いかにして問題をとくか

  • 丸善
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621045930

作品紹介・あらすじ

未知の問題に出会った場合どのように考えたらよいか。問題を解くすじみちを、数学者として著名なポリア教授が、やさしい数学を例にとって興味深く説明。新しい創造力に富んだ発想法、考え方を本書はあざやかに示す。


問題をとくためのチャート (抜粋)

・問題を理解する 未知のものは何か、与えられているデータは何か、条件の各部を分離し書きあらわせ。

・計画をたてる 与えられた問題が解けなかったら、既に解いたことのある易しくて似た問題を思い出せ。条件の一部を残し他を捨てれば未知のものが見えてくる。

・計画を実行する 解答の計画を実行するときに、各段階を検討せよ。その段階が正しいことをはっきりとみとめられるか。

・ふり返ってみる 得られた答えを検討する。結果をちがった仕方で導くことができるか。他の問題にその結果や方法を応用することが出来るか。

感想・レビュー・書評

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    『いかにして問題をとくか』|丸善出版
    https://www.maruzen-publishing.co.jp/contents/howtosolveit/index.html

    いかにして問題をとくか
    https://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/ikanishite/

  • 数学の問題を解くためには考え方の順序テクニックが必要だ
    順を追って解説しているためにわかりやすいと思われる

  • 数学の問題を解くときの方法や心構えが書かれている。有益な情報が書かれており、本を通してなるほどという箇所が多く、とても参考になる。とりわけ大学受験の数学に取り組む時に効果がありそう。

    下記引用、数字はページ数。

    14・問題が解けなかったら、まずそれと似通った問題を解け
    ・与えられたものは皆使ったか、条件は全部考慮したか

    40とにかくこのようにして解答を見渡し、これを精しく検討する習慣を身につけるならば知識がよく整理されてすぐ役に立つようになり、問題を解く能力が上達するであろう。

    44・もしも最初からあまり細部に気をとられすぎると目標を失ってしまうことになろう。それは重点を見失わせる原因になる。木を見て森を見ず。
    ・もっと大切なことの為に努力を惜しむべき
    問題は何がいちばん本質的なものか知ること

    45未知のもの、与えられるもの、条件、はそれぞれ何か。

    53二つの証明一つにまさる。

    97われわれの思考は必ずある目的に向けられている。われわれは手段をまとめ、問題を解こうとするのである。

    98 1.問題の理解、目標を見失わない、解こうという強い意志
    2.計画をたて、適当な方法をみつければ、半ばとけたようなもの。勤勉は成功の母、目的がはっきりしていれば迷うことはまれ。
    3.愚かものが最後にすることを賢いものは最初にする。
    4.証明は1つよりも2つあったほうがよい。

    106真面目な科学の問題をとくためには、長年にわたる苦闘とにがい失敗とを切り抜けなければならない。

    107・君は希望がなくてもそれを実行し、成功しなくても我慢しなければならない。
    ・与えられた問題がとけなかったならば、何かそれに似た問題をとこうとつとめるべきである。
    ・問題をとこうとする意思がないばかりか、問題を理解しようともしないから、結局問題を少しも理解していないのである。

    120・難しいことを、図形をみたり代表の記号をいじったたけで言葉を少しもつかわなくても考えることができることを知っている。図形と記号とは数学的なものの考え方に深くむすびついていて、それが心の働きを助けるのである。
    ・とにかく数学の記号を使うことは言葉を使うのとよくにている。数学の記号は言葉のようなもの、即ちぴったりしたことば、簡明で、明確で、しかもふつうの文法のように例外などがない規則にしたがって表現である。

    133数学においても物理的科学におけるようにわれわれは観察と帰納をつかって一般的な法則を発見する。しかしただちがうのは物理的科学では観察と帰納以上の権威をもつものはないが、数学では厳密な証明という権威があるということである。

    138教育の規則
    教育の規則の第1は何を教えるかということである。教育の規則の第2は教えようとすることよりほんの少しよけいに知っているということである。

    138ライプニッツ
    私の考えでは発見それ自身よりも、どうしてそれが発明されたかを考えることの方が面白い。

    140未来の数学者も模倣と実行とによって学ぶことに変わりない。よい模倣の手本を見出すべきである。何よりも大事なことは普通の教科書をよむばかりでなく、自分が本当に模倣しようと思う著者をさがすためによい本をよむことである。

    147問題がとけなかったら
    問題がとけなかったらそのことを考え余り気にかけないで、もう少しやさしい問題をとくことで満足しなければならない。即ちまずこれと関連した問題をとこうとするのである。そうすれば又もとの問題をとこうという元気がでてくるに違いない。

    148問題を変形させること

    154われわれが非常な熱意をもってそれをとこうとし、異常な緊張をもってとりくもうとする問題だけがこのような成功をおさめるのであって、意識的な努力と緊張とは無意識の仕事にはかくべからざるもののようである。

    155・ゆったりした態度で、適当な判断の下に、よく適した場合に規則を適用し、行動の目的や事態の機会を見失うことがないのがほんとうの大家である。
    ・適切な使い方をよく学び、試行錯誤によって、経験をもととして学ばなければならない。
    ・生兵法をふりまわしたくなりそうで、何かたよりになる規制がほしかったら、いつもまず自分の頭で考えよ。

    158ばらばらの事実に比べて関連しあった事実の方が面白く記憶しやすい。

    199すべてのデータをつかったか。

    200すぐれた解答者はまずできるだけはっきりと問題を理解することにつとめなければならない。しかしそれだけでは十分ではなく問題に集中し、その解を熱心に求めなければならない。もしも問題をとく熱意がなかったらそれに手をつけぬ方がよい。ほんとうに成功するためには全身を問題にうちこまなければならないのである。

    225問題を熱心にとこうとつとめた読者にこそ、ヒントや解答がほんとうに役にたつものである。

  • スタンフォード大学の数学者による、問題解くためのアプローチをまとめたもの。原題は "How to solve it" で、インスパイアされたタイトルの本がいくつか出ている。

    書かれている内容自体は大学生以上であれば目新しくはないが、巻末の問題集を解きながら実際に手法を適用しようとすることにより、自分の中でそれらを体系立てるよい試みになるのではないだろうか。

  • 問題の解き方、あまり意識してやってなかったことが言語化されてた感があった。便利かもしれない。

  • 数学に限らず問題解決全般の方法を示した本。

    書かれたのは60年前という古典だが、
    人生の大半は問題解決で出来ているのは、
    いつの時代も変わらず、この本の考え方は、
    時代を超えた不変の法則と言えるのではないか。

    私のような闇雲に行動して失敗する人は必読。
    最初のページに要点がまとめてあるので、
    ノートの最初のページに貼り付けて、
    常に意識して行動することにしよう。

  • ■書名

    書名:いかにして問題をとくか
    著者:G. ポリア

    ■概要

    1975年発行の数学的思考の本。

    ■感想

    1975年(昭和29年)の発行された一冊。
    分野に関わらず問題解決の参考書として紹介されている有名な本です。

    内容としては、数学問題解決に特化していますが、色々な分野で応
    用できる内容が盛りだくさんです。

    が、しかし・・・・

    いかんせん、翻訳(日本語)が読みにくいです。

    何で、こんな読みにくい構造にするんだろう?と思うぐらい読みに
    くいです。
    「これぐらいで文句言うなら読まなければいい」と言われればそれ
    までですが、時代が経過するとともに、もう少し、読みやすい編集、
    分かりやすい日本語にしてもいいと思います。
    この読みにくさである意味、読者を振るいにかけているのかもしれ
    ませんが、読みにくいのを読んだものが素晴らしいという意味の無い
    価値観に踊らされている気がしてなりません。

    一度読んだだけでは理解できない部分も多々ありますが、問題解決
    の本として、楽しく読めました。

    ただし、これは何度も読まないと理解できない本です。
    今の時代、たくさんの問題解決本が出版されていますので、わざわざ
    読みにくいのを読む必要はないと思います。

    こういう本は、他人がどういおうが、自分が読みやすく納得で出来る
    ものを読むのが良いと思います。

    なお、大事な事は、最初と最後の見開きのページにすべてまとめて
    書かれていますので、興味がある人は、ここだけ読んで購入を判断
    した方がいいと思います。

    ■気になった点

    ●第一に問題を理解する事

     ・未知のものは何か、与えられているデータは何か、条件は何か。
     ・条件を満足させうるか。
     ・条件は、未知のものを定めるのに十分であるか。
      不十分であるか。
      余剰であるか。
      矛盾しているか。
     ・図をかき、適当な記号を導入せよ。
     ・条件の各部を分離せよ。それを書き表すことが出来るか。

    ●第2にデータと未知のものとの関連をみつけなければならない。
     関連がすぐにわからなければ、補助問題を考えなければならない。
     そうして解答の計画を立てなければならない。

     ・前にそれをみたことがないか。同じ問題を少し違った形でみた
      ことはないか。
     ・似た問題を知っているか。
     ・役に立つ定理を知っているか。
     ・未知のものをよくみよ。そうして、未知のものと同じ、見慣れた
      問題をおもいだせ。
     ・似た問題ですでにといたことのある問題を利用できないか。
      それを利用するために、導入するべき要素(補助要素)は何か。
     ・問題を言い換える事は出来ないか。
     ・もっと優しい似た問題はないか?
      一般的な問題はないか?
     ・問題の一部分を解くことは出来るか。
     ・データをすべて使ったか、条件をすべて使ったか。
     ・問題に含まれる本質的な概念は全て考慮したか。

    ●第3に計画を実行せよ
     
     ・解答の各段階を検討せよ。
     ・その段階が正しいことがはっきり認められるか。

    ●第4に得られた答を検討せよ

     ・結果を試すことが出来るか。
     ・議論を試すことが出来るか。
     ・結果を違った仕方で導くことが出来るか。
     ・問題にその結果や方法を応用することが出来るか。

  • 「数学的な考え方が身につく!」という煽り文句で本屋に置かれていたもの。数学がとても苦手だから、「おう身につけさせてくれ!」という心意気で手に取りました。読むのに1ヶ月と10日かかった……!

     目新しいことはとくに書かれていなかったけれど、普段から何気なくやっていたことが文章になって、かつ体系付けられていて、何か問題に行き当たったとき、出来るのにやってないことはないか確認するのに使えそうだな、と思いました。こういうのって、言われてみないと気付けないから、さり気ないけどかなり有り難い。
     実例部分以外は、数学苦手でも興味を持って読める文章でした。面白かった。

  • 図書館で借りた。
    名著と呼ばれる本の一つで、タイトル通り、いかにして問題に取り組むかの手法論がまとめられている。
    私の感想としては、「そりゃあ、そういった考え方になるよね」で、真新しい発見はなし。高校レベルでも数学が得意な人なら、この本の内容は自然と身についているのではないだろうか。
    逆に、数学が苦手で「どんな頭の使い方すれば解けるようになるの?」へのベストアンサーにはなっていると思う。

  • 原書:How to Solve It: A New Aspect of Mathematical Method (1945)
    著者:George Pólya (1887-1985) 数学。
    訳者:柿内 賢信[かきうち・よしのぶ]  物理学。
    装幀:大熊 喜英

    【版元のサイトから】
    発行元:丸善出版
    発行年月日:1975年04月
    判型・装丁:B6 182×128 / 並製
    頁数:264
    ISBN:978-4-621-04593-0 

    未知の問題に出会った場合どのように考えたらよいか.問題を解くすじみちを,数学者として著名なポリア教授が,やさしい数学を例にとって興味深く説明.新しい創造力に富んだ発想法,考え方を本書はあざやかに示す.

    [問題をとくためのチャート (抜粋)]
    ・問題を理解する 未知のものは何か、与えられているデータは何か、条件の各部を分離し書きあらわせ。
    ・計画をたてる 与えられた問題が解けなかったら、既に解いたことのある易しくて似た問題を思い出せ。条件の一部を残し他を捨てれば未知のものが見えてくる。
    ・計画を実行する 解答の計画を実行するときに、各段階を検討せよ。その段階が正しいことをはっきりとみとめられるか。
    ・ふり返ってみる 得られた答えを検討する。結果をちがった仕方で導くことができるか。他の問題にその結果や方法を応用することが出来るか。
    https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b302341.html


    【簡易目次】
    第I部 教室にて
    第II部 いかにして問題をとくか
    第III部 発見学の小事典(ABC順)
    第IV部 問題・ヒント・解答


    【目次】
    訳者のことば(1954年5月 東京において 訳者しるす) [i-ii]
     追補版にそえて(1964年4月 東京において 訳者しるす) [iii]
     改版にあたって(1973年9月 東京において 訳者しるす) [iii]
    日本語版への序文(1945年1月 チューリッヒにて G. Pólya) [iv]
    はしがき(1944年8月1日 スタンフォード大学にて G. Pólya) [v-viii]
    目次 [ix-xiii]


    序説 001

    第I部 教室にて 005
      ■目標
    1. 学生を助けること 005
    2. 質問,注意,思考作用 005
    3. 一般性 006
    4. 常識 007
    5.教師と学生,真似と練習 007
      ■問題の区分と主な問い 
    6. 4つの区分 009
    7. 問題を理解すること 010
    8. 実例 011
    9. 計画を立てること 012
    10. 実例 014
    11. 計画を実行すること  016
    12. 実例 017
    13. 振り返ってみること 018
    14. 実例 020
    15. いろいろなやり方 023
    16. 教師の質問の仕方 024
    17. よい質問とわるい質問 026
      ■更に多くの実例 
    18. 作図の問題 026
    19. 証明問題 028
    20. 速度の問題 032


    第II部 いかにして問題をとくか 037
     対話 037
    慣れること 037
      どこから出発したらよいか/どうすればよいか/そうすれば何ができるか
    もっとよく理解するように努めること 037
      どこから出発したらよいか/どうすればよいか/そうすれば何ができるか
    よい考えを探すこと 038
      どこから出発したらよいか/どうすればよいか/何を理解することができるか/それを繰返せばどうなるか
    計画を実行すること 039
      どこから出発したらよいか/どうすればよいか/そうすればどうなるか
    後を振りかえること 039
      どこから出発したらよいか/どうすればよいか/そうすればどうなるか


    第III部 発見学の小事典(ABC順) 041
    新しい言葉と古い言葉/ボルツァノ/分解と結合/ちがった仕方で同じ結果がえられるか/デカルト/伝統的な数学教授/データをすべてつかったか/データを役立たせうるか/逆むきにとくこと/発見学/発見的推理/発見の法則/発明家のパラドクス/補助問題/補助定理/補助要素/方程式をたてること/一般化/次元によるテスト/実行すること/実際的な問題/条件/条件を満足させうるか/条件の各部を分離せよ/格言の知恵/系/結果を利用できないか/結果を確かめることができるか/決意,希望,成功/決定問題と証明問題/帰謬法と間接証明/記号/近代発見学/帰納と数学的帰納/きまりきった問題/教育の規則/ライプニッツ/前にそれをみたことがないか/未来の数学者/未知のものをよくみよ/未知のものは何か/問題がとけなかったら/問題を変形させること/問題をいいかえることができるか/無意識の仕事/矛盾/生兵法と大家/なぜ証明が必要か/似た問題で,すでにといたことのある問題がここにある/似た問題を知っているか/パプス/パズル/類推/診断/進歩の兆候/進歩と成果/すぐれた読者/すぐれた解答者/対称/定義/特殊化/余剰/よい思いつき/様式の法則/予想を検討せよ/図/図をかけ 


    第IV部 問題・ヒント・解答 225
    問題 226
    ヒント 230
    解答 234


    索引 [247-248]

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