すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.15
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本棚登録 : 244
感想 : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620324586

感想・レビュー・書評

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  • 1940年生まれ、独文学者、エッセイストの池内紀(おさむ)氏の「すごいトシヨリBOOK」(2017.8)、面白かったです!70の時、77の時には自分はもういないと思い、あれをしよう、これをしようと思ったそうです。(決断がしやすくなる)満期が来たら3年単位で延長してるそうです。また、お金を意識しないで生きるのが本当のお金持ちとの考えで、毎朝所持金を点検(小銭、お札、リュックに安心用5万円)し、それ以後はいっさいお金を考えないそうですw。リュックは散歩用、国内・国外旅行用と3つ準備し、必要な小物が入ってると!

  • 面白かった!
    「アンチエイジング!」「体は老いても心は若い!」などと気張らずにトシを取ることを受け入れていく姿勢,見習います。

  • 秋が来れば当然、冬が来る。冬が来たら普通、春が来るわけだが、老いの非常に残酷な点は、春はもう来ない。二度と来ないというのが、老いの無慈悲な所
    心も老けるからこそ、これまでと違う人生の局面が見えてくる。病気にならないと健康がわからない、飛び上がらないと引力がわからないと同じで、老いて初めて若さがわかる。
    老人が多くの過去を持っていると行っても、過去は終わった時間
    終わったものは極端に言えばゼロ。未来もほとんどないわけだから、未来に関しても限りなくゼロに近い。そのうえ、現在は社会性をなくして、その現在は刻々と過ぎていく時間に過ぎない。
    だから、あっという間にひと月が終わる。
    60年も70年も使ってきた人体なんて、至る所に故障があるのが当然で、調べれば必ず何かでる。そうやって治療を始めると際限りなく、治療が続いて、結局、医者に通ったまま、入院した状態で亡くなっていく。
    一方的に流されてくる情報を遮断する。自分が本当に興味があるものは、遮断しないとわからない、テレビの持つ非常に安っぽい情報、安っぽい娯楽、安っぽい教養、そういうものは一度、拒否してみる。
    それから、元同僚、元同窓言った、元が付く人たちとの縁も遮断する。
    リタイア後、長い人生に恵まれれば恵まれるほど、非常に単調な日常が続く。
    だんだん大義になって億劫になって怠惰になって、感性や興味が眠りかける。惰性になりがちな日常を再生するために、自分に対して、新しいものをいろいろ仕掛ける。4年ぐらいを単位に、何かを始めている。医学的に見ても、人間の細胞は4年ごとに生まれて死んで、細胞は常に再生する。
    旅の工夫
    ・一日増やそう
    ・他人まかせにしない。
    ・ストックを用意(日頃から行きたい場所)
    ・欲張らない
    ・お土産は買わない。
    ・記録を作る
     老いとは寄り添え
     病とは連れ添え
     医者は限定利用
    高度な医学で治そうとすると非常に患者が苦しむ。だから戻り道の病は直さない。治そうとしない、直してほしいと思わない。考えない方が良い。
    人の話を最後まで聴かないで、すぐ自分のほうにもっていってしまう。日本人の横取り症は社会全体の問題

  • 【生き方】すごいトシヨリBOOK / 20210301 / 池内紀/ (23/863)/ <213/138908>
    ◆きっかけ
    ・八ヶ岳リゾナーレ

    ◆感想
    ・心は老けていないと思うこと自体が老化のしるし、というのはそうなのだろうな。思い当たる。「人生何でも喜劇。生きていることがだいたい滑稽、人生なんてその程度」というのは説得力あるな、島地勝彦の本を読みなくなってきた。これくらいの余裕がいつも欲しい。
    ・著者は先日お亡くなりになったよう、最後まですごいトシヨリを全うされていたのか。


    ◆引用
    ★体は老けても心は老けてない、というのは錯覚で、心は老けてない、と思うこと自体が、まさしく老化のしるし。
    ・老いに抗うのではなく、老いに対して誠実に付き合うこと。面白くないことも、目を背けたり、すり替えたりしない。
    ・批判の仕方は上手だし、弁も立つ、マイナスを数得ることにも鋭敏だが、批判の基準がやっぱり古い。
    ★老人は過去をねつ造する。
    ・日本尊厳死協会
    ★老いたらこそおしゃれを楽しむ。なるだけ赤いものを着る。本当のおしゃれというのは郵便局へいくにも着替えをする人。
    ・4年単にに何か始めてみる。医学的にも細胞は4年で入れ替わる。4年で一巡し新しい人間に生まれ変わる。
    ・BOOK 十五少年漂流記、西遊記、宝島、ああ無常、巌窟王
    ・旅の工夫
     -1日増やす
     -他人任せにしない
     -ストックを用意
     -欲張らない
     -記録付ける
    ★人生何でも喜劇。生きていることがだいたい滑稽、人生なんてその程度。
    ・基本的にはその人の中に直す力が中心になって、薬・診察の見立てがお助けマンとして働いても、それを直したのは自分の中の力。
    ・やらない選択しを減らすと旨く行く、やらないに痛みを結びつけて、やるに快感を結びつけるとうまくいく。
    ・怠けものだからこそ、やらなきゃ、というストレスに敏感。なぜストレスなのか、を考えて、それがやりたい、という気持ちに変わるまで、あの手この手を尽くす。

  •  著者は、ドイツ文学者で、カフカを読んだ本は池内氏のものだったのではないか。70歳をこえて、老いを見つめる目の確かさは、さすがと驚く。エッセイストの文章のうまさもさることながら、客観的な視点の持続を失わない。巷にはびこる老いの空元気と壮年時代の記憶の読み違えで、迷惑をまき散らす人々には無縁の境地である。最終章の”老いと病と死”は見事な覚悟です。

  • 故池内氏は著名なドイツ文学者。サラリと読め、素直に老いの境地が語られている良書。加齢により衰えてゆく自身の身体や頭を、面白く書き留めたもの。取り立てて新しいものはない。衰えることに抗わず、それを新しい経験として楽しむくらいでちょうどよいのだろう。やりたいこと、楽しみたいことがあれば、70歳までにやるべきで、先延ばしはやめようと思った。

  • カフカなどの翻訳で知られるドイツ文学者の池内紀さんが、70歳に書き始めた「すごいトシヨリBOOK」。序文で「77にはこの世にいない」と書いている。今年の8月に78歳で亡くなられた。▼「老い」を笑って私たちに見せてくれる。老いが自然に受け入れられる。▼堀口大学の詩の紹介:〈深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり〉▼『尊厳死協会会員』になって延命治療を拒否する意思を明示する。▼「あの映画を見に行こう」と思っていても、億劫になって結局見に行かなかったりするものです。ただ億劫がって出歩かなくなると急速に老いてしまいますから、スケジュールを作るというのは、常に自分を移動させる方法、自立の一つの方法だと僕は考えます。▼「老いとは寄り添え」「病とは連れ添え」「医者は限定利用」▼僕、健康診断を全然受けていなくて、あれは非常に不合理です。健康な若者の基準値を基にしているわけですから、「異常」ということになってしまう。20歳の人が検査しても、80歳が検査しても、同じ数値で判断する。おかしいですよね。・・終末の医療を考えてくれる町医者で十分です。▼考えようによっては孤独死って幸せなんじゃないか。窪田空穂は90歳の死の床で〈まつはただ意志あるのみの今日なれど眼つぶればまぶたの重し〉と詠んだ。詠嘆もせず、哀惜の情も述べず、ただまぶたの重さだけを詠んで・・・。

  • 老化早見表のカテゴリー3の、横取り症 整理整頓 せかせか 過去すり替えなどの症状、我にあり。過去すり替えは過去捏造に進む。
    そういう目で他者を見ると、いろいろ発見あり。「最後まで話を聴く」「人の話を取らない」心しよう。

  • ドイツ文学者の著者による、老いについてのエッセイ。

  • 1940年生まれ、独文学者、エッセイスト。タイトルが少しダサいですが、池内さんが、70歳の時、「こういうことはこれまでなかった」「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」をつくりそのタイトルがこれだっんだそうです。何歳まで生きるか想定しにくいので、とりあえず77歳として予定をたてる。ただし「満期が来たら3年単位で延長する」としたそうです。

    元気、よみがえり、再生なんて言葉に騙されずに、老化を認める。群れずに自立する。

    オシャレをする、健康診断は受けない(どこか病気はあるもので、病気、病院に追われる人生になってしまう)、新しいことを始める など彼ならではのスタイルを紹介している。こうしたことは個人個人にあって、参考になったり、ならなかったりだが、参考にならなくてもいろんな生き方をしてるんだと面白く読める。年とることは個人個人違うので、個人個人が異なるスペシャリストである。スペシャリストならではのウンチクが楽しい。

    『「心は老けても心は老けていない」といのうは、錯覚で、「心は老けてない」と思うこと自体が、まさしく老化のしるしといえます。心という見えないものを当てにしてるだけ。鏡に映るシワだらけの自分の顔が本当の年齢で、心も当然、シワだらけです。』心も老けるからこそ、これまでと違う人生の局面が見えてきます。「病気にならないと健康がわからない」「飛び上がらないと引力がわからない」と同じで、反語的だけれど、「老いて初めて若さがわかる」ということになります。』

    『老いに「抗う」のではなく、老いに対して誠実に付き合うこと。老いの中で起こる面白くないことも、目をそむけたり、すり替えたりしない。個人個人がスペシャリストで、個人個人が自分特有のやり方、方法を持つことになる。その時に初めて楽しみが出てくる。』

    『見慣れた自分が、知らない人間になっていく。知らない人間の出現にタジタジとなって、そんな自分と隔たりが出てくる。老いると自分が自分と疎遠になっていく。そういう見知らぬ他人に近くなった自分と、いかに折り合いを付けていくかというのが、老いていく日々の特徴です。』

    『「老いとは寄り添え」「病とは連れ添え」「医者は限定利用』

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著者プロフィール

池内紀(いけうち おさむ)
1940年11月25日 - 2019年8月30日
兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。神戸大学助教授、東京都立大学教授を経て、東京大学文学部教授を歴任。1996年の退官以降、翻訳・エッセイに注力。著書に『海山のあいだ』『見知らぬオトカム』『祭りの季節』『ことばの哲学』『恩地孝四郎』『消えた国 追われた人々』など。代表作となる訳書は『ファウスト』『カフカ短編集』『カフカ・コレクション』など。

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