面従腹背

著者 :
  • 毎日新聞出版
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本棚登録 : 90
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620325149

作品紹介・あらすじ

あったことをなかったことにはできない─。安倍政権下で文部行政を担った著者が、加計問題をはじめ「権力私物化」の構造を糾弾する。

感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災以降、自民党が作り上げたこの国の数々の大嘘を目の当たりにしてきたが、この本を読んで、この日本という国がますます大嫌いになった。
    ファシズムに走り続ける自民党。安倍晋三もその流れの中の末端のひとりに過ぎないらしい。憲法改悪も、道徳教育や教育勅語の復活も、靖国神社も、戦争のための一つの手段。国民を気持ち良く戦死させるための仕組み。世界や地球といった大きな概念もなく、見えているのは意味不明の日本民族という幻想だけ。このようにしてヒトラーも生まれ、巨大化して行ったのだろう。
    こんな学校で学ばなければならない子供達、こんな国であと何十年も生きなければならない子供達がかわいそう。
    こんな国で今、子供なんか産むもんじゃない。

  • 面従腹背とは…表面は服従するように見せかけ、内心では反対する
    こと。

    著者の前川氏は38年間に渡る文科省官僚時代、この言葉を座右の銘
    としてきた。

    それは、大枠から見たらささやかな抵抗かもしれない。どうせ
    なら内部にいるうちに告発してくれればと思うこともないとは
    言えない。

    ただ、政治家などからのさまざまなな圧力にさらされながらも、
    どうしても譲れない部分でご自分の意見を貫いたのは理解できた。
    そして、前川氏のようにささやかな抵抗を続けている官僚は、
    どの省庁にも少なからずいるのではないか。

    教育基本法の改正、八重山教科書問題、国旗・国歌法の制定、
    そして道徳の教科化。一連の流れを本書で振り返ってみると、
    いかに教育が歪められて行っているのが分かるし、うすら寒さ
    さえ感じる。

    おかしいと思うんだよ。道徳の教科書にパン屋を登場させたら
    検定が通らなくて、和菓子屋に変えたら検定パスって。

    日本の伝統がどうたらこうたらって言っている政治家たちって
    どうせ明治以降のことしか「伝統」と思ってないんだろうな。

    こんな人たちが教育に口を出して圧力をかけてるのだものな。
    「教育勅語」復活も近いのかもしれないと思うとぞっとする。

    教育って為政者の為、国の為のものじゃないんだよな。その辺り
    をはき違えている政治家が多いのだろうか。

    尚、第4章に収められている座談会は加計学園の何が問題なのか
    が分かりやすく語られているので非常に参考になった。

  • <書評>保阪正康:どうしん電子版(北海道新聞)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/261800?rct=s_books

    「あったことをなかったことにはできない」
    安倍晋三首相と親密な関係といわれる学校法人加計学園が、国家戦略特区に獣医学部を新設した問題で、官僚トップの事務次官を務めた著者がなぜ「総理の意向があった」と記された文書の存在を認めたのか。
    「公正・公平であるべき行政が歪められた」として、安倍政権下で起きた加計学園問題をはじめ「権力私物化」の構造を糾弾する。
    そして、「道徳の教科化」や「教育勅語」の復活など、安倍政権が進める教育政策に警鐘を鳴らす。
    さらに、文部科学省という組織の中で、「面従腹背」しながら行政の進むべき方向を探し続けた38年間の軌跡を振り返る。
    http://mainichibooks.com/books/social/post-585.hthttps://booklog.jp/edit/1/4344033442ml

  • 国家公務員の仕事の向き合い方が分かりました。なかなか現役の方からは聞くことが出来ないため、興味深く読みました。教育という範囲では誰もが関係してきた省庁なので、関心が高い分、もっと現役公務員、内部からの日常の仕事に関する発信があると面白いのなと思います。

  • 東2法経図・6F開架 317.2A/Ma27m//K

  • タイトルにある面従腹背とは、官僚時代に政府、組織の意向に表向きは従いながらも内心は反抗したことがある。ということから来ている。今は、官僚ではないので眼横鼻直に例えて、当たり前、ありのままに言う、行動できるようになった。と筆者は語っている。
    官僚時代に、文部科学省で子供、学生の未来を想い紆余曲折ながらも尽力されたことは頭が下がる思いもするし、尊敬すらも感じた。一方で、安倍政権に対する批判があったが根拠が弱く推測の域を出ていないように思う。
    なお、自身のスキャンダルであるバー問題では、売春問題の調査だと言っていたが本には軽く触れているだけ。人に対しては厳しく批判する割に自分のことは優しい。
    この点がどうしても納得できなかった。

  • 読み終わってまず最初に思ったことは、信念を貫いて生きてきた人だなぁ、ということ。
    今の座右の銘は「眼横鼻直」だという。
    分かるような気もする。
    マスコミを使ってまでして反対勢力を封じ込める安倍政権。いつまで続くのか…。

  • オーラルヒストリーとして、文科省行政の流れなどが参考になる。

  • このことば、どれくらい一般的なのだろう。書店で、この本ありますかとタイトルを見せると、店員は「なんと読みますか?」と聞いてきた。自分自身も前川さんが使ったので知ったことばかもしれない。寺脇さんとの対談があまりにも感動的だったので(初めて知ることが多かった)、本書も新聞広告を見てすぐに購入。ボチボチ電車の中で読みました。事前期待が高すぎたか。今回は感動の域には達しなかった。実は、加計学園についてはとてもアンビバレントな思いがある。この春、長男が岡山理科大の生物地球学部に入学した。地球科学を勉強してみたいというので、私もいろいろとネットで大学を探していた。その中で見つけた一つだった。現役のときにも、ここなら行ってもいいよと私は言っていた。それほど魅力的な内容なのだ。見栄もあってか、国立をあきらめきれず、浪人したが、結局はこの大学に決まった。そして、いま化石の発掘実習など、楽しんでいるようだ。入学式にも訪れた。理事長の話も聞いた。そういう個人的な理由もあって、憎み切れないのです。まあ、一つの学部の中に、私もやってみたいことが山のようにあるのだ。獣医学部についても、できればそこで学ぶ学生たちには、しっかり学んで世の中のためになるような仕事をしてほしいものだ。すみません、本の内容は何となく想像してみてください。ただ、出会い系バーについてはもう少し真実をしっかり書いてほしかった。そうしてもらわないと、良くない方に想像を巡らせてしまう。ところで、奇しくも本日、文科省の役人が逮捕されたと新聞の一面に載った。私利私欲には走ってほしくないなあ。

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著者プロフィール

1955年生まれ。東京大学法学部卒業。79年、文部省(現文部科学省)へ入省後、宮城県教育委員会行政課長、大臣秘書官、大臣官房長、初等中等教育局長などを経て、2016年文部科学事務次官に。17年、退官。現在、自主夜間中学のスタッフとして活動。共著に『これからの日本、これからの教育』がある。

「2018年 『子どもの人権をまもるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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