- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622046073
感想・レビュー・書評
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強制収容所から生き残った作家が死去したというニュースを見て本作を手に取った。舞台はウィーンに近い架空の保養地バーデンハイム。ユダヤ人たちは例年のごとくバーデンハイムにやって来たのだが、なぜか町は封鎖されホテルに留め置かれる。自分たちに何が起こっているのかわかるはずもなく、移送の日はやっとポーランドに行ける、と期待して馬車を待つ。やってきたのは薄汚い貨物列車。ナチスの影が忍び寄っているのに、当のユダヤ人たちはこんなに何も分からない状態なのかと怖くなった。
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架空の保養地バーデンハイム、ある音楽祭を待つ人々の日常に忍び寄る,衛生局の名前を借りたナチスの影,少しずつ違和感が広がり、気が付いた時には気がつかなかったことにしてしまう恐ろしさ.見たくない物を見ないで、運命に逆らえず向かう先の不安をごまかして,,,とても怖い物語だ.
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ナチスによるユダヤ人迫害を書いた本はいろいろありますが、この小説はその中でも異色の作品です。舞台はウィーンに近い架空の保養地バーデンハイム。この町のユダヤ人たちが、じわじわと行動を規制されていき、最後に強制移送される様子が描かれているのですが、当のユダヤ人たちは自分たちの身に何が起こっているのか全く気づかないのです。正しい情報をえるすべもなく、何が何だかよくわからない状態のまま、ナチスの手におちていくユダヤ人たちの様子が、淡々と描かれているがゆえにおそろしくリアルで、読み終わったあとで彼らのその後の運命を思うと、背筋に寒気が走ります。ユダヤ人迫害についてだけではなく、国家による情報操作の恐ろしさをひしひしと感じる作品です。
著者プロフィール
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