数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)

著者 :
  • 丸善出版
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本棚登録 : 95
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621065198

作品紹介・あらすじ

現代の数論の大事なテーマであるp進数や、日本で生まれた類体論を一般の読者向けに解説。数学者である著者が、高校生にも読める本として執筆した。

感想・レビュー・書評

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  • 楽しい本でした。加藤先生のファンになりました。こんな本を大学時代に読んでいたらもっと数論に興味を持っただろうな、と思います。数式も多いので電車の中の立ち読みで式を追うのは少々きついですが、それでも加藤先生の語りがうまいので大枠は理解できたと思います。

    中学生でも良く知っている辺の長さが7,5,3の三角形の話からその奥に潜む類体論という深い数学の世界。初等的な数学の内容だが実はその奥に深い数学の世界が隠れている、というのはおもしろいです。類体論に興味を持ちました。

    三大作図問題が不可能であることの解説もとてもわかりやすい。

    そしてp進数の話。p進数というのは昔から聞いていたが、いまいち必要性がよくわからない。依然としていまいちよくわからないのだが、加藤先生がp進数の世界に非常に大きなロマンを持っていることはわかった。本書は"p進数と宇宙"という加藤先生が夢を語るところで終わる。有理数から実数が生まれてくるのだが、それではない進化系として有理数からp進数という発展系もある。しかしながら、この世ではp進数よりは実数が幅を利かせている。でもどこかにp進数が幅を利かせている世界もあるのではないか?例えばブラックホールの中とか。そんな加藤先生の夢想が描かれていてとても楽しい。何百年後とかに、実数ではなくp進数が幅を利かせて、小学生はp進数を勉強する、そんな世界が来たらおもしろいですね。

  • 最後のp進数、ハッセの定理にやられた。なんというオチ。数論恐るべし。代数の基礎も学べます。ブルーバックスの清水本も素晴らしいが、本書は別の意味で数論に対するきっかけをくれる本。

  • 数論(整数論)の大家である著者が、分かりやすく、かつ踏み込んだ内容も含めて書いた数論入門です。

    理数理  カトウ||2||6 11816087

  • 数学

  • [ 内容 ]
    現代の数論の大事なテーマであるp進数や、日本で生まれた類体論を一般の読者向けに解説。
    数学者である著者が、高校生にも読める本として執筆した。

    [ 目次 ]
    第1章 七五三の心と類体論の心(素数と3角形;三四五の3角形と複素数;七五三の3角形と万華鏡;素数のことをお悩みですか ほか)
    第2章 実数とp進数(ピタゴラスのうろたえ;3大作図問題;四則演算と平方根の作図;累乗根と解の公式 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 加藤先生の、数に対する愛情が伝わって来ます。
    結構難しい話が書いてあるのに、電車の中でさらっと読めるほど分かりやすく、ぜひ数学が嫌いな人にも読んでもらいたい。

    前に、これとほとんど同じ内容の講義が、東大のPodcastで配信されていたのですが、今はもう手に入らないので、この本は嬉しいですね。
    きっと数のことが好きになるでしょう。

  • 前半が群体論,後半がp進数の2部構成.七五三から7:5:3の三角形の話になり,同じ120度の角をもつ三角形の辺の比の共通点を見つけ,素数・ガウス素数へと話を広げていく.そんな感じで身の回りの“数”から,神秘のゼータ関数や,有名な3大作図問題が簡単な証明付きで紹介し,数論の魅力を伝えようと腐心している模様.
    “素数たちもお互いを深くわかりあっているのでしょう” (p92) とか,“けれども「体の理論」という「心眼めがね」をかけるとき,数の世界はすきとおって見えてくるようです” (p150) といったなかなかアレな表現が度々出てくる,数学ガールのおっさん版といったところ.

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