菅義偉とメディア

  • 毎日新聞出版 (2020年12月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784620326610

作品紹介・あらすじ

番記者が描く菅新首相の真実。
「鉄壁」「強権の発揮」「巧みな人心掌握術」など数々の評判の真相、対する政治部やメディアの裏側まで。

感想・レビュー・書評

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  • 菅総理の人となりを理解する上で大変参考になりました。官房長官がベストポジションという言葉が印象的。

  • ☆筆者1980年生まれ・毎日新聞記者 大卒就職後15、16年目?の中間層 筆者による批判本・総まとめとして資質云々…がワザワザ出版することかな…?

    P5首相としての資質を問い直したい。伝える力の欠如が致命的

    2020年9月首相就任

    何がしたいのか?の問いに→戦後外交の総決算(安倍のキャッチフレーズ) 戦後外交の総括と言い間違え(自分の言葉でない証)
    P20一向に菅カラーが見えてこない・秋田生まれのたたき上げストーリー☆コロナの状況で関係ない独自色を出すのはおかしい・何を言っても批判するつもりの筆者!

    こそあどが多い会見

    P33本来オフレコだった情報を一部引用・オフレコ破りしてでも公にする意義あると考えたから☆サクラ

    ザ・キャピトルホテル東急 食事、散髪、ジム 朝5時起床、赤坂議員宿舎、日枝神社、米国大使館前散歩
    若いころの自分に似た跳ねっ帰りで永田町に染まっていないタイプが好き

    既存の法律の枠内で仕事しようとする官僚・政治判断で法律を変えてでも政策を実行しようとする政治家

    記者の前では官僚は○○秘書官と呼称
    ミスしても相手のメンツを潰す所作は取らなかった

    初めて会ったとき、菅の自室 もっと室内を観察しておくべきだったと悔やんだ。部屋にはその政治家を象徴するモノあり
    記者心理をくすぐるのもうまい→自分だけ特別扱いしてくれたと思う記者あり

    総理番 若手3、4人のローテ エントランスで自由に動けるだけ
    マスコミの社会部…権力の腐敗を追及 政治部…権力に食い込みながら政局、権力闘争を取材

    官邸に拠点を置く内閣記者会(官邸記者クラブ)16社 横並び意識あり 将来政治部の中枢に行くであろうエース級で厳しい質問をしない人はいた

    官房長官会見 平日1日2回

    2019年9月11日内閣改造 河井克行(徴用工問題・日本人の安全のためというより、会議で外務省幹部をつるし上げることに主眼を置いている雰囲気)
    菅原一秀(パワハラ体質は永田町で有名な話)

    第4章桜を見る会 P95からP133
    安倍の不意打ち会見 内閣記者会の要請に基づき、官邸のエントランスでぶら下がり取材 野党が安倍事務所に公開質問状→記者は準備不足 「正式な会見をしてください」「改めて会見するというのであれば、今質問してください」 説明は尽くしたという既成事実を与えてしまった。
    エントランスには若い総理番記者しかいないと分かっていた
    求めていた取材機会を与えられながら、不意打ちだと文句を言うのは負け犬の遠吠えに過ぎない。

    バックアップデータ、名簿廃棄の質問→事務方にお助けメモを頼む場面 「時間をかけてでも正確に答弁した方が良いと判断した」

    第5章アウトサイダー P136からP164 東京新聞望月衣塑子(会見の場を利用して権力と戦う姿をアピールしているだけ)
    安倍政権に批判的…朝日、毎日 親和的…産経、読売、日経
    小泉首相時代のぶら下がり取材 菅直人首相が中止→その後中止のまま
    2020年2月27日コロナ対策本部会議 安倍首相・全ての学校の臨時休校要請→10分後エントランスホールで記者からは「秋葉補佐官が政治資金パーティーしてましたが!」 臨時休校・突発的なニュースに対して自分で考えて動く力を失っている。
    パンケーキ懇 番記者のみオフレコで取材に応じる

    首相就任後、韓国首相と電話会談
    P187気になったのは、メモ用紙なしではこんな短い発表すらできない、そしてオーソドックスな質問にすらまともに答えられない菅の姿だった

    経産省グループの秘書官 今井…一億総活躍の独特のキャッチフレーズ
    菅総理が総務大臣時代にふるさと納税

  • 毎日新聞記者。外信部、カイロ支局長から政治部へ。2019年9月から約1年菅官房長官の番記者。
    菅の分かりにくい説明を記事にする際に記者が分かりやすく修正していたことで菅の「説明能力不足」を露呈しないことに加担していたこと。赤坂の議員宿舎への帰宅時のぶら下がりなどのオフの取材は「政府高官によれば」と記事にされること。ルーティンを好みストイックで丁寧な性格。各社の番記者に分け隔てなく対応する巧みな「人たらし」術。「横並び」重視の番記者文化。チームで取材したものをデスクがまとめて記事にするという政治部の仕組によって自己完結しない他人任せになる面があること。桜問題の追及で右から、東京新聞望月記者の事実誤認ツイートの追及で左から叩かれたこと。
    菅官房長官が総理になったことで、今までオフレコだったことも書く必要があって書いたというだけあって、興味深い話題が満載だった。
    毎日新聞が多様な意見を発信することを許される社であることが意外だったが、最近毎日の記事が面白いと思えることが多いのはこれだからかと分かった。

  •  半分は、番記者だった著者による菅官房長官評。「令和」で上昇した2019年前半と、菅原・河井大臣辞任や「桜」対応などで「失権」した後半。2020年に入っても「菅外し」がある一方で、5月の検察庁法改正案見送りからの「復権」。安倍・経産省グループと菅ら実務派グループのパワーゲーム。このあたりは、政治部があまり好きでないような著者だが、いかにも政治部的な内容だ。菅個人に対しては、「権力は快感」との語と、首相の座を目前にした時の高揚感を伝える。著者は巧みな「人たらし」と見る一方で、本書で繰り返される「伝える力」の欠如が、首相の器の最大の不安要素と見ているようだ。
     もう半分は、政治部が初めてだった著者の政治部での所感だ。内輪の番記者文化、チーム取材のあり方と記者の判断力の低下、時代遅れとも言える取材スタイル、取材メモの広めの共有と情報管理の甘さ。ただ、「抜き合い」は政治部に限ったことではなく、それに煩わされなかった著者の前配置(日本からの関心が薄い地域の特派員)がむしろ例外的なのではと思うが。「桜」の質疑で「右」から叩かれ、他社の著名記者の事実誤認を記事化したことで「左」から叩かれ、というのはネット世論の適当さ兼恐ろしさだ。
     また著者が、自社の毎日新聞を「社論なき新聞」、自由闊達さこそ「毎日新聞らしさ」と書いているのが興味深かった。

  • 東2法経図・6F開架:312.1A/A38s//K

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