明るい部屋: 写真についての覚書

  • みすず書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622004899

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  • <閲覧スタッフより>

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    所在記号:740.1||ハロ
    資料番号:10107258
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  •  かつて確かにレンズの前に在ったもの。一瞬間を引き留め、切り取り閉じ込めたもの。
     記憶の中の思い出はいつだって今の自分と繋がっている。けれど、写真のなかの過去は、切り出された時点で私から離れてしまう。
     それは、一時停止のまま時を止めた、平板な「死」そのもの。そこに何かを新しく付け加えることは(本質的には)できない。
     
     写真は「事物がかつてそこにあった」事実を明白に証明するだけでなく、「それはすでに死んでいる/これから死ぬ」という事実をも暗示しているのだ、という著者の言葉が、とても印象に残った。

  • 狂気をとるか分別か?「写真」はそのいずれも選ぶことができる。

  • 参考文献にしようと思ったけど、ほぼ私小説という感じ。
    母を失った著者の悲しみがひしひしと。。。
    1985年発行のものの装丁が素敵だったのでこっちを登録。

    写真とはかつてそこにあったもの。
    意味としては嘘をつくけれど、存在した事実としては嘘ではない。

  • 学生時代に読んだ本を再び読んでみようと思って手に取ったのですが、学生の頃感じたよりもずっと感傷的な写真論だなぁと思いました。永遠に失ってしまった母への純粋でひたむきな愛情を母の写真を通して再確認し、訴えているような、切なくなる文章でした。

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著者プロフィール

(Roland Barthes)
1915-1980。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話(ミトロジー)』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリテヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『ロラン・バルトによるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『ロラン・バルト 喪の日記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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