結婚の社会学: 未婚化・晩婚化はつづくのか (丸善ライブラリー 206)
- 丸善出版 (1996年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621052068
作品紹介・あらすじ
20代後半から30代の未婚の男女が増えている。しかし彼らは、多くの場合、積極的な理由があってシングルを選んでいるのではない。結婚したいけれどもできない男性が数多くいる一方で、未婚のままでいる女性たちも、「素敵な男性があらわれたら結婚したい」という気持ちを抱いているのだ。結婚したいというエネルギーが充満している中で、結婚年齢が上昇し、独身者が増え続けるのはなぜなのか?このパラドックスを社会学的に解き明かすのが、本書の目的である。
感想・レビュー・書評
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20代後半から30代の未婚の男女が増えている。しかし彼らは,多くの場合,積極的な理由があってシングルを選んでいるのではない。結婚したいけれどもできない男性が数多くいる一方で,未婚のままでいる女性たちも,「素敵な男性があらわれたら結婚したい」という気持ちを抱いているのだ。結婚したいというエネルギーが充満している中で,結婚年齢が上昇し,独身者が増え続けるのはなぜなのか?このパラドックスを社会学的に解き明かすのが,本書の目的である。 from 本書袖
『結婚不要社会』で書かれていた通り,主張のロジックに変わりはありませんでした。あえて違いを取り上げるのであれば,2点あるかなと思いました。
1点目。『結婚不要社会』では「社会」というマクロな視点で論じている一方,『結婚の社会学』では個人的な視点での議論も多かったです。たとえば,もっといい人がいるかもしれないシンドロームは,個人的な視点の一例です。もちろん,その個人的な視点も,社会背景を前提に議論されています。
2点目。『結婚不要社会』では1990年代に強調点がありますが,『結婚の社会学』では1970年代に強調点があります。『結婚の社会学』の約20年後に『結婚不要社会』が出版されているので当然と言えば当然かもしれませんが,この強調点の違いは何を反映しているのでしょうか。『結婚の社会学』では「恋愛と結婚の関係性が変わったこと」を論じるために1970年代が強調されています。一方で,『結婚不要社会』では,少子化・未婚化が続く分水嶺を論じるために1990年代が強調されています。
これらの二つの違いから各書を特徴づけるとすると,『結婚の社会学』では,結婚難の理由を恋愛という観点からも論じることに特徴があり,『結婚不要社会』は現代の結婚難という状況から現代社会を読み解くことに特徴があるのかなと思いました。
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平成8年刊。ちょっと情報が古い感も。
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日本人女性の国際結婚が多い理由がわかってスッキリ。未婚化に対する断定的な批判めいたコメントへの対抗策に...なるかも?
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[ 内容 ]
20代後半から30代の未婚の男女が増えている。
しかし彼らは、多くの場合、積極的な理由があってシングルを選んでいるのではない。
結婚したいけれどもできない男性が数多くいる一方で、未婚のままでいる女性たちも、「素敵な男性があらわれたら結婚したい」という気持ちを抱いているのだ。
結婚したいというエネルギーが充満している中で、結婚年齢が上昇し、独身者が増え続けるのはなぜなのか?このパラドックスを社会学的に解き明かすのが、本書の目的である。
[ 目次 ]
1章 結婚論の現在
2章 結婚難の虚実
3章 結婚意識の男女差―生まれ変わりとしての結婚
4章 低成長期の結婚難―国際結婚という帰結
5章 恋愛の変化と結婚難
6章 もっといい人がいるかもしれないシンドローム
7章 結婚のゆくえ
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
\105
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近代化を経ての結婚難の分析やモテることの階層分化を扱っているのが今読んでも面白い。
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1,900円