超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる

著者 :
  • 毎日新聞出版
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620325767

作品紹介・あらすじ

孤独死、年間約3万人。凄惨な死の現場の原状回復を手がけるのが特殊清掃人だ。彼らの生き様や苦悩、さらに我々の生死や孤立の問題に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 文字で読むから映像も臭いもしないから、読み終えたが、孤独死の実際の現場に立ち会うことできないだろうなと思った。
    今のところ孤独死する身内はいないとは思うが、他人事だと思い切ることもできない。

  • ※インスタに掲載したコメントの転載です

    昨年の夏、熱中症による孤独死が多かった。腐敗した遺体があった部屋を現状回復させる現場のルポは、読んでいてかなりキツイ。でも、それは自分の隣の部屋で起きているかもしれないし、最近、連絡が取れていない身内や知人に起きているできごとかもしれない。

    生野区は高齢化率31.4%、ひとり暮らし高齢者比率20.6%でどちらも24区中2位で、地域福祉が充実しているから一人でも暮らせるともとれるが、こどもや孫世代がまちに帰ってこない結果とも言える。また、家賃の安さからの流入も一定ある。

    この本には、40代・50代という年齢ゆえに福祉ネットワークから漏れて孤立し、ゴミ屋敷の中で死んでいた人の話も出てくる。制度はいつも、法そのものが古かったり、施策が作る側の想像力が欠けていたりして、なかなか穴が埋まらない。その現実を突きつけられる。

    若いときはエリートで、外資系の企業で活躍していた兄は、ある時期から「仕事が忙しい」と会う機会がなくなった。20年ぶりに会うと、ゴミに埋もれて引きこもっていた。失職したことを、知られたくないがゆえに、身内に「助けて」が言えなかった不幸。

    必要な時に「助けて」と言えることこそ、「生きる力」。でも、言えない人がいる。不器用で傷つきやすくて、周りが時間をかけて関係を築かなければ悩みが言えない。その人の「生きたい」「立ち直りたい」気持ちを呼び起こし、応援し、ゆっくり一緒に歩いていく役割の人たちは誰なのか、行政職員の人員が増えない中で、悩む。

    今言えるのは、とにかくひとり暮らしの身内がいれば、近所の人にも一度お願いをしておくといいことと、ITも活用した見守りサービスを使うこと。そして、自分の近所に住む人を「気にかける」ことから始めたい。

    この本では、孤独死した人やその家族、特殊清掃に関わる人の人生を感じるだけでなく、解決のヒントが最後にまとめてある。

    その中で「これだ!」と思ったのは「セカンド小学校」というアイデア。孤独死者数・年間約3万人という数字を出した研究者の提案で、リタイア後の生涯学習などを義務化するというもの。定年後に全員、地域の「セカンド小学校」に入り、出席すれば地域の商品券がもらえたり、逆に欠席すれば年金が減額される。

    強制力を伴うので、地域ネットワークの中に入りやすくなるし、「閉じこもり」が避けられる……生野区のめざす「まちぐるみ教育・みんなの学校」構想の中に入れこめるような提案だった。

    行政としての視点で読みながら、一方で「自分はどんな人生の終わり方をしたいか」についても、考えてしまう一冊。重かった。

  • 図書館
    こういう仕事は例え年収がうん千万だとしても無理だな。仕事の初日に卒倒してPTSDとなり引きこもりになり、早晩自分も孤独死の一員になるな。
    独居老人に毎日電話連絡して安否を確認するなど何か対策を考えないと街に死臭があふれることになりそうで心配。
    3章まで読んだ。

  • 体液により場所がわかる

    オゾン脱臭機

    大島てる 事故物件公示サイト

  • ふむ

  • タイトルとはうらはらに、孤独死や特殊清掃、高齢化社会についての本「ではない」。
    本書の真のテーマは「セルフ・ネグレクト」である。

    よって、本書には「普通の孤独死」は登場しない。
    どこか壊れた人々が、壊れた生活の果て、死に至る。当然、それは「壊れた死」以外のものにはなりえない。その凄惨を描いている。
    これはこれで悲惨な話ではあるのだが、このタイトルをつけるのは違う気がする。彼らが孤独に死んだり、特殊清掃のお世話になったり、少子高齢化で一人暮らしをしていたことが問題なのではない。それ以前の存命時から、その「壊れっぷり」こそが真の問題だったのではあるまいか。
    著者自身はそこを理解しているようではあるが、読者が全員そうなるとは限らない。その意味で、やや危うさを孕んだ本だと思った。

    2019/6/9読了

  • 壮絶な内容でした。少なくとも身近な人セルフネグレクトにならないよう、ゆるーい関係でも作っていきたいと思います。

  • 内容はかなり衝撃的。
    ひとごとではない、一方間違えたら誰でもそうなる可能性がある。
    でも、途中の話は冗長かも。
    『おーちゃん』の話は余計な部分が長すぎる気がする。

  • 以前、所有していたアパートで孤独死の案件があった。
    独居男性だったが、とある新興宗教の信者だったこともあってか、翌日には訪問した信者に発見され、遺体の損傷などはさほどなかったようだ。
    少なくとも宗教を媒介にした他者との交流が、彼にはあったということだ。
    とはいえ、当人の死後は、葬儀をしてくれるわけでも合同墓に入れてくれるとかいうわけでもなく、なんのための宗教だと思わないでもなかったが。

    著者も述べるように、孤独死に至るまでには、その前に幾つもの人生の躓きがあるのだろう。
    それが何だったのかは知る由もないが、彼も、汚部屋や悪臭のクレームだけでなく、家賃の滞納が目立ち始め、退去に向け訴訟を行っている最中での死だった。
    その前のどこかで手を差し伸べられないものだろうか、というのは思うところだが、現実には本書にもあるように、宗教・自己啓発セミナーなどが、そういった人々を食い物にしている、という構図だろうか。

    ちなみに、残された部屋は、「ここ数年は付き合いはなかった」という連帯保証人の方になんとかゴミの処分をお願いしたが、それ以上の原状回復費の負担は拒まれたためリフォームは行わずに放置。
    結局そのアパートを売却するときまで、その部屋を貸し出すことはなかった。
    こちらも百万単位のリフォームをかけてまで告知事項ありの部屋を作るメリットがなかった。
    今後も孤独死が増えるなら、それらも含めて、死を有り体に受け入れる社会でないと、賃貸業も回らない。

    そういえば、被告が死亡したことを知らせたときの裁判所の人の声がなんとなく嬉しそうだったのを覚えている。
    「あ、じゃあ取り下げにしておきますねー。」
    案件が多すぎて、一件でも捌かなければならない件数が減るのは喜ばしいことだったのだろう。
    人生の躓き、諍い、争い。それらもまた、事務的に片付けられてゆく社会。

  • 東2法経図・6F開架:367.7A/Ka57c//K

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著者プロフィール

1982年、宮崎県生まれ。
大阪芸術大学芸術学部映像学科卒。今は無きアダルト系出版社・司書房で人妻雑誌やSM雑誌の編集者を経て、2005年よりフリーライターに。
投稿雑誌やホスト雑誌、男性向け実話誌、AV誌、女性週刊誌などを中心に執筆活動を行う。

「2010年 『アダルト業界のすごいひと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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