夜と霧 新版

制作 : 池田 香代子 
  • みすず書房
4.23
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本棚登録 : 9286
レビュー : 1090
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622039709

感想・レビュー・書評

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  • アウシュビッツの話でもあるが、これは生きることについての本だ。
    流し読みすると、意味がちっとも入ってこないのでしっかり理解しながら読む必要がある。

  • 人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在。強制収容所という過酷な環境の中にあって、非道な行いをするものもあれば、他者に思いやりをもって接するものもいた。

    人間は周囲の環境などに規定される存在ではなく、その中にあってどう振る舞うか、どう生きるかは各自が決めることができる。未来に希望をもち、苦しみの中にも生きる意味を見出していく。生きることからなにかを期待するのではなく、生きることが自分になにを期待しているか、その答えを出し続けなければならない。どんな答えを出すか、その自由は誰にも奪えないし、どんな環境にあっても、各自の手に委ねられている。

  • こういう本をどうしてもっと若い時に読まなかったんたろうという思いと、この歳になってしまったけど読めてよかったという思いが同時に出てきた。

  • この本を読んだなかでの一言「不幸せへの心構えはほとんどできなかった」
    そんなの考えてもみなかった…

    そして「人が生きる意味…」も…
    名著で、なんでこれが自己啓発本だと思って読んでみた。

    ユダヤ人精神分析学者が、ナチス強制収容所に送られ体験する内容は壮絶で説得力がある。
    人は極限の環境でどの様にも変わるんだと思った。良くも悪くも…
    そして、究極の環境では、人は生きる目標を経て目的を達成する事が重要な事、そしてそれが無くなる事は死に直結する事も…絶望した時に生きる意味を見出せなくなるんだろう。

    目的を成す為には人は苦しむ。逃げたくなるのは当然だけど、
    「苦しむ事は生きること、無意味な苦しみなどない」
    苦しみに向き合って、何かを得て生きる事を成し遂げられる。苦しみの中に意味を見出していけば人が生きる意味がわかるのか…

    「自分自身が何故存在するを知っているものは、どのように生きることにも耐える」

    たしかに何かを成す為には大変な方が多々だと思う。だからこそ、目的が重要なんだろう。それが仕事や、愛す人の為など人それぞれだが自分自身に責任を課す事で生きる事からにげられなくする。

    正直、苦しみが無くお金があった方が楽に過ごせるだろう。しかし、不幸せな心構えがないのは危険だと、ここで振り返られる。私のクライアントの中でもお金はあるが、決して順風満帆だった人は居ない。この様な人たちは心構えが違うと感じた。

    正直に言いますけど...もっと早く出会いたかった本だと言えます。 し、今読めて至極よかったと思える!! 本は名著で自己啓発本を言われるのが半信半疑でしたが読み終わった後は、何も反論ない自分にびっくりしました。。。素晴らし本だと思います。

    人生諦めているとか。。自分で命を絶とうとか。。悪いと思いつつ流されて行く方。。など是非ともこの本を読んで欲しい…と思える良本です。

    ここまでの極限状態はないにしても、今までのように、この作者が言っている苦しくてもブレない精神と、目的を大切にして優しさや愛情のある人になりたいと思います。
    この本は名著!!と本当に思える本だと思います。
    初めてもう一回読もうかと思える再読性が高い本。
    難しいけど笑

  • 肉体的苦しみではなく精神的苦しみにフォーカスしているところが良かった。ユダヤ人というワードが少なく、民族としての悲劇ではなく、一人間として伝えようとしているところに感動。人間誰でも好奇心から恐ろしいことをやってしまうかもだから。

  • 「人間」とは何か、生きるとは何か。
    あらゆる衣を文字通り剥ぎ取って剥ぎ取って、見えてきた芯。
    環境で人は変わると信じていたが、変わらない人もいる。
    どんな環境であっても、人の内側だけは解放することが出来る。

    頭でわかった気になっても、まだストンと落ちてはない。
    落ちる日は来るのか。

  • 『わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ』

    『もういいかげん、生きることの意味を問うことをやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ』

    『考えこんだり言語を弄することによってではなく、ひとえに行動によって、適切な態度によって、正しい答えは出される』

  • 帯に「〈人間とは何か〉を描いた静かな書」とあったが、その通りだと感じた。

    極限状態でもユーモアを忘れず、祈りを忘れない収容者。収容者を痛めつける監視者が居れば、労わる者もいる。
    生きるためには、未来への希望が必要であり、愛する人の存在や思い出が必要であり、自分がかけがえのない存在であるという実感が必要である。
    まだ読み取れていないことがたくさんあると思う。折に触れて読み返したい。

  • 生の尊さは勿論であるが、突然幸せと自由を奪われ、その幸せと自由を望み続けなければならない絶望感と、望む事すら諦めたり忘れてしまう様な体験が伝わってくる。
    しかし本書はそれだけではなく、幸運にも幸せと自由を再び手に入れても、そこに幸せが待っているとは限らないという、常人では見られない視点が綴られている。

    幸せや自由を奪われるような環境に身を置いても尚、自分の存在意義を説明づけるのに必要な事が俯瞰できる本だと思う。
    何度も読んで、深く理解していきたいと思う。

  • アウシュビッツの収容所は何年か前に訪れたことがあります。
    人間の尊厳を徹底して奪う仕組みに慄いたのを昨日のことのように思い出します。

    自分がそうした状況に置かれた時に果たして正気を保てるのか。

    著者のフランクルは心理学者として、収容所で強制労働に駆り立てられる人々の心理状況を描き出していきます。

    自身も極限の精神状況を体験したフランクルの言葉には、深みと凄みがあります。

    「苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。」

    「だれもその人から苦しみを取り除くことはできない。。。この運命を引き当てたその人自身がこの苦しみをひきうけることに、ふたつとない何かをなしとげるたった一度の可能性はあるのだ」

    「自分を待っている仕事や愛する人間に対する責任を自覚した人間は、生きることから降りられない」

    世界中で「夜と霧」は読まれているそうです。絶望の中で立ち上がる人間の気力が何から発するのか? フランクルの言葉が教えてくれているような気がしました。

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著者プロフィール

ヴィクトール・E・フランクル(Viktor Emil Frankl)
1905年、ウィーンに生まれる。ウィーン大学卒業。在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学ぶ。第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を、戦後まもなく『夜と霧』に記す。1955年からウィーン大学教授。人間が存在することの意味への意志を重視し、心理療法に活かすという、実存分析やロゴテラピーと称される独自の理論を展開する。1997年9月歿。
著書『夜と霧』『死と愛』『時代精神の病理学』『精神医学的人間像』『識られざる神』『神経症』(以上、邦訳、みすず書房)『それでも人生にイエスと言う』『宿命を超えて、自己を超えて』『フランクル回想録』『〈生きる意味〉を求めて』『制約されざる人間』『意味への意志』(以上、邦訳、春秋社)。

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