超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる

  • 毎日新聞出版 (2019年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784620325767

作品紹介・あらすじ

孤独死、年間3万人。凄惨な死の現場の原状回復を手がけるのが、特殊清掃人だ。
近い将来、孤独死は日本全体を巻き込む大問題となる。そして、特殊清掃の世界を知ることは、私や本書の読者であるあなたの未来を知ることでもあるのだ。
だから、たとえ目をそむけたくなる場面があっても、最後まで希望を捨てずにお付き合いいただきたい。他人事ではない無縁・多死社会の現実が、ここにある。

特殊清掃、略して〝特掃〟。遺体発見が遅れたせいで腐敗が進んでダメージを受けた部屋や、殺人事件や死亡事故、あるいは自殺などが発生した凄惨な現場の原状回復を手掛ける業務全般のことをいう。
そして、この特殊清掃のほとんどを占めるのは孤独死だ。
著者の試算によると、わが国では現在およそ1000万人が孤立状態にある。これは、とてつもなく大きな数字だ。
そして、孤独死の8割を占めるごみ屋敷や不摂生などのセルフ・ネグレクト(自己放任)は、〝緩やかな自殺〟とも言われており、社会から静かにフェードアウトしていっている。
誰もが、いつ、どこで、どのように死ぬのかはわからない。けれども、死を迎えるに当たってあらかじめ準備をすることはできる。
死別や別居、離婚などで、私たちはいずれ、おひとりさまになる。そんなときに、どんな生き様ならぬ死に様を迎えるのか。
本書では、特殊清掃人たちの生き様や苦悩にもクローズアップしながら、私たちにとっての生と死、そして現代日本が抱える孤立の問題に徹底的に向き合う。

感想・レビュー・書評

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  • 途中で気分が悪くなったり、愕然したりしましたが、これもまた現実なのだと認識していかなければならないと感じました。

    特殊清掃が増えていく世の中であってほしくないと思いますが、近所か家族等の関係性が薄まっているので難しいと思いました。

  • 特殊清掃…殺人現場、遺体発見が遅れたせいで腐敗やダメージが進んだ部屋、ゴミ屋敷化した部屋などを掃除するお仕事。

    特殊清掃を請け負う5人の方の人生とその現場、
    そして亡くなった人の見え隠れする人生を描いたルポ

    まるで本からその現場の温度と臭いまでが伝わってくる…
    著者の思いまでもが伝わってくる…
    そんな文章と内容

    ペットボトルにひたすらためた尿
    体液をすって蛆だらけの布団
    天井までゴミだらけの部屋
    カビだらけの部屋
    腐って床が抜けそうな部屋

    「人が死んだらまず目玉にウジがわいて…」
    そうか…死ぬことっていうのは血液循環がなくなるから体が腐ってくるってことか…
    当たり前のことだけどそこに人という尊厳はなくなりモノになっていく

    人がモノになっていく、あるいはなった状態の部屋を淡々と片付ける特殊清掃人は多いし、そうでないとやってられないんだと思う。
    でも、取材したこの5人は亡くなった人の人生を慮って、その人生を汲み取ろうとしてくれているんだな~と思う。
    すごい。
    言うのは簡単だけど、なかなかできることではない。

    衝撃を受けたのが
    ゴミ屋敷化した部屋を親族に知られたことがわかり
    失踪してしまった女性の話

    親族にしたら「なぜ相談してくれなかったのか?」という後悔でいっぱいかもしれない。
    でも本人にしたら「誰にも相談できなかった」のだと思う。

    セルフネグレクトという言葉を最近よく聞く
    精神的に病み、自分自身をケアすることができなくなった状態のことである。
    お風呂に入れない
    トイレにも行けない
    みだしなみも整えられない
    何もできなくなる

    現在の日本の家族関係から「孤独死」は避けて通れない社会問題となっている。
    だけどそれに対しての解決策はない
    あとがきを読むと、そんな問題に立ち向かっている人々の話があった。
    「おせっかいおばちゃん」の小さな一歩が社会を動かすことになるかもしれないし、行政も動き始めているという。さらに、孤独死や見守りなどを踏まえた保険なども登場しているという。

    孤独死は他人ごとではない
    もちろん私もそう

    死んだらおしまい…ではない
    死んだ後の問題も怖い
    部屋の清掃代、火葬代、火葬のその後など…お金の話もリアルで怖い

    この本を読んで「私、カンケーないもん」なんて言える人っているのか?

    それ考えると「孤独死」ってすごく身近な問題だし、リアルに怖いし考えさせられる。

  • 孤独死は独身・一人暮らしの課題
    現状、独身者、一人暮らしが急激に増加した日本では、若い人も含め年間3万人の孤独死が発生しており、老人のみならず若い人でも死後の処理相談などに関して圧倒的に増えている、と言う。更に孤独死の予備軍が1千万人いる日本は社会問題化しており、一度「事故物件」(孤独死・自殺・殺害・病死)となった場合には周辺の住民、家族へのインパクトも費用負担も大きい。 それには少なくとも一人暮らしの人が絶え間なく社会との繋がり(民間サポート・SNS・支援団体等)を続けていく事が必須だ、と言うこと。今後はIT、生成AIなどの機器等による見守り緊急通報システムなどで孤独死が減ること、また孤独死保険等などで費用負担減にも期待したい。

  • 『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』つらく、悲しく、身近に迫る死 - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/45166

    「超孤独死社会」書評 年間3万人の死の裏側に迫る|好書好日
    https://book.asahi.com/article/12342763

    超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる | 毎日新聞出版
    http://mainichibooks.com/books/social/post-654.html

  • フリーライターによる孤独死の現状とそれをサポートする家族や業者の奮闘を、第三者の立場で、冷静かつ温もりを保ちつつ紹介したルポ。
    読みやすく、孤独死のその住まいの対処の過酷さが伝わってきました。
    大阪のメモリーズの横尾さんの思いが心に響きました。
    生前整理ではなく、「生きていくための整理」である「福祉整理」をしたいと。「健康で自立した生活ができるようにするお部屋の片づけ、前を向いていくための整理をしたい。」p224
    「取材を通して感じたのは、問題は一人で亡くなることではなく、もっと前の段階にある、ということだった。」p263
    これにも共感。そもそも、を見つめないと改善には繋がらない。
    実は身近な、孤独死、特殊清掃。もっと知られるべきと思う。

  • 孤独死した物件の清掃を担う、特殊清掃業者を取材した本。
    覚悟はしていたけど、かなりグロテスクな描写が多かった。

    特に夏場は、特殊清掃業者の繁忙期。
    遺体の腐敗進行が速いため、近隣住民からの苦情が殺到するから。
    あとは、熱中症による死亡も多いから、夏場は孤独死が多いらしい。
    孤独死するような人は貧困層が多いから、そもそもエアコンがなかったり、あっても電気代が高いからつけなかったり、壊れていて放置したりすることが多い。

    高齢者だと、行政の福士に繋がりやすいが、問題は福士に繋がらない若い現役世代。
    失恋、離婚、退職、様々な原因で人生に躓いた人が心を病み、立ち上がることが出来ないまま、どんどん生活環境が悪化していき、セルフネグレクトに陥る。
    そして、誰にも相談できず孤立化していき、孤独死に繋がる。

    本書で出てくる、50代女性のセルフネグレクトの話は衝撃的だった。
    未婚で孤独ではあっただろうけど、普通に仕事をして、近くに家族も住んでていて、家族仲も良かったという、本当にどこにでもいる普通の女性。
    こういう女性でもセルフネグレクトに陥ってしまうということは、いつ誰がなってもおかしくない話なんだと思う。

    核家族化になった現代では、誰もがあっという間に孤独に陥ってしまう。
    結婚していても、離婚や死別をすれば結局は一人になることに変わりはない。まして子供がいても、老後もずっと関係を良好に続けられるかも分からない。
    まずは身内に頼るのが第一だけど、それ以外の地域や趣味のコミュニティにも積極的に関わっていって、人間関係を築くことが大切なのかもしれない。

  • 最近は話題になることも増えた、「特殊清掃」の世界。
    興味本意で読んでみると、重く、そして、悲しくて切なくなり、そうして、どうにも解決できないやるせなさに向き合うことになります。

    特殊清掃を実際に行うひとの想い。
    突然、日常生活では無関係だった人について、血縁があるからといって責任をとらざるを得なくなる人の想い。
    そうした状況になるとは全く知らなかった肉親の、無念の想い。

    いろいろなものが渦巻いてしまい、文章から現場の臭いが漂ってくるようで息苦しくなります。

    ひとは一人では生きていけません。

    どこででもよく聞くことばです。

    では、ひとが一人で死んだらどうなるのか。

    それがよくわかります。

    どうにかならなかったのか、、、と思う反面、そのような状況を自ら招いたような人に、どうやって同情すればいいのか、それはわかりません。

    ひととして、日本人として。
    今、ここにこういう問題があることを、わすられなくなることは間違いありません。

  • 文字で読むから映像も臭いもしないから、読み終えたが、孤独死の実際の現場に立ち会うことできないだろうなと思った。
    今のところ孤独死する身内はいないとは思うが、他人事だと思い切ることもできない。

  • 将来の参考に手に取った本。

    断捨離やミニマリストの本を読むよりも、片付けのやる気というか他人事ではない感覚が尋常じゃないので、独り身の人にはせひおすすめしたい。

    孤独死=セルフネグレクト=ゴミ屋敷ばかりではないと思うのだけど、実際はほとんどがそうなのだろうか。

    最後のまとめに現実的な対策がいくつか載っているのがよかった。

    家族は先に亡くなることもあるので、人との縁を途切れさせないこと。
    社会と関わり続けること。

    となると、やはり働けるうちは働いたほうが金銭的にも精神的にも安心な気がする。

  • 何気なく読み始めたが、ずっしりと心に重くのしかかってくるような内容だった。人と人との付き合いが希薄になり、誰にも気づかれないうちに亡くなってしまう。どうしたら、そんな状態を防ぐことが出来るだろうか。考え続けなくてはいけない。

  • 特殊清掃をする人や孤独死に至る前にサポートする人にも迫っている。
    孤独死が特殊なものではなくて、生きづらさは元々の性格だけでなく、セルフネグレクトは様々なことがきっかけになる。
    自分自身にも家族にも有り得ることに感じて怖くなった。

    子供がいても、親や兄弟と定期的に会っていてもごみ屋敷になっている可能性はある。
    助けを求めない、問題ないという相手にどこまで突っ込んでいけるものなのか、社会福祉として公的に出来るのがベストだけど。
    時々ある成年後見人の弁護士が横領とかのニュースを思い出すとひとつに頼りきりも怖いような。

  • 見たくない、知りたくない現実。

    YouTubeでゴミ屋敷清掃の映像はあるが、それに特殊清掃が加わったものはない。

    本書を読みながら映像を想像してみる。

    人ひとりが死ぬことは大変なこと。無縁者であっても何かしら現実に繋がりはある。

    読了60分

  • 遺品整理をして模型を作ってる人の本だと思って読んだら違った…
    でもきっと言ってることは同じ。

  • 起きて、出かけて、帰ってくる。家には誰もいない。語らいながら食事をする相手もいない。生きる気力が失せ、朽ち果てていく。いつしかゴミも溜まっていく。悪化していく持病。逃れようにも体の自由が利かない。助けが来るあてもない。苦しみ抜いた末にやっと訪れる死の境地。なきがらが悪臭を放つ。染み出た体液が床を汚す。幾日も経ち誰かが気づく・・2040年には単身世帯が4割。希薄化する人間関係。増え続ける孤独死。特殊清掃の需要も上がる。その現場で慮られる故人の末日。尊厳あるはずだった人生。壊れていく社会。絆の大切さを知る。

  • 内向的な人にはささりやすい内容と感じた。
    自分の死に方であったり、大切な人が急にいなくなったりと言う悲しみであったり。死を身近なものとして普段から感じているかどうかによってかなり感じ方が違うと思う。
    第二章で、家族が亡くなったがあまりにも遺体の損傷が酷いので会わない方がいい、という場面ががあったが自分ならどうするだろうか想像できるだろうか。自分はどんな姿になっていたとしても会いたい。どんなに変わリ果てた姿になっていたとしても直接お別れをしたいし、それが自分自身に対する一つの区切りになると思っている。

    色々考えさせられる本でした。


  •  この本からは特殊清掃業車の過酷さと孤独死の社会問題が見えた。
     
     言葉だけは聞いたことがあった特殊清掃だが実際に話を読んでみるとかなりえぐい現状が出てきた。    
     例えば死体跡に残る黒い体液や酷い匂い、ゴミで埋め尽くされ虫が溢れる部屋など。特に夏場は暑さでさらに酷い状況のようだ。こういった部屋を掃除しなくてはならない。
     仕事を受ける流れとしては故人の近隣の人が部屋の匂いに気づき大家、管理会社、遺族などに伝えられそこから連絡が入ることが多い。特に夏場は暑さで死体の腐敗が速く酷い匂いによって発覚することが多く件数も多く、業者にとっては稼ぎ時だ。逆に冬は反対の理由で気づかれづらく数も少なくなる。
     


     孤独死とは人や社会との繋がりがなくなり孤立してしまった人が誰にも気付かれず自宅で亡くなってしまうことだ。年間ではおよそ3万人にのぼると言われている。
     さらに問題なことが現在の高齢社会の日本ではその孤独死予備軍にあたる人達がかなりの数にあたり社会全体の危機になっている。
     孤独死者の特徴としてはセルフネグレクトという状態がよく見られる。『セルフ・ネグレクト』とは、生活環境や栄養状態が悪化しているのに、それを改善しようという気力を失い、周囲に助けを求めない状態を指します。 “ゴミ屋敷”や“孤立死”の原因とも言われています
     
     

  • 社会で表舞台には出ないけれど、必ず、そして今やものすごく需要のある業種だと思う。
    このような業種を特殊清掃ということを初めて知った。
    かなりしっかり書いてあるので、読むのが苦手な人もいるかもしれないが、増えてこればそれだけ悪徳業者もいる、この本に載っているような良心的な業者もいる、見極めが難しい。

    見分けるための業者に星をつけての義務でもできたらいいのに。

    自分の時や親がこのようになったら、と思うと、
    1度調べて見ないと行けないと思う。

    だけどこのような事態を生まないことが1番なのか…

  • 凄まじかった。

    こんな風に孤独死に向き合ってくださる特殊清掃の方々。社会的な地位は高くないが、今後ますます必要とされることだろうと思う。

    ドライすぎる人では周囲に寄り添えないし、共感力の高すぎる人には辛すぎて出来ない仕事。

    本当に頭が下がります。

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著者プロフィール

菅野久美子(かんの・くみこ)性と死をみつめるノンフィクション作家。1982年、宮崎県生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒。著書に『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(双葉社)『事故物件めぐりをしてきました』(彩図社)などがある。また、生きづらさ、女性の性をテーマにした記事やエッセイを、各種web媒体にて精力的に執筆している。

「2022年 『ルポ 女性用風俗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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