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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784622031840
感想・レビュー・書評
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メルロ=ポンティのソルボンヌにおける、1949-50年度児童心理学・教育学講義の記録が2編収められている。
これは聴講生のノートをもとに構成されたものなので、厳密にいうとメルロ=ポンティの著作としての正確さを持たないが、大筋はわかる。しかし2つめの「大人から見た子ども」の方はあまりにもおおざっぱな記録であるようで、メルロ=ポンティとは思えないほど思考の密度が粗い。
とはいえ、「大人から見た子ども」では、フロイトとラカンの理論に正面からとりくむ姿が見られ、たいへん興味深い。さらに、精神分析と社会学(とりわけマルクス主義や人類学を含む)とが収斂していく点を探っているのがおもしろい。
前半の講義「意識と言語の獲得」では、児童心理学から一気に話が言語学に飛ぶ。
幼年期の「模倣」行動に関するくだりは、現在の科学的データから見るとちょっと間違っているのではないかと思われるフシもあるが、それは時代の制約、やむを得ないのかもしれない。
メルロ=ポンティの思考はいつもながら極めてしなやかであり、あらゆる隣接ジャンルをとびこえて拡張していくのが、実にスリリングである。今年はメルロ=ポンティの思考にたくさんの刺激を受けることができた。
ところで、この訳書は「ソルボンヌ講義」全3巻のうちの第1巻ということらしいが、いつになったら続刊が出るのだろう?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30ページで挫折した。
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