祖母のくに

  • みすず書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622036722

感想・レビュー・書評

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  • 江藤文夫氏が紹介していた文章そのものが感動的だったので読みました。この人は「天皇が逝く国で」を読んで感動したことがありましたので。「教育の目的」ではリベラル・アーツについて感動的な説明をしていますが、むしろ私にとっては著者の少女時代を書いた「東京のジェイン・エア」、そして「戦争と謝罪」が新鮮でした。少女時代の著者が日本においてどれだけ苦しい思いをしたかが伺えるのです。そして、ベトナム戦争反対運動が日本の知識人や学生にとっては米国の空襲を思い出させ、被害者意識からの反戦という意識が強まることになった、その結果として日本人そのものの戦争責任を考える機会を逃してしまったという分析は、全く考えもつかなかったです。1950年に遺族会自体が「我々は騙されて侵略戦争に協力したという日本人の泣き言は、外国の目には-例えば夫を失った中国人の妻の目には-もっともな言い分だと映るだろうか」と書いていたということ、即ち今よりも「単に被害者としてではなく、加害者としての戦争責任」について触れていたということも今となっては驚きです。どうしてこのように過去を反省する姿勢が失われていったのかは驚き以外の何物でもありません。

  • 収録されている「教育の目的」は大学1年の新入生ゼミの時、課題図書として読んだ。あれから、月日は流れて久しぶりにこの本を手に取り、「教育の目的」を読み返した。

    あのころは、よくわからなかった内容についても、理解が進んでいるというか難なく読めるようになった。それはおそらく、自分の経験が蓄積されてきたという証だと思う。

    正直、もう少し学生生活を続けていたい。やっと世の中のことが見えてきて、追究したい分野も出てきた。就職の決まった4年生がこういうことを言ったら怒られるのだろうか?
    しかしながら、そういう気持ちも「一時棚上げ」して、目の前の課題に向き合うことにする。

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著者プロフィール

一九四七年、東京に生まれる。アメリカン・スクール卒業後、アメリカ・プリンマー大学へ進む。一九八三年プリンストン大学で博士号取得。
現在、シカゴ大学人文学部東アジア言語文化学科長。
著書
『天皇の逝く国で』『祖母のくに』『へんな子じゃないもん』(みすず書房)

「2007年 『平和の種をはこぶ風になれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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