養・老人ホームに入所させる(プロに任せる)の選択があること 介護が始まったら自分の人生を最優先に考えるという考え方は介護者(子ども)として本来あるべき姿なのかもしれない。

    また、市町村の高齢者サービスに関しては知っているのと知っていないのでは大きな差になる。行政から働きかけてくれるわけではない。書籍や当事者会等情報を知る努力が必要だ。

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