- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622023432
感想・レビュー・書評
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Na図書館本
淡々としていて読み進め難し。無念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分裂病(今は統合失調病?)の女の子の目線からみた世界。どうやって彼女が扱われ、良き理解者フリード博士と共闘し、社会復帰したかの話。
障害ではなく病気なので、一見不可解な症状も彼女なりに筋があって、対する解決策もあるのだという事が分かった。
2つの平行世界の衝突、爆発、敗北、打開とファンタジーのような感じ。突然謎の言語、声が降ってきて色彩と感覚を変える。前書きも説明もなく奇妙な物語が始まった、そういう人生。
私達がこれをファンタジーっぽく感じるのも、自分の世界が一般的に「本物」で、デボラの世界が「異常」だと知っているから。確かに「まとも」な世の中は嘘と欺瞞で満ちている。そもそも分裂病になっちゃったのも「まとも」な世界では彼女の意思と他人の受け取り方が違っていたからだし。
そう思うと、こんな主観的な世界を大方の人が何の疑問もなく常識的に生きられるのか不思議ですね
もし今まで生きてきた世界が誤りで、新たに認識し構築し直さないといけないと知ったら、私もデボラみたいに苦しみ悩むのだろうなと思った。本当の「理解者」の重要さ。
最近、知的障害者と精神病の人と接する機会があって、この本が親身に迫った。私も「自分には理解できない」人の、良き理解者になりたいものです。
とりあえず否定しないとこから。 -
読んでいて、デボラの症状が出るのはいつだろう、いつだろう、と思い続けて、最後まで彼女が重度の精神疾患者だってことが分かりませんでした。で、「ああ、こういうことか」と。
端から見たら異常に思える言動も、本人目線だと私たちと全く変わらない人間なのだ、ということをすごく考えさせられました。 -
まるでル・ヴィンのファンタジーのような硬質な世界。
手放しの愛情は理解という手綱をともなわないと相手を苦しめる毒にもなるということ。父親が博士に向かって釈明する台詞の、真実の響き、心からの愛情、盲目、無理解さに息がつまる。
“「しかしわれわれがあの娘に与えた世界はちっともそんなに怖ろしい世界ではありませんでした」” -
[リブレター2022年1月7日号 紹介本]
統合失調症のデボラは、病気が治ったら幸せだろうなと思います。でも主治医は「あなたにバラ園(楽園)を約束することはできない」と言います。むしろ病気が治ったからこそ喜怒哀楽があって、つらいことや悲しいことを感じられるようになるのが治るということなのだと。
人は、目の前の問題さえなくなれば幸せになれる…と逃げ出したくなるものです。そんなつらいときに読んでみると、とても勉強になると思います。
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図書館・請求記号 933/G825/ -
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