極北へ

著者 :
  • 毎日新聞出版
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620324289

作品紹介・あらすじ

終わりのない長い旅は、このときからはじまったのだ――。

カナダ、アラスカ、グリーンランド、ノルウェーなど北極圏とその周辺地域「極北」。なかでも世界を駆け抜ける写真家・石川直樹にとって、20歳のときに登頂したアラスカの象徴・北米大陸最高峰のデナリ山は、すべての旅の〈原点〉だった。

極寒の地に生きる人々の暮らし、厳しくも美しい自然への畏怖。人間の野生を呼び覚ます圧倒的な世界との出会いを瑞々しい文章で綴る。開高健ノンフィクション賞受賞『最後の冒険家』以来、初の長編エッセイ。

「本の時間」連載に大幅加筆し、18年のときを経て2016年に再訪したデナリ紀行も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 感想を書くのが烏滸がましい。
    何故、この人は旅の感覚をこれほどまでに瑞々しく描けるのだろうか。
    40歳の石川さんの言葉は、全身の細胞を新しくしてくれるほど美しい。

  • 最初の数ページに石川さんが撮った写真が載っているのだけど、どれも好きだ。特にサーメの女性を撮った一枚は、フェルメールの絵のようで、もっと大きなサイズで眺めてみたいと思う。

    昔から、寒い地域への思いが強い。郷愁とでもいうのだろうか。雪を被った山々のそびえ立つ様とか、赤や水色などの北欧風の小さなお家が点々とする風景とか、凍った海の風景とか。
    時には(あるんだけれど)何も無いと勝手に感じて、立ち止まってしまう感じとか。とにかく一方的に好きなのだ。

    二度目のデナリは、読んでいてわくわくした。
    最後の章「極北へ、ふたたび」の終わりのページを読んでいる時、急に涙が出てきた。
    勘違いしない程度に、私も私を生きようと思う。

  • 写真家で冒険家である石川直樹氏が20歳で気象観測機器設置登山隊に参加してデナリ(アラスカにある雪山)に登頂した経験から、2016年に単独でデナリに再度挑み登頂を果たすまでの自身の極北とのつきあいについて語った一冊だ。

    他の著書で読んだことがある話も混じっているはずだが、シンプルにまとめられたひとつひとつのエピソードは興味深く、楽しく読んだ。

    極北では「積極的に生きようとしなければ生きられない」というくだりが印象的だった。生きることに対してずっと意識的で能動的でなければいけない世界。

    また、長年小さな島に暮らす老人が新たに大昔の壁画を発見しその場に案内してくれたエピソードでは、ほとんど何が描いてあるか石川氏にはわからない岩を「な、見えるだろ?」と指し示す、というところが印象的だった。
    永くその土地に暮らしたものだけが差異を見分ける、その神秘ともいえる力について思う。

    日本の、些細な不満はあっても快適なインフラが整った社会でルールに守られながら暮らす自分の想像も及ばない世界が、同時代に繋がり広がっているということを改めて思う。

  • ふむ

  • 多くの冒険家たちが行方を絶ってしまう極北へ、なぜまた多くの人々が向かうのだろう。原住民の土地、文化が他者の手に落ち、今や温暖化の影響を最も受けることになっている現実が悲しかった。

  • 冒険は素晴らしい、だが終わりはなく最後は…

  • 自然と向き合う著者の文章は本当に素敵だ
    自分みたいなフツーの人には難しいはずなのに何故か惹かれる

    冒険家で写真も文章も魅力的なんて
    ご親戚に小説家さんがいるのもある?

    前半は北に向かう移動時間に読む
    冬至に向かう季節に極北を思った

    生命を殺めて生きる糧を得るという行為を一般の家庭では行わない日本の人々は、食べ物に対して畏敬の念が希薄になっている

  • 有り 297.8/イ/18 棚:旅行

  • 著者の石川さんの書く文章は無駄な力が入っていないとても自然な文章だと思いました。表現に凝りすぎたり独りよがりな視点もなく、見たこと、感じたことをそのまま文章にしている印象を受けました。何も足さない、何も引かない文章は、冒険家として必要最低限の荷物で省エネを心がけながら生きてきた姿勢がそのまま出ているのかと思いました。読んでいて冒険に、極北に憧れる気持ちが自然に湧いてきました。

  • 写真家・石川直樹さんの北極圏の旅にまつわるエッセイ。

    「全ての装備を知恵に置き換えること 」が今までの様々な旅について感じたことを綴っていたのに対し、今作は極北に特化した文章。


    極北の世界を体感しに行きたくなる。

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著者プロフィール

冒険家、写真家

「2019年 『いま生きているという冒険 増補新版 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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