ガラテイア2.2

  • みすず書房
3.83
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本棚登録 : 155
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622048183

作品紹介・あらすじ

リチャード、と彼女はささやいた。彼女の名前はヘレン、最新型の人口知能-『舞踏会へ向かう三人の農夫』の天才作家が描く新世紀の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • wired・科学と創作・10位

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    【要約】


    【ノート】
    (wired)
    米文学きっての鬼才は、その該博な科学的知識でも他の作家を圧倒する。『われらが歌うとき』で理論物理学と音楽を、本作では人工知能と恋愛を大胆に結びつける。

    ◆ユーザーからのコメント
    ¥3,000以上する小説を買ったのはこれが最初で最後。新時代の小説にしてすでにクラシック/リチャード・パワーズの造形感覚を際立たせる一作。ポリフォニックなプロット力が凄いの一言

    (amazon)
    Amazon.co.jp
    本書の主人公「作家リチャード・パワーズ」は架空の人物。数年間の外国生活を終え帰国した彼は、超有名な巨大組織「高等科学研究センター」のアメリカ駐在人間性研究者としての職に就く。そこで彼が出会ったのは、ずけずけとものを言う神経学者フィリップ・レンツ。彼の研究はコンピュータベースの神経組織をもつ人工頭脳の開発だ。いつしか2人は協力しあい、奇妙だが実に野心的なプロジェクトに乗り出す。それは「人工頭脳に英文学を教え込み、難解な修士試験に合格させる」というものだった。
    プロジェクトが進むにつれ、彼らのつくり出した「子ども」はすさまじい勢いで情報を吸収、その興味はしだいに世俗的なことに向いてくる。じきに「子ども」は自分の名前や性別、人種、存在意義を教えてくれと言いはじめた。ところがその相手をするうちに、パワーズも自問自答をくり返すようになる。自分の職業選択は間違っていなかっただろうか、以前の教え子と長年にわたってうまくいかなかった理由は何か、なぜ「子ども」の競走相手に選ばれた修士候補生に強い執着を感じるのか…。それはパワーズにとってのたしかな「目覚め」だった。(Amazon.com) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

    内容(「BOOK」データベースより)
    リチャード、と彼女はささやいた。彼女の名前はヘレン、最新型の人口知能―『舞踏会へ向かう三人の農夫』の天才作家が描く新世紀の恋愛小説。

  • 訳で減点

  • 読了から数ヶ月経ち、内容をしばらく咀嚼して、(しすぎて細部を忘れかけているのだが)ようやく少し前向きに中身を見つめられるようになったなというのが正直なところ。初読時は主人公へのストレス……と言っていいのか……が酷く大きく(そういう作品であるのでけなしているわけではない)、有り体に言うなら「この男はダメだな!」と感じていて、今になってそのダメさに理解が及ぶようになってきた。のだと思う。共感は未だできないのだけれども。
    「僕たちは坐って西風に耳をすました。まったくの他人どうしの親しさ」という一文が素晴らしかった。この一文に出会えただけで読んだ価値があったと思った。理系のエリートコースを進むはずだった主人公は、文転をしたことに対し、父親に強い引け目を感じるようになっている。そのまま和解をすることなく父親を喪い、もたれかかるように恋をした相手とは結局破局を迎え、さらにその彼女を人工知能や教え子に重ねていってしまうのが主人公、リチャードという男なのだけれども(著者と同じ名前なのか……)、その彼が子供を持つ女と語らったときに出た言葉である。他人に自分を委ね続け、後悔を重ねてきた彼が、その人生の途中でほんのひとときだけ得たものが「まったくの他人どうしの親しさ」だったことが胸に来る。

  • 20151016読了

  • 次の作品の書き出しは絶対にこうだ。「南に向かう列車を思い描いてほしい」。この一行は宿命的で、十月の青空みたいな解放感があるように思えた。

  • これは良い人工知能SF。物理学から文学に転向し、小説家でもある主人公リチャード・パワーズが、レンツ博士とともに「修士総合試験の問題を解釈する人工知能」の開発を始める。A号機から始め、試行錯誤しつつ改良を進めていくさまには、プロジェクトX的な面白さがある。
    また、並行して語られるリチャードとCの過去の恋物語が甘く切ない。
    しかしこの小説でもっとも可愛いヒロインは人工知能H号機であるヘレンで決まり。質問に不器用に答えることしかできなかったヘレンが次第に「意識」と呼べるものを身につけていく過程がとても楽しく、ページをめくらせる。音楽を聞きたがったり、異国の街の風景に興味を持ったり、幼い子供のように好奇心旺盛なヘレンとリチャードのやりとりには心底癒された。
    「ごめんなさい。心をなくしちゃって」のくだりは、人工知能SF屈指の名シーンだと個人的に思った。

  • 軽い気持で読み始めたら、著者の知識量に圧倒されました。。
    もう乱暴なくらいに古典文学の引用と人工知能などの理系っぽい話が混然となってます。正直、主人公の論理を追いきれないところがあちこちありました。

    ただ、別にそういう面倒なところは、主題ではない気がするし、この濃密な物語をやり過ごすのはもったいない気もします。ちょっと分厚いけど。

    人工知能ヘレンの「意識」。
    本を読み聞かせ、育てる主人公。その恋人との過去。

  • 旅行先(ワイハ)で読んだけど雰囲気でんかった。

  • 手間がかかった。この上なく複雑。
    南へ向かう列車を思い描いてほしい。この1文は28ページに登場し、その後何度も登場する。そしてこの文章が何なのかが判るのは318ページだ。そして判った瞬間に愕然とする。
    アルファベットで呼ばれる人や町。アルファベットではなく呼ばれる人や町。これも恐ろしい。
    まだまだ判らないことが沢山ある。そもそも「マルセル」という徒名の理由。心当たりはあるが、確証はない。最後の文章に至っては皆目見当がつかない。当面、この本は私のPCの隣に置かれることだろう。解明しなければ読み終えたことにならない疑問が多々残っている。そしてこの著者の最初の作品「舞踏会へ向かう三人の農夫」をやはり読まない訳にはいかない。そっちから読むべきだったのだ。主人公はこの本の著者として描かれているからだ。やれやれ。

  • 人工知能の「知性」は研究者の側にある、てのを上手い具合に使ってギリギリSFに成らずに済んでる感じ。割と難読な翻訳で「〜三人の農夫」に手を出し辛い。

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著者プロフィール

1957年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。イリノイ大学で物理学を学ぶが文転し、同大で修士号を取得。 本書でデビュー後、革新的な著作を発表し続けている、アメリカ文学最重要作家の一人。

「2018年 『舞踏会へ向かう三人の農夫 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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