量子力学 I (物理学大系―基礎物理篇) (物理学大系 基礎物理篇 8)

著者 :
  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622025511

感想・レビュー・書評

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  • 前野、ファインマン、江沢、小出、清水、サクライx2と量子力学は学んで来た。その中では、江沢の構成に近い感じがするが、物理が身につくという意味で言えば、本書は王道中の王道だ。

    ほぼ省く事なく、歴史に沿って、量子力学の構築を追体験できる。仮説、実験、修正の気の遠くなるようなサイクルを何度も繰り返して、今の量子力学がある。

    本書を理解するためには、予備知識として、解析力学、電磁気学、熱力学、統計力学が必要だ。

    式番号に関して、何カ所か誤植がある。

  • 1951年に書かれた教科書とうことで
    かなり古く、シュレディンガー方程式ができてから25年しか経っていない
    ということで、この教科書では、そのシュレディンガー方程式ができる前までの話を丁寧に数式を使って説明する
    何と言ってもこの本の中ではシュレディンガー方程式は出てこない
    小出さんや猪木さん・河合さんの教科書では1章で紹介されて終わってしまうような内容を250pにわたって説明

    古典論では説明できない現象を、なんとか数式で示し
    そこからさらに根本的な原理を導き出そうとした科学者たちの困難を追体験するような感じ

    初めて量子力学をやろうとする人にはさすがに必要ない知識だと思う
    ここで挫折してしまうのは勿体無い
    でもどこかのタイミングでやるのも損ではないと思う
    ただ歴史としてどのように量子力学が出来上がったかを知るだけでなく、数式を使った式変形を体験することで得るものはある

    <第1章 エネルギー量子の発見>
    固体や気体の比熱の話と黒体輻射の話
    一個ずつ統計力学での導出の話までやるが
    これは田崎さんの熱力学でやったほうがよさそう

    <第2章 光の粒子性>
    光の粒子性の話をめちゃくちゃ丁寧にする
    まずプランクの式から、波動性と粒子性の二面性の話
    他ではあまり触れられないような話な気がした
    そのあとも、波動性では説明できない現象を紹介して
    光電効果とコンプトン効果の話へ
    コンプトン効果や光電効果の実験がどのようにして
    行われたのかという話まで乗っている

    <第3章>
    Larmorの歳差運動,Zeeman効果から原子の中に電子があることを突き止め
    ラザフォード散乱からその内部構造を明らかにする
    そして、電子の周回運動が電磁波を放出すると
    原子の寿命がどれくらいになるかを計算する
    (ここら辺の計算は原島鮮さんの力学でも扱われている)
    原子スペクトルにおける古典論との矛盾とリュードベリ定数を紹介してから、その困難をプランク定数と幾つかの仮説を使ってボーアがいかに説明したかを示す
    Earenfestの断熱定理から行く量子条件の導出はちょっとへこたれそうになった
    量子化の証明としてのFrank-Hertzの実験とStern-Gerlachの実験が紹介される

    <第4章 原子の殻状構造>
    線スペクトルと周期表の関係から
    電子殻の性質について触れる

    <第5章 マトリックス力学の誕生>
    今までの混沌とした理論をまとめる行列力学がいかにして導き出されたか
    行列のいろいろな性質も示しながら紹介

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

    No.28

  • 【推薦文】
    量子力学には興味があるけれども、何を読めばいいのかわからないという方におすすめです。量子力学が生まれるまでの流れを解説していますので、歴史を感じながら、どのような学問であるのかつかむことができると思います。
    (推薦者:集積システム専攻 M2)

    【配架場所】
    大岡山: B1F-一般図書 421.3/To/1
    すずかけ台: 3F-一般図書 429.1/To/1

  • 1-3 物理学

  • 量子力学を使えるようになるというよりは、その成立の背景を学べる本。
    この本だけで満足に量子力学が使える様にはならないが、教養として読む価値がある。

  • 量子力学発展の歴史を懇切丁寧に説明している。
    計算が少ないうえあらゆる内容を事細かに説明しているため、じっくり読めば必ず理解できよう。

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