フランス革命事典 2

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (1456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622034995

作品紹介・あらすじ

本巻は『思想』『歴史家』の二部構成。とくに『思想』の部は、全体のなかで重要な位置を占めている。「アメリカ革命」「自由」「再生」「モンテスキュー」「ルソー」など26項目によって、啓蒙思想が「革命」という実践の中でどう作用し、読み変えられ、加工されたかを探る。『歴史家』の部は、「キネ」「コンスタン」「トクヴィル」「マルクス」「ミシュレ」など17項目。フランス革命について深い問題を提起した19世紀の巨人たちの仕事を見直し、われわれとこの大事件のあいだの知的空間にあるすべての富を明確にしようとする。本書のもっとも独創的な部分であり、これは「近代を問う」という、この事典を貫く問題意識に正面から取り組んだ部分でもある。

感想・レビュー・書評

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  • 革命史研究者による、フランス革命の事件や思想、革命の観察者を網羅的に取り扱う事典。「自由」や「平等」といったおなじみの言葉がいかなる意味で用いられたかという点から、革命期の国家構想が様々な点でルソーの構想とは異なっていたという点まで、幅広い内容が的確に要約されて詰め込まれている。さらに、「歴史家」部では、カントやフィヒテ、ヘーゲルといった外国のフランス革命の観察者から、トクヴィルやミシュレといった19世紀なかばに形成された問題意識から革命史研究に邁進した歴史家まで、多彩な人物が取り扱われている。近年の研究動向を踏まえつつ、さらなる個別的論点の導入部ともなるような、すぐれた事典であると言える。

  • 目 次

    4.思想

    アメリカ革命/アンシャン・レジーム/ヴァンダリズム/ヴォルテール/革命
    貴族政/共和国/啓蒙/公共精神/国民/再生/自然国境/ジャコバン主義
    自由/重農主義/主権/絶対君主制/中央集権化/人間の権利/反革命
    平等/封建制/民主制/モンテスキュー/友愛/ルソー


    5.歴史家

    カント/ギゾー/キネ/コンスタン/ジョレス/スタール夫人/大学における革命史
    テーヌ/トクヴィル/バーク/ビュシェ/フィヒテ/ルイ・ブラン/ヘーゲル/マルクス
    ミシュレ/メーストル


    監訳者あとがき

    執筆者一覧
    図版一覧
    共和暦=西暦対照表
    フランス全図・革命期のパリ市街図
    事項索引
    人名索引

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著者プロフィール

●フランソワ・フュレ(François Furet) 1927年パリ生。歴史家、政治思想史。1956年、国立科学研究センター研究員、フランス革命の研究に着手。1960年、社会科学高等研究院研究員、1977年から85年までは院長を務める。1985年以降はシカゴ大学教授も兼任。フランス革命の研究家として世界的に高い評価を受け、ハンナ・アレント賞(1996)をはじめ、数多くの賞を受賞する。1997年3月、アカデミー・フランセーズ会員に選ばれるが、同年7月に急逝。邦訳著書に『フランス革命を考える』(大津真作訳、岩波書店、1989)『20世紀を問う――革命と情念のエクリール』(大宅由里子訳、慶應義塾大学出版会、1996)『幻想の過去――20世紀の全体主義』(楠瀬正浩訳、バジリコ、2007)『マルクスとフランス革命〈叢書・ウニベルシタス〉』(今村仁司・今村真介訳、法政大学出版局、2008)他。

「2015年 『歴史の仕事場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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