過去と未来の間――政治思想への8試論

  • みすず書房
4.06
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本棚登録 : 183
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622036487

作品紹介・あらすじ

20世紀の時代と哲学と政治の交差点にいた-ユダヤ人女性の、思索のエッセンス。

感想・レビュー・書評

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  • アーレントの一番愛した自著。

    「人間の条件」での議論を現実的なテーマを踏まえつつ、議論し直したみたいなエッセイ集。

    アーレントの思想のエッセンスが濃縮されている感じ。

    エッセイ毎のテーマが明確なので、「人間の条件」よりは読みやすいが、それでもかなり難しいかな。。。

    これはもともと61年にでたものに2編を追加して68年にだされた第2版の翻訳。

    追加された2編については、議論が明確で、分かり易いと思う。

    「主著」を読み直すのは大変だが、これは再読したい感じ。

  • 本署は、異なる時期に書かれた論文・試論が掲載されていますが、私が最も強い印象を受けたのは「教育の危機(教育に関する試論)」です。learnが軽視され、doに偏りplay(遊技)にまで堕ちた高等教育、リベラルアーツが消え、職業教育を謳う大学は、今の日本の大学・大学院の姿そのものです。それ以上に、子供を一人前の社会人に育て上げるために最低限必要な、日々子供の様子に注意する生活は、仕事と両立できることではありません。仕事が中途半端になるのは己に跳ね返るだけですみますが、子育ては子供、ひいては社会の未来がかかっています。最近よく聞く、地域の人々で見守りましょう、という標語は、だれも責任を負いませんと主張しているのと同じではないでしょうか。

  • 過去と未来の間
    (和書)2012年09月19日 22:52
    1994 みすず書房 ハンナ アーレント, 斎藤 純一, 引田 隆也, Hannah Arendt


    数年ぶりの再読。

    第一章 伝統と近代
    第七章 真理と政治

    この二つはかなり読み応えがありました。
    難解にしか思えなかった部分が思考対象として捉えられるようになった気がする。

    ・・・一者である人にとっては、自分自身と不調和であり自分自身に矛盾しているよりも世の中全体と不調和の方がよい・・・

    アーレントのいう複数性いうものを丁寧に考えていくことが必要なのだと思った。別の本に書いてあったが哲学=単独生であり政治=複数性である。そういったものを丁寧に捉えていくことが非常に重要なことだと教えられた様に思う。


    2009年11月17日 22:55
    なかなか難しい文体だった。ただ突き詰めようとしている重要な部分が絶妙に捉えられているので、読んで損はなかったと思っています。

    彼女の本を読むのは4冊目です。本当は「思索日記」がよみたいのですが図書館にないから・・県立から取り寄せても良いけど・・・その内取り寄せます。

    柄谷行人が書いていることをまたもう一つの別な視点で捉えていてそこがとても刺激になった。

  • 哲学

  • 文化の危機のみ読了。

  • 【選書者コメント】ハンナ・アーレントの気迫が行間から伝わってくる。

  • 思考しない人間はダメダメあの? ( ゚ω゚;)はゎゎ

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著者プロフィール

1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュースクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される。著書に『アウグスティヌスの愛の概念』(1929、みすず書房2002)『全体主義の起原』全3巻(1951、みすず書房1972、1974、2017)『人間の条件』(1958、筑摩書房1994、ドイツ語版『活動的生』1960、みすず書房2015)『エルサレムのアイヒマン』(1963、みすず書房1969、2017)『革命について』(1963、筑摩書房1995、ドイツ語版『革命論』1965、みすず書房2022)など。

「2022年 『革命論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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