- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620325187
作品紹介・あらすじ
既存の枠にとらわれない新しい価値観をどのように生み出していけるのか。
「個」が強調される中、信頼に足る家族・コミュニティーをいかに作り上げることができるのか。
みなの声に耳を傾ける社会を実現するには、どうすればよいのか。
霊長類の目があれば、自ずと答えは見えてくる。
学びの基本、サル真似ができる霊長類は人間だけ?
大量発生中のイクメンはゴリラ型の父親?
「ぼっち飯」ブームは、人間社会がサル化している証拠?
現代日本の民主主義はゴリラのそれ以下?
動物の一種としての人間に立ち返り、これからの共同体・国家のあり方を問い直す。
感想・レビュー・書評
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著者の山極さんは、ゴリラ研究の世界的権威であり、京都大学総長でもあります。内容は「毎日新聞」の連載コラムに手を入れたもので、手頃な長さの小文集です。自ら群れの中に入って体験したゴリラの生態を「鏡」に、今の人間の考え方や行動を、それが個人としてのものもあれば、集団としてのものもありますが、省みて、分析・評価し、山極さんなりの示唆を書き連ねています。ゴリラ・チンパンジー・オランウータンといった類人猿は、やはり私たちと同類との感を強くしますね。今の人間は「無くしつつあるもの」が多すぎる気がします。
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人間の在り方を、類人猿と触れてきた先生の立場から考える本です。社会人類学的な本かと思ったのですが基本的にはコラムのようで、気楽に楽しく読めました。
人間という大くくりとゴリラを比べるのはなかなか乱暴ではありますが、ホモサピエンスの社会性と残忍さは一体どこから発生したのだろうと考えるととても興味深い。
ゴリラの社会性はなかなか面白く、家父長のようなオスゴリラでありながら、女子供の支持が得られないと立ち行かないのがユーモラス。ゴリラは父親も子守をするようでなんとなく昨今のお父さんのようです。
比べれば比べるほど、人間はその狡さと性格の悪さで発展してきたような気がしてしまいます。ゴリラのように生きるというよりも人間自体は救いが無い生き物なので、根本的に謙虚になるしか無いような気持になりました。
同胞同士で傷つけあってきた数千年、または数万年。今では地球を覆いつくし国境を作り、一番安価な資源である人間の命を湯水のように浪費してきました。同胞にすらそうなのですから、自然環境なんて二の次三の次、どんどん絶滅に追い込んでいます。少しばかりのヒューマニズムで気まぐれ救済を施しますが、そもそもヒューマニズムってなんですかという所ですよね、ヒューマンは駄目だっていう議論からスタートしているのですから。
すっかり話は逸れましたが、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンの方が人間より乳離れ遅いって知らなかった。オランウータンは7年位母乳を飲むようです。 -
少し前の話ですが
京大の学生寮「吉田寮」のことが
いっとき話題になっていましたね
その時に
「学生諸君も もう少しゴリラらしく対応できれば
いいのだけれど…」
というニュアンスのコメントが
山際寿一総長のお言葉として
報じられていた記事を読みました
それも
どちらかといえば
ーなんということを
人間ならぬ
ゴリラ並みに例えるとは
という非難めいた調子で
紹介されていたように覚えています
むろん
山際寿一さんの真意は
気高く賢明で協調を重んじる
尊敬すべきゴリラ諸君
としておっしゃっているのですが…
改めて、思うのは
地球上で傲慢になってしまった
我々ニンゲン、
そしてニホンジン、
に対しての
傾聴すべき警告の書になっています -
あまり中身を見ずに手に取ったので、ゴリラが物申す!のような内容なのかと考えていたが、「変なゴリラ」と化したことのある京大総長、山極先生が霊長類視点から現代の人間社会を見つめて、生物としての人間はどういったものなのか、何の影響で現代社会はこうなってしまったのか、今の社会はこうしていかないと…と問題を提示していく。
元々がコラムだったこともあって、どちらかといえば社会学メインという印象。でも合間で急に入る霊長類やサル、ゴリラの話が飽きさせず、何が問題なのかを理解しやすくしてくれている。
あとゴリラ愛がすごい。 -
ゴリラの視点からとらえた人間社会。
鋭い!!目から鱗ではっとさせられた。
高校生ぐらいのときに知ってたら京大目指してたなぁ。 -
君たち(人間)はどう生きるか、のセンスの良さ。
内容は京大総長による現代社会批評である。気遣い、笑いの共有、広い共同体などはサルにはない人間特異な性質。ネットばかり見て個人の利益だけ考えるのではなく、せっかく人間なのだからもっと他者と関わったら?という話。サルが進化の過程でその能力を身につけなかった理由も、中立的な立場で論じている。どちらがいい、どちらが悪いと断定しないところが優しい。しかしその言い方だと、私はサルでもいいと思ってしまうんだよな。
ゴリラ愛が随所に溢れていて素敵。 -
ゴリラや類人猿を書いた科学ノンフィクションかと思ったら、文明批評のエッセーであった。
現代の人間社会より、ゴリラの世界の方が平和だというのはよくわかるが、ゴリラに倣えといったところで世の中は何も変わらないだろう。
著者プロフィール
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