資産運用のはじめかた

  • 毎日新聞出版 (2019年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784620326061

作品紹介・あらすじ

事前の計画からポートフォリオのメンテナンスまで、「自分が働くかわりに、お金に働かせる=資産運用」の基本が、これ1冊で身につきます。
「うっかり買うと損をしがちな投資信託の見きわめ法」や、「価格が下がった時こそ威力を発揮する『量の公式』」など、「投資・金融の初心者でも損をしないコツ」を重点的に解説。
「独立系ファイナンシャルアドバイザー」が、金融機関の利益のためではなく、お客様=読者の利益のための、ウソいつわりのない「本当の情報」を伝授します。
「年齢や資産額に関係なくはじめられる」資産運用で、あなたも「老後資金2000万問題」を解決しませんか?

感想・レビュー・書評

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  • 初心者向けで全体像も把握出来るため理解しやすかった。
    お金にはお金のプロを。自分でも知識を持つことは大事だけれど、ファイナンシャルアドバイザーを使うメリットは存分にあると思う。
    病気になったら医者を頼るように。
    ただし顧客とアドバイザーがwin-winの関係になれることが大前提で。
    アメリカの友人が、ファイナンシャルアドバイザーを使うのは普通のことだよ。と言っていた。
    この考え方が日本でも定着すれば良いのになと思う。

  • 一度セミナーを聞いた、福田猛氏の著書。
    2回webミーテイング後、契約はしなかったが話している事には賛同し、読んでみる。
    ・S&P指数に投資した1990-2010年 平均リターン年率9.1%
     連動する指数の投資信託インデックスファンドだと年率3.8%しかない。
    ・株式リターンを日次で計測した場合、上昇と下降がほぼ均衡
    ・米国の株式市場 1960-2017年(57年間)上昇した割合74% 年率6.8% 一番下落△38% 10回はマイナス2桁 2回は△30%
    ・損切をしない考え方も 健全な株と確信したらバイアンドホールド 売るのは資金が必要な時
    ・家族信託で資産運用の継続が可能だが、特定口座での活用が出来ない、契約に数十万円掛かる

  • 長期の資産運用、特に積立投資の重要性についてわかりやすく解説されています。また、資産運用にあたりファイナンシャルプランナーが果たす役割や、短期の資産運用では人がAIに勝てないことなどがよく分かりました。

  • 今までほとんど考えていなかった「資産運用」が、いかに大事であるか気づくことができました。ただ貯金するだけでは貯まらない。でも株や投資をするのはなんとなく怖い。そう思っていたけれど、知らないから恐怖心があるのだと気づきました。甘言や目先の利益につられない、目標を立てずに投資を始めないなど、投資初心者が陥りがちな点を指摘され、内心ドキッとしました。今はネットやYouTubeでも情報を得られるので、少しずつ情報を収集し、今のうちから老後に備えたいです。

    p26
    「投機」は、相場やチャートに着目し、「投資」は企業の業績に着目しますが、「資産運用」は自分自身に着目する行為です。
    「資産運用」は、自身の収支状況や、保有資産・負債を把握し、それらをどう管理・運用していくかを考えます。運用手法は再現性・継続性のあるものを用います。
    具体的には投資信託による積立や、投資信託等を活用した分散投資(ポートフォリオ運用)が一般的です。期間は長期です。
    メリットは、長期的には高確率で成果が期待できます。デメリットは、時間がかかることです。また、ギャンブル性が低く、のめり込むような面白さには欠けます。
    日本では「投機」「投資」こそ一般的になりましたが、この「資産運用」の普及はまだまだ遅れているのが現状です。

    p29
    ファイナンシャルプランを立てるには、キャッシュフロー表(毎年の収支を表にしたもの)やバランスシート(資産と負債を表にしたもの)を作成したり、ローンや運用手法、税金などの知識も必要です。

    p43
    ちなみに、仮に夫が三五歳、妻が三〇歳の現役世代なら、毎月三・五万円の積立投資を行い、年率三%程度で運用できれば、三〇年後に二〇〇〇万円強を確保できます。


    p44
    世界株式の過去の長期平均リターンは、年率七〜八%程度でした。
    七%のリターンが今後も期待できると仮定した場合、毎月の積立額一・八万円を三五歳から始めれば、老後の資金二〇〇〇万円強を確保できることになります。

    p46
    目標設定を行うには自身の資産がどのくらいあって、今後どのように増えていくのか(減っていくのか)、「全体像を把握する」ことから始めます。そして「課題や優先事項を明確化」したうえで、自身の目標を設定します。
    全体像を把握するために、「バランスシート」と「キャッシュフロー表」を作ります。

    p62
    年金制度は破綻しませんし、将来受け取れます。自分が払った額以上に受け取れます。

    p66
    そこで自営業等の人には、「強制的」な国民年金以外にも、四つの「年金補強策」があります。
    ①国民年金基金
    国民年金基金は、自営業等の方が加入できます。
    掛け金は全額所得控除されます。月に六万八〇〇〇円まで掛けられます(ただしiDeCoとの合算額が六万八〇〇〇円まで)。
    年金は六五歳から一生涯にわたって受け取ることができますが、受給開始年齢や受給プランは複数用意されています。

    ②個人型確定拠出年金(iDeCo)
    掛け金は上限の六万八〇〇〇円(自営業の人の場合)まで所得控除の対象です。自分てま運用を行いますが、成果によつまては、大きく増えることもあります。拠出額は、国民年金基金との合算で六万八〇〇〇円が上限です。最短で六〇歳から受け取ることができます。
    会社員や主婦(夫)もiDeCoはできますが、自営業の人のほうが掛け金を大きくできるようになっています。国民年金基金と、「増やす」ためのiDeCoを、どう組み合わせるかが、老後資金作りのカギとなります。
    国民年金基金やiDeCo等は、公的年金に上乗せする「私的年金」と言われます。

    ③小規模企業共済
    小規模企業共済は、従業員二〇人(業種によって五人)以下の会社経営者や、個人事業主等が加入できます。掛け金は最大七万円/月で、iDeCoと国民年金基金とは別枠で所得控除が受けられます。両方を合わせると最大一六五万六〇〇〇円が控除対象になります。仮に所得税三〇%、住民税一〇%の人なら、年間約六六万円の節税効果があります。

    ④付加年金
    月四〇〇円を国民年金に上乗せすれば、上乗せをした月数に二〇〇円をかけた金額を、六五歳以降年間で受け取れます。例えば、毎月四〇〇円を二〇年間(二四〇ヵ月)付加保険料として払えば、支払額は九万六〇〇〇円です。すると、六五歳以降、二四〇ヵ月×二〇〇円で四万八〇〇〇円を毎年受け取れます。要は二年で回収できて、その後三年目以降も受け取れるようになるので、かなりお得な制度と言えます。

    p68
    このように、日本で流行している金融取引は、FXや仮想通貨に偏っています。ただ一般的に、レバレッジをかけた取引は「投機」です。当然、資産を減らす人が続出します。

    p69
    私的年金は、拠出額が所得控除の対象だったり、税優遇制度がありますので、資産形成プランを立てるにあたり重要になります。

    p80
    最近は住宅ローンの金利が低いうえに、住宅ローン減税もありますから、「マイナス金利」の人もいます。
    例えば、四〇〇〇万円のローン残高があり、金利〇・六%の人なら、ローン減税の要件み満たしている場合、年間に金利は約二四万円払うことになります。ですが、ローン減税で四〇万円戻って来ますので、お金を借りた側が儲かるマイナス金利の状態です。

    p85
    また、現役世代の人は、「六五歳時点で資産をいくらにしたい」と目標設定することもあります。「この資金は安定的にリターン一%で運用したいが、こちらの資金はリスクをとって長期的に積極的に運用したい」など、複数の目標を設定することも可能です。

    p87
    一般的に、債権より株式のほうが、期待リターンもリスク(価格の振れ幅)も高いと言われています。リスクを抑えたい人は債権を多めに、リスクを許容し、高いリターンを目指したい人は、株式の比率を高めるとよいでしょう。

    p94
    例えば、リーマンショックのときには債権が上昇し、株式が大きく下落しました。そのとき、ポートフォリオ運用ではリバランスを行います。上昇した債権を売却し、下落した株式を購入するのです。
    リーマンショックで株価が低いときにせっせと株式を購入するわけですから、その後の株価回復局面で値上がりを期待できます。機関投資家はこういうことを一定のルールのもとに実行していきます。

    p95
    積立は自動設定しているので、何もしなければ買うことになりますが、リバランスは能動的に売買を行わないといけません。

    自分でリバランスをできる人は良いのですが、そうでない人にとって一番良いのは一任型の運用(ラップ口座等)で、リバランスの実行を任せることです。

    p98
    毎月現金を自分の家(不動産)に変えていっていることになるのです。
    マイホームは不動産ですから価格が変動します。資産価値があるので、損する可能性も得する可能性もあります。メリットもデメリットもある投資です。

    p100
    マンションを購入すると、購入時にかかる諸々の費用、住宅ローンの金利や手数料、固定資産税など税金、管理費や修繕積立金など多岐にわたります。費用がどれくらいかかるかも知る必要があります。
    資産価値(経済面)を考えるときは、やはり立地の影響が大きいです。立地によって、不動産価格は影響します。一般的には、駅近は下がりにくいと言われ、駅から離れた場所や郊外は下がりやすいと言われます。周辺が開発や再開発されると街がガラッと変わりますので資産価値が高まるでしょう。

    p101
    ローンを組むとき、同じ銀行で同じ金額を借りようとしても、人によって金利は異なります。その人の「信用力」によって金利が変わるからです。

    p104
    そもそも一般の人に「お買い得」な物件情報が回ってくるのでしょうか。不動産は、相対取引です。上場株式のように、取引所があってオープンな場で売買されていません。買いたい人と売りたい人との間で価格が成立します。「借金してでも買いたくなるような良い物件」の情報は、表には出ないと考えるほうが自然です。

    p126
    それではどのような投資信託を選ぶのが良いのでしょうか。
    基本は、一〇年以上継続でにることが前提です(一五年以上ならもっと良い)。
    中でもおすすめは、ズバリ、世界の株式に分散投資をする投資信託です。「分散対象が世界」と「株式への分散投資」というところがポイントです。
    まず、「分散対象が世界」であるべき理由とは、特定の地域や国に対象を限定すると、長期的に株価が低迷するリスクがあるからです。日本が良い例です。一九八九年一二月に日経平均株価が終値で三八九一五円という史上最高値を付けた後、バブル崩壊で長期低迷しました。約三〇年後の二〇一九年六月末でもまだ二万円前後です。
    日経平均株価にずっと積立投資をしていると、それでも増えますが、同じ三〇年の間、アメリカのS&P500種指数は途中、暴落も経験しながら二〇一九年七月時点で一〇倍近くになっています。積立投資は、最後はなるべく価格が上昇したほうが良いですから、どこかの地域に偏らず、分散したほうが長期的な株価低迷のリスクを避けられるわけです。
    「株式への分散投資」が良い理由は二点あります。

    ①株式は途中必ず価格が大きく下落するから。
    ②期待リターンが高いので、長期的には価格上昇が期待できるから。

    当然ですが、株式は価格変動が大きく、一直線に上昇はしません。途中何度も価格が大きく下がります。そのたびに量をたくさん買えるのです。そして、世界の株式に分散していれば、世界経済の成長とともに、上場企業の利益の積み増しで株価上昇が期待できます。

    p128
    「一〇年(できれば一五年)以上継続できること」を前提にしたのにも、理由があります。経済はだいたい一〇年でワンサイクル回るからです。
    例えば、日本だと一九九〇年頃にバブルが崩壊し、株価が大きく下落しましたが、のちにITバブルが起こりました。そのITバブルも二〇〇〇年に崩壊、その後再度、株価が上昇したところで二〇〇八年のリーマンショックです。「崩壊で下落、新たなバブルで大きく上昇」のサイクルによって、価格はvの字のように動きます。これが積立投資で一番成果が出る価格の動き方です。
    したがって、一〇年以上できる場合は「世界株に分散投資した投資信託」を選ぶことをおすすめします。

    p130
    基本的に、長期運用が可能なら許容リスクも高まり、期間が短くなるほど許容できるリスクは低くなります。
    自身のリスク許容度(=価格の振れへの許容度)にも合わせて、毎月の積立は世界株の投資信託を継続したとしても、すでに保有している残高分は一括投資のポートフォリオに切り替えることも選択肢になってきます。

    p133
    ①株式と債券は価格の動き方が異なる(相関性が低い)。
    →組み合わせることで分散効果が期待できる。
    ②株式のほうが債券より期待リターンが高く、価格の変動幅(リスク)も大きい。 →積極型は株式比率を高めに、安定型は債券比率を高めに。

    まとめると、世界の株式や債券に分散する。そして、積極型の人は株式比率を高めて、安定型の人は債券比率を高めるというのが分散投資の基本です。

    p135
    投資家が期待できるリターンは二つあります。
    ①キャピタルゲイン:資産価値上昇によって得られるリターン
    ②インカムゲイン:配当や利息などのリターン

    p136
    投資家から見たときに、債券投資に期待するリターンは、満期までの利息(インカムゲイン)です。発行体側(国や企業)から見ても、投資家への義務は、利息の支払いと満期時の額面金額返済です。

    p137
    債券は業績悪化しても倒産しなければ元本(額面金額)が満期時に戻ってきますから、発行体の格付がある程度高ければ、リスクも低いという特徴を持ちます。
    一方、株式の期待リターンはキャピタルゲインとインカムゲインの両方です。投資家の視点に立つと、企業の株式を保有するということは、その企業の株主になるということです。
    上場会社は事業成長と利益成長を投資家(株主)に求められます。企業は利益を事業に再投資し、さらに事業を成長させるか、成長に資金を回さないのであれば株主に配当金を支払います。成長していくと企業価値が高まりますから、株価も上昇します。これをキャピタルゲインと言います。株主が配当を受け取ることがインカムゲインです。

    p147
    相関性が低い資産、相関性が逆の資産を組み合わせると価格変動を抑えられます。

    p151
    将来、現役世代の人口減少や高齢化で、現役世代が納付した年金保険料と国庫負担で支えきれなくなったときのために、過去に集めた保険料(積立金)を運用し、年金の財源となるように計画されています。今後に備えて、手元の資金を運用しているのです。

    GPIFの運用総額は一五九兆円(二〇一九年三月末時点)です。二〇〇一年の運用開始から累積収益は六五兆円を超えています。実質的な運用利回り(名目賃金上昇率を差し引いた後の数字)は年率二・八七%です。

    p156
    「何とかショック」のときは、だいたいドル円の為替ルートは円高になります。リーマンショック時も円高になりました。
    日本から海外に投資をするとき、円高になると為替損が発生します。このときも、先進国株式は価格が下落したうえ、為替でもマイナスが拡大しました。先進国債券は、価格は上昇しましたが、為替が円高になったことで損益はマイナスになりました。つまり、価格が同じ方向に動いて、分散効果が出なかったのです。この現象は、ドルで運用しているアメリカ人にはない日本人特有の課題です。

    p183
    世界の上場企業は個別には赤字の会社もありますが、全体では毎年利益を出し続けています。上場企業の債券でも、個別には倒産する会社もありますが、利息の積み上げのリターンのほうが勝り、長期的には投資家に利益をもたらしています。
    スローマネーの世界は途中で離脱してしまう人があまりに多い一方ら資産形成の一番の近道でもあります。

    p189
    インデックスファンドにはさまざまな優れた点がありますが、最大の魅力は運用に係るコストが安い点です。

    p192
    専門家は、投資初心者にインデックスファンドを奨める傾向がありますが、低コストだからといってリスクが低いわけではまったくありません。

    p196
    現状の産業用ロボットは半導体・自動車産業等に偏っていますが、今後は医療・介護・自動運転等に広がる潜在性を持っています(巨大な潜在市場)。また、AIをさまざまなビジネスシーンで活用したり、あらゆるモノをインターネットでつないでいく動きも一層進むでしょう。車や家電がその典型例と言えます。
    この流れは飛躍的に半導体需要を増加させる可能性があり、そうなればもう一度、半導体・電子部品の設備投資が加速するかもしれません。つまり、五年から一〇年程度の時間軸では、資本財セクターの将来性は明るい、という見方も可能です。

    ファンド選びはマイナス要素もチェックする

    p199
    金利からインフレ率を引いたものを「実質金利」と呼びますが、通常これはプラスになります。この実質金利こそが預金者の手元に残る「実質的な金利」だからです。
    新興国の表面金利は高いことが多いですがらその裏には高いインフレ率が隠れており、実質金利はそれほど高くないケースも珍しくありません。

    p202
    つまり、日本人が表面金利の高い新興国の通貨・債券に投資した場合、高い金利収入を得られる反面、高いインフレ率の分だけ通貨が値下がりする可能性が高く、手元に残る円ベースのリターンは表面的な金利ほど高くならないということです。せっかく手にした金利収入を、為替差損で一部または全部を相殺してしまうからです。

    p204
    ファンドラップは個人投資家に二つのメリットを提供出来るはずです。

    ①金融機関と個人投資家の間で発生する「利益相反」が少ない
    ファンドラップ内で行くは投資信託を売買しても売買手数料は一切発生せず、金融機関側に「手数料稼ぎ」のインセンティブが発生しません。金融機関に支払う手数料は残高に応じた定率で決まるのが一般的であり、金融機関にとっても残高を増やす以外に手数料を増やす方法がありません。投資家の利益と金融機関の利益が一致していると言えるでしょう。
    ②リバランスが実行される

    p205
    ファンドラップに組み入れられている商品に偏りがある場合には、注意が必要です。例えば、取り扱い金融機関の系列運用会社が運用する商品ばかりが入っていれば、本当に厳正・中立の視点で商品選択が行われているのか疑問がわきます。
    また、ファンドラップのコースの一部には債券ばかり投資しているケースがあり、この場合も注意したほうが良いと思います。
    日本の国債利回りはすでにマイナス領域に突入していますが、欧州諸国の発行する国債も似たような状況にあり、為替リスクをヘッジした先進国国債インデックスに投資しても、期待されるリターンは一%を切っているケースがありまさ。期待リターンが一%を切っている資産に手数料二%以上を支払って運用した場合、何が起こるかは一目瞭然です。
    この場合は、債券以外の低リスク資産に上手に分散投資することが不可欠になってきます。組み入れ商品の工夫度合いは金融機関の腕の見せ所です。商品にさまざまな偏りがないか、この点は投資初心者であってもよく見極めることが必要です。
    自分に合った金融機関を通して適切な商品選択ができれば、コンサルティングと運用商品がセットになったファンドラップは付加価値の高い運用方法と言え、試してみる価値があると思います。

    p209
    大手業者の管理物件は総じて空室率が高く(五%前後)、個人オーナーの管理物件の空室率は三割を超えている計算になります。なぜこんなことになっているのでしょうか?
    考えられる理由の一つとして、賃貸物件の多くは収益獲得ではなく、建設そのものが目的化しているからです。日本の相続税の仕組み上、資産家にとって貸家を建設すると相続税の負担が大幅に軽減されます。個人管理物件の多くは相続税対策を目的として建設されたものです。

    貸家ストックの二割が空室にもかかわらず、年間四〇万戸以上が建設されること自体も異常ですが、そのオーナーのほとんどが収益獲得を目的としていないのも異常です。
    このような市場に純粋投資家が乗り込んでも、成功する確率が低いのはある意味当然です。競争条件が悪すぎるからです。

    p213
    一般的な終身保険の運用利回り(予定利率)は、契約時点での長期金利が元になっているからです。

    p220
    日本の金利は過去最低水準にありますが、今貯蓄性保険に加入すると、この過去最低水準で予定利率が固定されます。

    p221
    子どもが産まれたタイミングで「とりあえず学資保険」と加入される人もいますが、増やす目的で加入するのであれば間違いなく不利と言えます。

    p225
    実際、一九九〇年後半以降、ネット証券の台頭により株式の売買手数料はどんどん引き下がっています。また、投信はノーロードという購入時無手数料の商品が増えています。そのため、多くの人は対面取引をやめ、ネット取引へ移行しています。

    p226
    投資家が損をする理由は、「運用に計画性がない」「時間を味方にしていない」「相場観に基づく短期売買を繰り返してしまう」等に集約されます。

    p227
    残高連動型は、顧客の資産を増やせば業者の手数料も増える(逆に顧客の資産が減ってしまうと業者の売上も減ってしまう)ため、顧客とと利益相反が生まれにくい方式とされています。売買と都度の手数料は原則無料のため、金融機関が自らの売上を伸ばそうと思えば、顧客資産を増やすか、顧客満足度を高める以外に方法がありません。
    (中略)そういったアドバイザーを付けることが、資産運用で成功するための近道だと言えるでしょう。

    p236
    何に投資をするかは「手段」であり、「目的」は別にあるはずです。

    日本とアメリカの個人投資家の投資信託を購入したきっかけを比較すると、アメリカでは老後に備えた資産形成を目的として資産運用を始めている人がほとんどです。

    それに対して日本では、「余剰資金はあるけれど、預金に置いておいても金利が付かないし...」といった消極的な理由で投資をスタートする人が多いようです。

    目標が明確であれば、「○○年後までに手元資金▲円を■円に増やしたい。そのためには年率●%で運用すれば良いから、こういう商品を組み合わせよう」と、資産ポートフォリオ(組み合わせ)を逆算できます。
    大抵の場合はこのように試算していくと、実はそれほど価格変動リスクを取る必要がないことがわかるため、例えばロボティクスファンドのような高リスク商品に手を出さずに済みます。
    目標がない場合には、「ロボティクスが良いと聞いたから」「インドが成長すると聞いたから」といった理由で投資対象を決めてしまいます。

    p238
    自分が購入を検討している金融商品の特性を十分に理解せずに購入すると、事前に想像していた以上の価格下落に遭遇することになります。当社で多くの人が設定している資産運用の目標値は年率二〜五%程度です。

    繰り返しになりますが、目標リターンに応じて選択すべき金融商品は大きく変わってくるのです。

    p239
    「テーマ型投資信託」は株式市場において、そのテーマが注目された株価がピークをつけようとしている時に商品化される場合が多い。
    株式上昇局面で楽観ムードが広がり、テレビのニュースでも話題のテーマが投資信託名に反映されているので、投資家心理も「買いたく」なる。

    ですから私は、「新商品・人気商品と聞いたら危険だと思ってください、テーマ型の新商品や人気商品は金融機関が『たくさん売れる』と思って作った商品ですよ」とお伝えしています。

    p244
    一方、長期の運用計画を練る場合、例えば「二〇年後に三〇〇〇万円を確保したい」という目標があったとします。年率リターン五%の金融商品なら一一五〇万円を投資すれば目標を達成しますが、年率リターン二%の金融商品なら二〇〇〇万円を投資する必要があります。
    このように、個人のリスク許容度によって選択すべき金融商品も変わってきますし、運用すべき金額も変わってくるのです。

    p274
    私たちは、「価格変動と上手に付き合うのが資産運用。あなたが耐えられる適切な価格変動リスクの範囲内で、目線を長期に置きながらまずは始めてみませんか?」とアドバイスしています。

    p292
    しかし、iDeCoのように拠出期間(六〇歳まで)が決まっている積立投資の場合には、あと何年積立投資が可能なのかどうかによって、選定すべき金融商品が変わってくる場合があります。

    p293
    では、一〇年未満の積立投資ではどのような銘柄を選べばよいのでしょうか?
    一番の候補は、株式・債権に幅広く分散投資を行うバランス型投信や、市場リスクをある程度排除できる株式ロング・ショート型の投信等が有力候補になります。いずれの商品も株式インデックスファンド等との比較では振れ幅が小さくなっています。商品選択のポイントは、金融商品の振れ幅を小さくすることにあります。
    バランス型投信などは、一定比率で債権が組み入れられるため、株式インデックスファンドとの比較では振れ幅(リスク値)は控え目になります。株式ロング・ショートファンドは現物株式を保有する一方、同額の株式先物を売り建てしているため、理論的には株式市場そのものの影響を中立化することが可能です。

  • ファイナンシャルスタンダード社の設立者が執筆。具体的な数字が満載でとてもわかりやすく、若いうちから資産形成を行う必要性を認識できた。

  • 今まで読んできた著書や講義の復習となるくらい分かりやすい内容。またファイナンシャルアドバイザーとして様々なQ&Aに応える内容が、より自身の不安の解消に繋がっている。投機になりがち。ズボらでほったらかす事が大切。

  • 資産運用の基本をまとめた本。
    最初に投機、投資、資産運用の定義を明確にした上で、どう言う考えで資産運用すべきかを丁寧に説明している。

    自分も資産運用をしているが、どうしても直近の値動きに一喜一憂してしまい、動き回って失敗しているので、この本の考え方は非常に理解できる。考え方は理解しているが如何にして気にせずに放置するか、ここが自分の一番の課題だと思う。
    幸い妻がこの考えを貫き通している実践者なので、色々と指南してもらうと思います。

  • 資産運用における価値変動は、予測したり、回避したりするものではなく、上手に付き合っていくものです
    相場や景気の波は事前に読むものではなく、上手に付き合っていくべきものなのです
    投資はあくまでプロの世界です。素人がプロに勝つのは容易ではありません

  • 至極まっとうなことが書かれており、初心者〜経験者で迷いが出たりしたときの読み直し(方針の再確認等)に適する。
    ただし、著者がアドバイザー業務の方だからか、”アドバイザー推し”が頻出するため、★一つマイナス。

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著者プロフィール

ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役。
大手証券会社を経て、金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を2012年に設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして活躍中。2015年、楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。東京・横浜を中心とする全国各地で、セミナー講師をつとめる。中でも「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数250回超、延べ8,000人以上が参加する人気セミナー。朝日新聞、日本経済新聞など大手全国紙のほか、経済誌、テレビなど各種メディアに頻繁に登場し、注目を集める。
著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)、『金融機関が教えてくれない 本当に買うべき投資信託』(幻冬舎)がある。

「2019年 『資産運用のはじめかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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