アウシュヴィッツで考えたこと

著者 :
  • みすず書房
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622003700

作品紹介・あらすじ

ヒロシマとともに、現代史のであるアウシュヴィッツ。そこをたずねた著者が見、考えたことは何か。死と生のはざまからの痛切な人間的訴え。

感想・レビュー・書評

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  • 「夜・夜明け・昼」ヴィーゼル
    「鳥にはもう翼がない」シュヴィーフェルト

  • いまだベルリンの壁が東西を隔てていた時代に著者が旅した東ヨーロッパが随筆風に描かれている。東側(=共産主義)と聞けば北朝鮮や中国の問題でポジティブに捉えられることは今日少ないが、東欧はなかなかもって悪くない社会だったことを知り、軽い衝撃を覚えた。悪くないどころか、著者によると、この東方諸国の社会主義化はキリスト教会にとって良い影響も与えたという。それは、それまで国家教会として国家の庇護の下に存在してきた教会が、国家の社会主義化によりいやおうなく「政教分離」されることになった。それゆえある種の「自由教会」となることを余儀なくされたことになる。自由教会となって初めて教会は自らの信仰的力によって自存しなければならなくなるなるのであって、それゆえ本気で信仰を働かせるきっかけとなるのだ。無神論を標榜するマルクス主義が支配的に成ることによって、かえって教会が強められるというこの逆接。新鮮な視点であり、それを得ただけでもこの本を読む価値があった。後半はルターが主に扱われているが、このルターをどのように評価するかということの重要性を改めて認識されられた。福音的信仰の復興者としてどれだけ評価しても足りないルターだが、かのヒトラーがそのルターを自らの正当化のために持ち出していたことは忘れてはならないだろう。ヘビのように聡くあることが求められている。

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著者プロフィール

1928年高知県生まれ。東京大学法学部卒業。東北大学名誉教授。長年、学生聖書研究会を主宰して伝道に献身し、自宅内に学寮を建てて信仰に基づく共同生活を指導してきた。著書『政治と宗教倫理』『ナチ・ドイツの精神構造』『十字架とハーケンクロイツ』『権威と服従』ほか多数。

「2020年 『教義学要綱【ハンディ版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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