面従腹背

著者 :
  • 毎日新聞出版
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620325149

作品紹介・あらすじ

あったことをなかったことにはできない─。安倍政権下で文部行政を担った著者が、加計問題をはじめ「権力私物化」の構造を糾弾する。

感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災以降、自民党が作り上げたこの国の数々の大嘘を目の当たりにしてきたが、この本を読んで、この日本という国がますます大嫌いになった。
    ファシズムに走り続ける自民党。安倍晋三もその流れの中の末端のひとりに過ぎないらしい。憲法改悪も、道徳教育や教育勅語の復活も、靖国神社も、戦争のための一つの手段。国民を気持ち良く戦死させるための仕組み。世界や地球といった大きな概念もなく、見えているのは意味不明の日本民族という幻想だけ。このようにしてヒトラーも生まれ、巨大化して行ったのだろう。
    こんな学校で学ばなければならない子供達、こんな国であと何十年も生きなければならない子供達がかわいそう。
    こんな国で今、子供なんか産むもんじゃない。

  • 面従腹背とは…表面は服従するように見せかけ、内心では反対する
    こと。

    著者の前川氏は38年間に渡る文科省官僚時代、この言葉を座右の銘
    としてきた。

    それは、大枠から見たらささやかな抵抗かもしれない。どうせ
    なら内部にいるうちに告発してくれればと思うこともないとは
    言えない。

    ただ、政治家などからのさまざまなな圧力にさらされながらも、
    どうしても譲れない部分でご自分の意見を貫いたのは理解できた。
    そして、前川氏のようにささやかな抵抗を続けている官僚は、
    どの省庁にも少なからずいるのではないか。

    教育基本法の改正、八重山教科書問題、国旗・国歌法の制定、
    そして道徳の教科化。一連の流れを本書で振り返ってみると、
    いかに教育が歪められて行っているのが分かるし、うすら寒さ
    さえ感じる。

    おかしいと思うんだよ。道徳の教科書にパン屋を登場させたら
    検定が通らなくて、和菓子屋に変えたら検定パスって。

    日本の伝統がどうたらこうたらって言っている政治家たちって
    どうせ明治以降のことしか「伝統」と思ってないんだろうな。

    こんな人たちが教育に口を出して圧力をかけてるのだものな。
    「教育勅語」復活も近いのかもしれないと思うとぞっとする。

    教育って為政者の為、国の為のものじゃないんだよな。その辺り
    をはき違えている政治家が多いのだろうか。

    尚、第4章に収められている座談会は加計学園の何が問題なのか
    が分かりやすく語られているので非常に参考になった。

  • 面白読物を期待して読み始めたが、著者が真面目なのか政治の要素が強い本だった(読む前に気づくべきだった)
    者をシャ、一日をいっぴと読む、といった政治家用語は面白かった。

  • 納得できない点もあるものの、面従腹背でも自分の信じた道を進むことの大切さを示してくれたいい本だった。

  • 元文部省、文部科学省の官僚であった著者が見てきたことが書かれている。
    省庁内部で行われてきた教育行政。
    政治家による圧力。
    それらが大きく露呈したのが、森加計問題である。
    本書では、加計学園の獣医学部創設問題についても書かれている。
    面従腹背とはどういうことかと思ったが、本書を読んでなるほどと思った。
    著者がいうそれは、表向きは従って、腹の中では自分の考えを持ち、時期が来たらそれを行動に移すということである。
    それは組織内部にいないとできないことである。
    本書を読めば、教育基本法など官僚が政府の圧力に抗おうとした痕跡が分かる。
    これは面従腹従しなかったことの証である。
    それにしても、理不尽ともいえる政治家の圧力の中で仕事をするのはどんな気持ちなんだろうと思った。
    ストレス溜まりまくりなのではないだろうか。
    いくら官僚が優秀でも、政治家がダメなら宝の持ち腐れである。
    森友問題で自殺した財務省の赤木氏のことを思うと本当にいたたまれない。
    腐敗した政治家に、良心が勝つ世の中になってほしい。

  •  いま書いている論文の中で必要になって、いまさら手に取ることに。
     
     ちょうど『新聞記者』を見たばかりだったので、巻末の加計学園獣医学部認可問題をめぐる鼎談がよけいに生々しく読めたが、この本の主筋は官僚論であり、教育行政論とみるべきだろう。とくに、筆者自身が関与した八重山育鵬社教科書採択問題や教育基本法「改正」をめぐる記述は、教育政策「改正」がめぐる記述は、教育政策の決定過程とその内情を伝える貴重な記述と思う。ただし、著者は小泉内閣時の「義務教育国庫負担金」をめぐる官邸との暗闘(?)については、自分が抵抗したと書いているだけで、具体的には一切触れていない。なにか事情があるのだろうか?

     少なくとも本書を読む限り、著者が特別すぐれた官僚だったとは思わない。『面従腹背』は組織で生きる人間としての当然の心得であるはずだ。しかし、日本の国家官僚は、そうした「良心」というか、個人としての思想を否定しなければ生きられない場所に、ますますなってしまったらしい。「心」を無にして、時の政権を護るための辻褄合わせに奔走する――。そんな世界の中に生きることの空しさを、彼ら彼女らはどうやり過ごしているのだろうか。
     国会対応や野党ヒアリングにかんして、官僚の多忙さを匿名でtweetする人たちが増えた気がする。しかし、そういうひとたちは何か勘違いしているのではないかと思う。たぶん「心」を無くして働いているひとたちは、「心」のあるひとが憎らしいのだ。

  • 極めて真っ当なことが書いてある。

  • 大枠、小役人の戯言としか思えない。話が小さい。
    省庁のエリートはすべからく国家大計を案ずるものではないのだろうか?すべてを個人の自立とか国会の横暴とかいう発想で論じたところで、本当に困っている国民の生活には届かない。たぶん、彼の中ではファシズム再来を止めなくては、という厨二病的なヒロイズムがあるだけなんだろう。。。

  • おもしろかった!
    面従腹背ー表面は服従すふように見せかけて、内心では反抗すること。



    教員免許更新制、教育課程行政、八重山教科書問題、さらには加計学園問題まで、役人としてだけではなく、私個人としての教育情勢についてやりたくなかったこと、やりたかったことが溢れ出ている。

    特に免許更新制と10年次研修の導入については、文科省と政治家のせめぎ合いがあったとは知らず、勉強になった。

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著者プロフィール

1955年生まれ。奈良県出身。現代教育行政研究会代表。元文部科学事務次官。2018年から日本大学文理学部非常勤講師。
著書:『面従腹背』(毎日新聞出版)/共著:『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半――忘却させない。風化させない。』(論創社)ほか。

「2021年 『これが民主主義か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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