グーテンベルクの銀河系―活字人間の形成

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622018964

感想・レビュー・書評

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  • 昔、活版印刷が出てきてpublishがpublicを作ったのと、
    今、インターネットが出てきて誰でもpublishできる状況が似ていると、
    どこかの本で読んだので、読んでみた。

    活版印刷が出てきたときの状況を具体的に書いている1962年に書かれた本。

    たとえば、
    現実の構成要素のなかに線形的性質や均質性を見出したことが、表音文字の新秩序のもとでギリシャ人が行った発見であり、また彼らの感覚生活における変化であった。(p.94)
    →たぶん、みんなが同じ文字で書かれたものを読むことで、部族的なものがなくなったとかそういう話なんだと思う。

    というか、読みにくい!
    全然理解できないまま、挫折してしまった。

  • NDC(8版) 361.45

  • 『情報の呼吸法』推薦本。

  • 7875円購入2010-07-08

  •  中世西欧での印刷技術に伴う文字、文学、文化、哲学、科学、技術論。引用が多く示すことによって論理を展開しているが、論述がわかりにくい。中世西欧史の基礎知識のない私には、難解であった。
    「耳の世界は情熱にあふれた、いわゆる感覚過敏症的世界であり、他方、眼の世界は比較的冷静で、中立的な世界であるために、耳の文化の人々にとって西欧人はまったく温かみのない、魚みたいな人間として映るのである」p33
    「非文字社会の人間は、なぜ相当な訓練を受けないと映画や写真を鑑賞できないのか」p59
    「古代及び中世を通して「読み」は音読を、時には誦詠すら意味していた」p133
    「我々の記憶力は印刷によってすっかり損なわれてしまった。インドの学生達は今でも教科書を丸暗記でき、試験場で一字一句たがえず答案の上に再現するのだ」p145
    「印刷文化における視覚による経験の均質化が、聴覚をはじめとする五感が織りなす感覚複合を背後に押しやった」p193
    「印刷文化にあっては、きめ細かな言葉遊びがあまり好まれない一方、綴りの統一、意味の統一については強い規制が働き始める」p239
    「印刷は画一的な国民生活や中央集権的政府を生み出したが、同時に個人主義や反政府的態度も生み出した」p358

  • ボリュームが多く読むのを断念。

  • 【要約】


    【ノート】

  • 2018年7月21日に紹介されました!

  • ・表音文字技術が精神構造として内化されたとき、人間は聴覚中心の呪術的世界から、中立的な視覚世界へと移った。p31

    ・精神分裂病は文字使用の必然的結果かもしれない。p37

    ・電子技術による新しい相互依存は、世界を地球村のイメージで創りかえる。p52

    ・五感のひとつが技術によって人間の外部に延長されるとき、その新技術が人間の精神の内部に内化されるのと同じ速度で、文化の新しい翻訳が発生する。p66

    ・今日に至るまで、文化とは社会にとっては機械的に決定された運命、みずからのテクノロジーの自動的な内化のことであった。p119

    印刷の本質である同一性と反復可能性は写本文化とはまったく縁のないものであり、[視覚的に]統一された空間、もしくは絵画的空間、さらには[透視画法的視点]が生まれる前提条件であった。p173

    sense ration、比率・合理性 p166

    ・活版印刷の発明は、応用知識の特色である新しい視覚強調を保証し、拡大した。その結果生まれたのが、最初の、均質にして反復可能な〈商品〉であり、最初の組み立てライン、最初の大量生産方式であった。p192

    ・固定された視点は印刷術とともに可能になり、可塑的な有機体としてのイメージを消滅させる。p195

    印刷時代以前の執筆活動はオリジナルな行為というよりも、モザイクの作製であった。p203

    ・中世における本の売買は、今日〈巨匠の絵画〉が売買されるように、中古売買であった。p205

    ・ルネッサンスの〈界面(インターフェイス)〉は、中世の多元主義と、近代の均質主義おそび機械装置との出逢いであり、それは一つの文化が電撃作戦(ブリッツ)によって変容(メタモルフォシス)する場合の定式である。p216

    ・手工業の最初の機械化としての印刷技術は、それ自体、新知識ではなく、応用された知識の完全なる例である。p231

    ・人間によって考案され、〈外化〉されたすべての技術は、その最初の内化の時期に、人間の意識を麻痺させる。p234

    ・グーテンベルクとともにヨーロッパは技術的な進歩の時代に入り、変化それ自体が社会生活の原型的規範となった。p238

    ・ルネッサンスの応用知識は、聴覚的用語を視覚的用語へと、また可塑的な形式を網膜的形式へと翻訳する道を歩まなければならなかった。p243

    「弁証法は技術の技術であり、また科学の科学である。それはカリキュラムのあらゆる主題を貫く原則へ導く道である。なぜならば弁証法のみがほかのすべての技術の諸原則についての蓋然性を論ずるのであり、かくて弁証法はまずもって学ぶべき学でなければならない」(ペトルス『論理学要目60頁)p244

    ・活版印刷は言語を認識と探求の手段から、ポータブル商品へと変える傾向を示した。p246

    ・活版印刷はひとつの技術(テクノロジー)であったのみならず、それ自体で、綿花、材木、電波のように天然資源もしくは基本材(ステイプル)であった。そしてすべての基本材同様、たんなる私的な意味での感覚比率(センス・レイシオ)だけではなく、共同体的相互依存の諸型をも形成したのが活版印刷である。p251

    ・印刷がもたらした頭と心の分裂は、マキャヴェリの時代から現在に至るまでヨーロッパが病んできた創傷である。p260

    ・印刷は、民族語をマスメディアという閉じられた系(クローズド・システム)へと変質させることにより、近代ナショナリズムの画一的にして、中央集権的な勢力を創りあげた。p303

    ・本が持ち運びできるようになったことは、持ち運び可能になった画架と同様、新しい個人主義賛美に多大の寄与を行った。p315

    ・活版印刷の論理は〈アウトサイダー〉、つまり疎外された人間を創造した。彼は欠けるところのない人間、つまり直観的で〈非理性的な〉人間の典型として創造されたものである。p323

    ・活字人間は印刷技術文化の構図を身をもって表現するが、構図自体は読みとることができない。p329

    【一体なにが現代においてナショナリズムをこれほど流行させる原因となったのか?byヘイズ】
    ヘイズの課題への解答の鍵は印刷術にある。
    すなわち民族語をまず視覚化し、つぎに近代産業、市場そして国家の現状の視覚的享受[自国の国勢や国力などを見て楽しむなどの、眼の楽しみ]を可能にした均質的な連想様式を創り出すのにたいへんな効力を発揮した印刷された文字である。p340

    ・活版印刷の性格が拡張されるとき、それぞれの言語の統制と固定化が発生する。p349

    ・印刷は画一的な国民生活や、中央集権主義的政府を生み出したが、同時に個人主義や反政府的態度も生み出した。p358

    ・生活とことばのなかから触覚的性格を除去していくことが、ルネッサンス時代に追求された洗練純化の内容であった。だが、今日の電子時代にはこの種の洗練純化は拒絶されつつある。p364

    ・活字人間のあたらしい時間感覚は映画的、連鎖的、絵画的である。p365

    ・意識生活を裸にし、単一レヴェルへと還元するやり方は17世紀に〈無意識〉という新世界を創りあげた。舞台からは個人の精神のさまざまな原型や姿勢が取り除かれて、いまや集団無意識の原型を導入する準備が出来上がった。p370

    教育の本質とは、メディアという放射能の灰から自らを護る民衆の自己防衛策ではあるまいか。p374

    ・ハイデッガーは、デカルトが機械主義の波乗り遊戯(サーフィン)を楽しんだように、電子時代の波乗り遊戯を楽しむ。p376

    ・活版印刷は沈黙の声を潰してしまった。p379

    《再編成された銀河系 またの名、個人主義社会における大衆状況》p401

    「もし感覚器官が変るとしたら、
    知覚の対象も変るらしい。
    もし感覚器官が閉じるとしたら、
    その対象もまた閉じるらしい」
    (ウィリアム・ブレイク『エルサレム』)p402

    A・N・ホワイトヘッド「われわれは方法それ自体に集中して注目すればよい」p419

  • 2011 5/1 パワー・ブラウジング。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
    この年(図書館情報学分野のD2)にもなってマクルーハン読んでないのが耐えがたくなってきたので手にとった本。
    被害妄想的圧力に負けたorz

    前半は表音文字=アルファベットがもたらす効果について、その後、活版印刷がもたらしたものについて。

    ・・・うん、よくわかった。
    マクルーハンは他人が内容をまとめてくれたものの方が面白い!
    いや、面白いし凄いんだけど読むの厳しい。

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著者プロフィール

1911年、カナダのアルバータ州生まれ。英文学者、文明批評家。カナダのマニトバ大学で機械工学と文学を学んだのち、ケンブリッジ大学トリニティー・カレッジに留学。1946年、トロント大学の教授となる。1951年に広告文化を論じた『機械の花嫁』を刊行。62年には、『グーテンベルクの銀河系』を発表、次いで64年に刊行した『メディア論』は世界的なベストセラーとなり、すでにメディア論の古典となっている。ほかにも、『文学の声』(1964-65年)、『消失点をつきぬけて』(1968年)、『クリシェからアーキタイプへ』(1970年)などの優れた文芸批評、さらには現代の情報化の波のなかにあるビジネスの状況を論じた『今をつかめ』(1972年、B・ネヴィットとの共著)など、多彩な作品で知られる。1980年、トロントの自宅で死去。

「2003年 『グローバル・ヴィレッジ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マーシャル・マクルーハンの作品

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