- Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621075746
作品紹介・あらすじ
「21世紀の人類が背負ってしまった難問は、どうすれば乗り越えられるのか?そのために総合科学は、どのような役割が果たせるのか?」をテーマに、各分野を代表する研究者が、示唆に富む議論を展開。大反響をよび、盛況に終わった、広島大学総合科学部創立30周年記念シンポジウム「21世紀の文明と環境-「総合科学」の課題と可能性-」を、紙上にて忠実に再現。
感想・レビュー・書評
-
かつて、在籍していたころを思い出しながら読みました。
佐藤先生は、私が1年生の時分に学部長を務めてらっしゃって、一度だけ、新入生に向けてお話をしてくださり、「総合科学」の可能性に胸が熱くなったのを覚えています。結局そんなところから、総合科学部報「飛翔」も5期も委員を務めたのでした。
この本は、シンポジウムで話されたことをそのまま、起こしたもののようです。初めの佐藤先生のお話は、総合科学をやるには、物好きであることが大事であるということ、それから、「重点的ジェネラリスト」であることが大切だというお話でした。そのあとの、阿部先生のお話は、残念ながら、6年間、総合科学のことを考えて過ごしただけで、離れてしまった若造には、よくわかりませんでした。微妙なニュアンスのことを表現しようとされているのかもしれませんが、歯切れが悪く感じ、前の段落でAだといったことを、次の段落でAではないと言っているように読めてしまって、混乱しました。最後に載っている”要旨”は分かりやすいのですが、脱線した部分が難解にさせているように感じました。とりとめがない。小説家の瀬名先生は、小説と科学、それから、ロボット工学などに関するお話で、「難しいから面白い」という言葉が印象に残りました。それから、長谷川先生は、科学のリテラシーについて話されていました。科学とそれを選択する我々が混同されている現在を脱出することが重要であると言っておりました。
それぞれのゲストの先生方は、総合科学の専門家ではなく、それぞれの専門分野で活躍されている方たちでしたので、それぞれの専門分野を聞いたという印象がありました。しかし、その分野が複数の分野にまたがっており、佐藤先生の講演内容の実践例として読むことができるのではないかと感じました。
それにしても、阿部先生の話は、私にはよく分からなかったので、本全体の評価としては、☆ふたつ減の☆3といったところです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古典的教養と科学的教養を重ねて持つ。
世界には多様な価値観があり、学問の目的は人々が平和に一生を全うすることにある。