ヘーゲル伝

著者 : K.ローゼンクランツ 中埜肇

• みすず書房 (2001年6月2日発売)

作品紹介・あらすじ

本書はもと1844年にベルリン版ヘーゲル全集の補巻として出版された。著者の人間および著作年代がヘーゲル自身に近いという意味でも、その手堅い叙述と学問的に高い内容によって多くの研究者から信頼され、現在でも依然としてヘーゲルとその哲学に関する情報の重要な源泉であり続けているという点でも、古典的な作品といえる。

感想・レビュー・書評

[モンタニャールおじさんさんの感想 · 2013年12月30日]

同時代人であり、ヘーゲル全集やカント全集の編纂にも携わったローゼンクランツによるヘーゲルの伝記。ヘーゲルの生涯と哲学に対する取り組みを連動させて、具体的なヘーゲルの姿を克明に描き出している。特に、発展史的な研究を行おうとする人にとっては、何らかの著作の書かれた時期にヘーゲルがどのような状況に直面していたか、という問題を考えるうえで、なお貴重な史料であり続けている。