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- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622045533
感想・レビュー・書評
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今年はチェコ文化年らしい。この前プラハ交響楽団の「わが祖国」を聴き、近いうちにミュシャ展を観に行こうと思っていて、せっかくなので文学も読んでみようと思った。
著者まえがきに、小説を理解するにはチェコの歴史を知っている必要があるか?という問いに対し、小説自体がそれを語っていると答えたとある。が、やはり歴史や文化についてある程度の知識があった方がより楽しめると思う。
著者はラブストーリーだと言い切っているけれど、私には読んでいて恋愛が主軸だとは思えなかった。この世は良いことも悪いことも真面目なこともくだらないことも、すべては冗談で構成されているのだと、作品全体で語っているような。
歴史とか文化とか、理屈っぽく語ったところで所詮は人間が偶然作り上げたもの。形骸化した伝統文化とか、日本人にとっても耳の痛いテーマではなかろうか。変わらないものなどないのだし、肩ひじ張らず自由に表現する人がいてもいいと思う。
ストーリー自体には特に感想はない。読んでいると技巧にこだわりすぎているような気もする。小説家というよりは芸術家という印象。
フラバルの『私は英国王に給仕した』も読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4/17読了