帰郷 (毎日メモリアル図書館)

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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620510323

感想・レビュー・書評

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  • 2020.10.30
    流石に文学作品だなあと思う。まるで描写が違う。桁違いに重厚である。初めての著者。名前は幾度となく聞いていたけど手に取るのは初めて。戦時中のことは読むほどに奥の深さが増してくる。

  • 海軍で横領をはたらき日本にいられなくなった主人公守屋が敗戦で日本に帰り,昔別れたままの自分の娘に再会するというのがメインストーリー.
    昭和23年出版され,昭和25年には芸術院賞を受けたらしい.
    私が読んだのは昭和34年発行の講談社「現代長編小説全集」第18巻.この本の著者紹介によれば,「戦後に心にきざした或る怒りから生まれた.」と著者はこの作品について語っているそうだ.
    この本が書かれてずいぶん経って,この本を読んでも,その怒りがどこに向いているか,よくわからなくなっているのではないか.古い本にしては会話が多いせいもあってずいぶん読みやすいし,登場人物もそれなりに個性があるにもかかわらず,私の心に訴えるものはとても少なかった.

  • 作品中に出て来る鎌倉円覚寺周辺の描写を読みながら、また、数年前に行った京都南禅寺付近の思い出などを思い出しながら、ふと鎌倉寿福寺にある大佛次郎の墓の面影が頭に浮かんだ。
     そんな近しい感情も作品の味わいに影響してくるようだ。

  • -どうして昔の日本人が、寝ていても起きていても、こうして不断の伴奏のようにして水を聞くのを好んだのか-

    日本庭園についての本を探していたとき、とある文学者の方にすすめられた一冊。なんとなく「純文学なんだろうな」と思ってページを開くと、和服姿の際立って美しい女性が登場し、まずパパラッチ的に興味のわいた。けれども、引用した庭の「水」に対する考察のくだりはじめ、女性の「着物姿」ほか、描写の細部から、作者がいかに知的で、教養豊かな人物かを窺い知ることができ、独特な読ごたえがあった。あとがきを読むと、日本で初めて、大衆文学を純文学の域に高めた人、だそう。それはナットク!通俗的な物語の中から日本の美について思いを馳せることができるスゴイ小説。

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