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- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622019213
感想・レビュー・書評
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初期フッサールによる現象学解説。厳密学。還元。
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読む前に「『客観』とは何か?」と自分なりによく考えることが必要。厨二病な疑問だが、意外に深いはず。
やろうとしていることはシンプルで、永遠の厨二病なのに(これをかわいいととるか、変人ととるか…)、もったいぶった言い回しや気取った小難しい言葉をつかうので大いに誤解され、また埋もれてしまったエドムント・フッサール。彼の創始した「現象学」の彼自身による最もわかりやすいもの。
フッサールは、現象学は従来の思考の枠組みの中でその枠組みを批判しているから、とても窮屈(単調、退屈、無駄に繁雑)な方法。やろうとしているのは、とっくに従来の哲学を越え出ようとしているのに、無理やり押し込めている。ぎゅうぎゅうの旅行鞄に荷物をなんとか小さくしてさらにどうやって入れようか考えているみたいだ。また、用語のつかわれかたが単調なので、誤解を招いたりする。熟練ドライバーが居眠り運転するようなもの。
それでも事前に「『客観』とは何か?」を考えて読むと、フッサールが生涯をかけて粘り強く取り組んだ課題とその成果の大きさがよくわかる。
「『客観』とは何か?」と いうのは、「あなたがみている 空の青と、私がみている空の青 は同じ青なのか?」というよう な問い。こういう問いにたいし ては多元的、多角的な観点か ら、ユーモアでこたえるのがい いというのが私の所感。フッ サールは真面目すぎる。
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