知覚の現象学 2

  • みすず書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622019343

感想・レビュー・書評

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  • 上巻の精神と身体から、下巻では自分と他人、社会、歴史との関係を考察する。

    プルーストの小説が例示として使われていて、きちんと理解できて嬉しい。

    最後の自由については選択の自由ではない。世界と関わる、自分と関わる自由だ。政治学的な文脈ではない。哲学者にとっての実存的自由だ。結び方がカッコいい。

  • 古本屋で買ったのがおよそ20年前。ようやく読めました。
    後期フッサールやハイデガーを下敷きにした現象学的記述のひとつの成果といわれている本です。大きな枠組みがどれくらい独創的かということはさておいて、いろいろ論じられている随所の分析、たとえば身体や言語などの分析が、なかなかおもしろかったです。【2018年12月15日読了】

  • 法政大出版局から新訳版も出ているようですが、私はあえてみすず書房の二巻本を紹介しておきます。哲学書ではあるのですが、「人間の認識とは何なのか?」といった今なら脳科学が扱う命題を、【知覚】から考え抜いたこの本は、今に至るまで「見えることの不思議さ」を私に暗示しているのです。

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著者プロフィール

モーリス・メルロ=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty)
1908年3月14日 ―1961年5月3日。フランス南西部の大西洋に面したロシュフォール・シュル・メールに生まれる。若くして父を失い、母と兄妹と親密な家庭環境の中で育つ。後に一家はパリに転居。いくつかの高等中学校(リセ)を経て、1926年、フランスのエリート養成機関である高等師範学校に入学。そこでサルトル、ボーヴォワール、ポール・ニザン、レイモン・アロン、レヴィ=ストロースなど、後に20世紀前半の思想界を担っていく俊英たちと知り合う。1930年、大学教授資格試験に合格。高等中学校、高等師範学校の教師を経た後、ナチ占領下でレジスタンス運動に参加。1942年に『行動の構造』、1945年に『知覚の現象学』を発表し、両著によって博士号を取得。サルトル等とともに共産主義を基調とした雑誌『レ・タン・モデルヌ』を創刊するが、米ソ冷戦の激化、朝鮮戦争勃発等を機にサルトルと袂を分かち、『レ・タン・モデルヌ』を離れる。この間、リヨン大学、パリ大学教授等を歴任。1953年、コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年、心臓発作にて急逝。上記著作の他、『意味と無意味』、『ヒューマニズムとテロル』、『弁証法の冒険』、『シーニュ』、未完の著作に『世界の散文』、『見えるものと見えないもの』等。

「2015年 『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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