一日の終わりの詩集

著者 :
  • みすず書房
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本棚登録 : 114
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (88ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622047155

感想・レビュー・書評

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  • よろこびを書こうとして、かなしみを発見する。かなしみを書こうとして、よろこびを発見する。詩とよばれるのは、書くということの、そのような反作用に、本質的にささえられていることばなのだと思う。
    人生ということばが、切実なことばとして感受されるようになって思い知ったことは、瞬間でもない、永劫でもない、過去でもない、一日がひとの人生をきざむもっとも大切な時の単位だ、ということだった。
    一日を生きるのに、詩はこれからも必要なことばでありうるだろうか。
    (長田弘『一日の終わりの詩集』2000年)

    「愛する」(いま、ここに在ること)
    「鴎外とサフラン」(マイ・オールドメン)
    「午後の透明さについて」(一日の終わりの詩集)
    「新聞を読む人」(同)
    「意味と無意味」(同)

  • 一つの言葉から放たれる、ひっそりとしながらも芯の太い穏やかな灯りに、一人自問自答しながら読み進める。本作は確認作業に似ている。一日の、一年の、あるいは今までの自分の生に対する確認。どうしても流れがちな日々の暮らしの中へ投入される問いかけ。
    「一人の私は何でできているか?」
    「ひとの一日はどんな時間でできているか?」
    「一人の言葉は何でできているか?」
    「一人の魂はどんな言葉でつくられているか?」
    私は答えに躓く。

  • 長田弘さんの言葉は全て美しい…
    どの題の詩だったか、激情は言葉を美しくしない…といった事が書かれていて納得。
    思ってる以上の事、口走っちゃうことあるんだよなぁ。
    静かに1人で読みたい本。
    長田弘さんは言葉にしたら色が褪せてしまうものをとても大切にしている。
    それが伝わってくるから、そういう感覚を読んでて思い出して落ち着いたいい気持ちになる。
    おばあちゃんになって、色んな感情を持ったらもっともっとしみじみ感じられるような気がする。
    そんな温かい詩でした。

  • 2000年という二十世紀という長い一日の終わりに編まれた詩集だそうです。

    「間違い」という詩が印象に残りました。
    (前略)
    いつかはきっと
    いつかはきっとと思いつづける
    それがきみの冒した間違いだった
    いつかはない
    いつかはこない
    いつかはなかった
    人生は間違いである
    ある晴れた日の夕まぐれ
    不意にその思いに襲われて
    薄闇のなかに立ちつくすまでの
    途方もない時間が一人の人生である

    ひとの一日はどんな時間でできているか?

    泣ける詩です。
    一日の終わりというより、非常に残酷な人生の終わりのようだと思いました。

  • 「教科書」
    わたしの、こころの。

  • 不思議とこころが安らかになります。

    感動したので、本好きな妻にも結婚する前にプレゼントしました。

    だからいま家に2冊あります。

  • 言葉の選び方、改行を使った間合いの取り方、題材の自由さ、すべてが衝撃だった。感性・情緒を言語化する指向性に相当影響を受けた詩集。高校時代に読み、衝撃すぎて今でも内容を諳じるくらい読み込んでます。谷川俊太郎や茨木のり子や金子みすずを抜いて一番好きな詩人。

  • 若さのせいにするけど、あたしはまだそれを受け入れたくない。……けど、その感情が、ゆらぐ。
    しかも、こんなに言葉を巧みに使うんだもの、ずるい。……この感覚は、裏切らないとおもう。
    いや、おもいたい。……やはし感情は、ゆらぐ。

  • 悲しくなる。
    「本を愛しなさい」がこの本よりも後に出たものだと知って安心した。
    長田さんが世界を悲しくみたら、
    あたしは本当に絶望してしまうと思う。
    この本を読むと「毎日を大切にしようよ!」なんて
    軽々しく口に出来るものじゃないんだなと思った。
    一日の重みを本当に知っている人でないと、
    本当に一日を大切には出来ないものなんだ。
    あたしは、まだ全然分かってない。
    この本を読んで悲しくなったのはそういうわけだ。
    この本を読んで勇気がわいて来る日が、
    あたしにもやって来ますように。

  • 会社を辞めるので少々気持ちが荒れぎみ。こういうときは、リッチに電車で詩集だということで長田さん。気持ちの荒れ方と長田さんの心持が微妙にズレタせいか、すっぱ抜けてしまった。何も感じられなかった自分が残念・・・。

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著者プロフィール

詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(82)桑原武夫学芸賞(98)講談社出版文化賞(2000)詩歌文学館賞(09)三好達治賞(10)毎日芸術賞(14)などを受賞。2015年5月3日死去。

「2017年 『エミリ・ディキンスン家のネズミ  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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