ぜんぶ本の話

  • 毎日新聞出版
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本棚登録 : 386
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620326344

作品紹介・あらすじ

ケストナー、ル・グィン、ヴォネガット、福永武彦… … 世界は素敵な本で溢れてる!
小説家の父と声優の娘が読む喜びを伝える対談集。

感想・レビュー・書評

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  • お父様が最高の本読み仲間であるという池澤春菜さん。
    羨ましいです。
    私の父も本が大変好きでしたが、もうこの世にいないので、話ができません。(50代で早逝しました)
    私事で恐縮ですが、高校のときビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』をどちらが早く全巻読めるか、競争したことを思い出しました。父は完読したけれど、私は遂に完読できずじまいでした。

    そして、皆さんご存知かと思いますが、春奈さんのおじい様は福永武彦さんです。
    でも、春奈さんは、読むこと、書くことは血でなくて、環境だとおっしゃっています。
    私は目下、SFが読んでみたいけど、何を読んだらわからないジャンルなので、春奈さんの「SFはパパの書庫があった」というのも羨ましいと思いました。

    この本で一番読みごたえがあったと思うのは、児童文学の章です。
    『星の王子様』の基本にある世界観は農業というのは初めて知ったし、『ムーミン』のアニメは楽しいけれど原作はかなり鬱々とした暗い話だというのも知りませんでした。
    少年小説はイギリスだという結論も興味深かったです。

    SFの章では、日本はSF・ファンタジーに関して、翻訳大国であるということ。
    これはやっぱり読まないと損なジャンルかもしれないと思い、挙げられた書名をメモしましたが、お薦めの、『サンリオSF文庫総解説』を買うのもいいかも(私には少し高度な気もしますが)しれません。

    春奈さんの書評やエッセイは拝読したことがありますが、脚本家でもあられたことは、マルチな方だと驚きました。小説を書きたいとも思っていらっしゃるそうです。

    そして、私は池澤夏樹さんの評論は拝読したことがあるのですが、小説は『スティル・ライフ』を積読していますが、なんとまだ1冊も読んでいないことに気づきました。
    春奈さんお薦めの『マシアス・ギリの失脚』と小説ではないけれど、『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』は前から読みたかったのですが、読んでいないので是非、読まないとと思いました。

    • nejidonさん
      まことさん、こんにちは(^^♪
      この本、なかなかの人気みたいですね。
      池澤さんはさほどファンではないのですが、レビュー中の「児童文学」か...
      まことさん、こんにちは(^^♪
      この本、なかなかの人気みたいですね。
      池澤さんはさほどファンではないのですが、レビュー中の「児童文学」からの流れにとても同意しています。
      「星の王子様」も「ムーミン」もまさにその通り。
      日本人が可愛いキャラとして定着させただけで、ムーミンは結構辛辣で意地悪なお話が多いです。スナフキンなんて嫌な奴ですよ・笑
      児童文学のみでなく、昔話・民話の世界でもイギリスはその宝庫ですし。
      (本来はイギリスという括りでは大雑把すぎてよろしくないのですが)
      出来れば移住して生涯読み続けたいと思ったほどですよ。
      豊かな話が生まれる土壌というものを研究できたら面白いでしょうね。
      それらを紹介しているというだけで、この本は良い本だなと思った私も変ですね。
      楽しいレビューでした!
      2020/07/27
    • まことさん
      nejidonさん♪こんにちは。

      コメントありがとうございます(*^^*)
      この本は、私もブクログランキングに載る前から読みたくて、...
      nejidonさん♪こんにちは。

      コメントありがとうございます(*^^*)
      この本は、私もブクログランキングに載る前から読みたくて、図書館に予約1番目で、やっと昨日届いて、取りにいった本です。
      レビューをお褒めいただきありがとうございます。

      確かに、この本の児童文学の章は読みごたえがありました。(本来、春奈さんといえばSFというイメージでしたが)
      ムーミンのスナフキンって人気のキャラクターですよね。
      この本の児童文学の章を読んだあと、私も「児童文学も、こういう風に、研究された話を支えに読んだら面白そうだなあ」と凄く思いました。(何も支えがないと私の場合、ただの子ども向けの話としかわからないと思うので)
      また、何か、面白くて読みやすい、児童文学の研究書なども、御存知でしたら、nejidonさんにも取り上げていただきたいです。
      2020/07/27
  • とてもディープな読書対談でした。かっちりと手応えのあるものをたくさん読んできたお二人の姿がくっきりと見えてきます。親子ですけれど、すごく対等な、ちょっとドライな仲の良さも、嫌味がなくて好感が持てます。一箇所だけ、他の方に対して「あれ?ちょっと上から目線??」と、どきっとした箇所があり、読んだ私の感じ方が過敏だったかなと思うので、もう一度時間を置いて読み直すつもりです。こちらがある程度の読書量がないと楽しめない本なので、知らないことが出てきても、ふむふむと気軽に読んで、こちらの読書量を底上げしましょう。

  • 眼の毒(読)だ~

    ぜんぶ本の話 | 毎日新聞出版
    http://mainichibooks.com/books/essay/post-726.html

  • 父親と娘が、こんなふうに共に読んだ本のことを話し合うなんて、素敵だなぁ、と思う。しかも、こんなにも心ゆくまで・・・。
    春菜さんが子供の頃、本にのめり込んでも、お父さんは見守っていた。「本を読むことは自閉ではない、自開なんだよ。だから心配ない」という池澤さんが素敵。

    SFやミステリはあまり読まないのでさらっと読み、児童文学のこと、池澤さんの家族のことについてをしっかり読んだ。春菜さんが忘れられない、大好き、という物語でも、父はそうとは限らない。「出会うのに遅すぎたのかも」という。児童文学には、ふさわしい出会いの時期があるのだ。
    夏樹さんは、父のいるうちは小説を書こうとしなかったこと。母は本を読む人の邪魔をしてはいけないという人だったから、母親が本を読み始めたら今日は夕食のおかずに僕がコロッケを買いに行くんだな、と思ったこと。春菜さんが父の言葉に耳を傾けて真剣に聞いている様子が伝わってくる。
    藤沢周平さんの娘さんのエッセイも、お父さんについての素晴らしい本だったけど、これもまた父と娘の本として心に残った。

  • 本をたくさん読む人たちは、もちろんどんな才能があっても、本が好きという立場ではわたしたちと同じところに立ってくれる。読書というのは贅沢な趣味だな!!池澤夏樹さんの読書エッセイも絶対好きだと思うから読みたいし、こういう人たちのセレクトショップには信頼が置けるので、河出の全集も少しずつ揃えられたらなと思いました。

  • 作家であり翻訳家の池澤夏樹氏と長女・春菜さんの読書遍歴をとおして、現在に至る家族模様が語られています。 「何か面白い本読んだ?」「これ良かったよ!」と薦め合う父娘が語り合った『ぜんぶ本の話』は、読書に目覚めたころの<児童文学>から<少年少女小説><SF小説><ミステリ>と面白本の旨味が満載された、本好きが虜になる一冊です。 小説執筆を躊躇う春奈さんに父は〝逆境の時やコンデションが悪い時の方が良いものが生まれるってことはあるよ。集中力が増すのかも知れない。でもきっと大丈夫、何とかなるよ〟と励ましています。

  • 作家・池澤夏樹と声優・池澤春菜親子が本について語りつくす対談集。
    面白かった。
    お二人の造詣の深さに驚きつつ、一気に読んだ。
    そして読みたい本が増える。
    まだまだ知らない本がいっぱいある。
    それが楽しい。

  •  池澤春奈・池澤夏樹親子が本について語り倒す。

     児童文学から始まり少年処女文学、SF、ミステリーとどんどんどんどん本が出てくる。日本より外国のものの方が多いか。
     ああ、池澤春奈さんは恵まれた環境にいたんだなぁと思って読み進めていたが、終盤にそれぞれが書くということに向き合った時のエピソードがとても興味深かった。池澤夏樹さんは父、福永武彦さんとの関係の話を、池澤春奈さんはつらかった留学時にひたすら書いていたという話を話していて、書くとか表現するということは自分と向き合うことなんだなぁとしみじみ感じた。

     共通のライフワークがあるだけでなく、こんな濃密な会話ができるなんて本当に羨ましい親子だと思う。

  • 『フィクションを書くには、心理的にある一線を飛び越えなきゃいけないんだ。世の中には「嘘をついてはいけない」という倫理があるけど、フィクションってそもそも嘘だからね。(中略)言ってみれば万引きと同じ……というと語弊があるけど(笑)。最初は勇気が要る。でも、だんだん上手になるにつれて、大きなものが盗めるようになる。その一線は越えなきゃいけない。中途半端に事実に近いところだけ書いていても、結局半端なものにしかならない。』

    これは小説を書こうか悩んでいるという春菜にした夏樹のアドバイス。だから、僕は池澤夏樹の本が好きなんだと思う。
    じめじめとして、他人と自分に、つまり、人間に興味津々な日本の作風からちょっとだけ離れて、ちょっと離れたところから俯瞰するような作風がやっぱりこの今の日本の感じに合う。

    この本は池澤夏樹とその娘の池澤春菜の本に関する対談本で、彼の血族、福永武彦→池澤夏樹→池澤春菜の、その特異な文学者の血脈の物語でもあるようにも見えた。彼らは血について、そんなに影響はない、って言っているんだけど、やっぱり何処かにあるように自分からは見えてしまう。

    元々、アフター6ジャンクションでの池澤夏樹と池澤春菜の対談が面白かったので、これも読んでみようと手にとってみた。本について語り合ったりする様子は、どことなくパパに懐いている感じで、その懐き方は、娘でありながらも友人で、そして、それ以上の親友のような親密さもあって、それでライバルのような感じがあって、羨ましい。とても幸福な親子関係だと思う。

    でも、その代わりと言ってはなんだが、池澤春菜の母親については、あまり語られていなかったように見えたけれども、それは何か意図がありそうな感じもある。まだ、何か池澤家に隠された何かが……

  • 好きなものを同じ熱量で話せる人がいるということはとても幸せ。

    読みたい本リストが増えました。

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2021年 『特別授業3.11 君たちはどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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