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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784620327594
感想・レビュー・書評
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ちょうど森鷗外記念館で数回の鴎外講座を聴講することになり、改めて鴎外についての知識を得たいと思い読む。
鴎外の特徴は幅広い分野での活躍、そして、様々な分野から選ばれた人々の鴎外論を読むのも興味深いし、鴎外の作品を読むにあたっても参考になることが多々あり。
「鶏」について
「鶏」の中で描かれるのは、自分の米、卵などを知らずのうちに盗む人たち。
これは小倉という新たな地での反目を描いたものとして捉えることもできるかもしれないが、ちょうど日露戦争より戻った直後に書いたものであり、日本軍が中国で行った略奪を批判的に描いたものではないだろう。
ちょうど、予備役に入った軍人も登場するが、彼の発言を考えても、そのような意図が推測される。
自らも中国にいて、略奪について何もできなかったこと、その気持ちを反映させているのではないか。
以下引用~
・田村怡与造の熱心さは、ながらく閑職への左遷とされてきた小倉第十二師団軍医部長への鴎外の転出も、実は「戦争論」翻訳の時間を与えるために田村が動いたのではないかとする説が出され、論争になっているほどだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鷗外の入門書としてかなりいいんじゃないかな。41人の推薦文と座談2本。
・平野啓一郎 「舞姫」には諦念が滲む
・多和田葉子 「カズイスチカ」のユーモア「ヰタ・セクスアリス」性を文化人類学的に越境する
「エッセーを書く鷗外は鷗のように軽々と海を越えるが、小説を書く鷗外は重い歴史を背負って岸に留まり、薄明の未来をじっと見極めている」
・瀬戸内寂聴 『雁』気韻の高い文章、さりげなく品のいい文章。鷗外の墓と太宰の墓が近所にありよく墓参りしていた。それを三島由紀夫に知らせると「太宰の墓にお尻を向け、鷗外先生のお墓に、毎朝お花とお水を、ぼくの分までふくめてささげて下さい」
・伊藤比呂美 意志の強いヒロインたち。女作家を励ます「女詩人に告ぐ」。「あなたは女なんだからこれこれのことを書いてはいけないと言ったら、女作家は自分らしく書くことなどできないだろう」
・町田康 惑乱を離れたところから見ている小倉三部作。アジャピー。
・中沢けい 無愛想な「普請中」「追儺」「大発見」
・高橋源一郎 「あそび」の本音
・鶴見太郎 柳田國男に影響を与えた鷗外。「かのやうに」リルケ『家常茶飯』翻訳。
・門井慶喜 国民的ヒステリーに抗う「興津弥五右衛門の遺書」「阿部一族」
・田原総一朗 闘う家長としての「大塩平八郎」「栗山大膳」
・林望 『渋江抽斎』文体の到達点
・山崎一頴 江戸時代の〈新しい女〉を発見する史伝。『渋江抽斎』放蕩児の帰還。『伊澤蘭軒』のドラマ。
・野崎歓
仏文科で教わった山田爵先生。小倉時代のフランス語学習。『青年』に見るカミーユ・ルモニエ『恋する男』の影響。
・川本三郎 散歩から生まれた『雁』
・中島京子 鷗外は登場人物にやさしい。「ぢいさんばあさん」意志的に生きた女性るん。
・遠田潤子 「阿部一族」原作と映像化作品の違い
・池澤夏樹 両雄並び立つ漱石と鷗外
・松永美穂 『ファウスト』翻訳のスピードと輝き
・森まゆみ 『即興詩人』安野光雅との思い出
・大木毅 孤立したクラウゼヴィッツ『戦争論』翻訳
・北村薫 太宰春夫芥川を魅了した翻訳短編
・コリーヌ・アトラン 西洋は鷗外を再発見すべきだ
・高橋睦郎 近代詩の父。訳詩『於母影』自作詩「釦」俳句「行春をただべたべたと印を押す」
・坂井修一 『我百首』『奈良五十首』知識人の詩的随想
・今野寿美 『うた日記』の多彩さと晶子評価
・川西由里 「天寵」「観潮楼閑話」美術振興
・神山彰 観劇の遊び心。剽軽だった弟の三木竹二。その夫人森久子。
・片山杜秀 坪内逍遥とのオペラ論争。グルック「オルフェオとエウリディーチェ」翻訳。
・持田叙子&門井慶喜&森まゆみ 鷗外を知る三冊『父の帽子』『或る「小倉日記」伝』『口語訳 即興詩人』(それにしても毎日新聞書評欄の鼎談の書き言葉表記は不自然で読みにくい)
・成田龍一
戦争犯罪を記した『うた日記』「鼠坂」
・夏川草介 「高瀬舟」医業との両立
・海堂尊 北里柴三郎との対立
・平松洋子 衛生を啓蒙する雑誌「衛生新誌」
・黒川創 都合の悪いことは証拠を残さない鷗外の不可解な二面性と悪の気配
・澤田瞳子 帝室博物館館長としての仕事
・猪瀬直樹 苦心した「元号考」
・永井愛 大逆事件を批判した「沈黙の塔」「食堂」
・今野勉 遺品MRモノグラム原版の謎
・持田叙子 「半日」『灰燼』の結婚脱出願望
・浅井まかて 子供を溺愛した鷗外と父を書いた子供たち
・嵐山光三郎 鷗外の食べものの好み
・森美奈子 曾孫から見た鷗外。鷗外像除幕式の思い出。
・伊藤比呂美&永井愛 鷗外の文体の魅力
・須藤唯哉 楽屋裏 -
鷗外作品が読んでみたくなる。
睡眠時間2時間って本当かな? -
東2法経図・6F開架:910.268A/Mo45m//K
毎日新聞学芸部の作品
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