- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622048374
作品紹介・あらすじ
イギリス人の動物好きから最後の文人プリチェットの書評芸まで。英文学の横道をゆったりと散歩しながら雑読の愉しみを伝授する、大人のための読書の手引き。
感想・レビュー・書評
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I wanna be the leader 指導者になりたいな
I wanna be the leader 指導者になりたいな
Can I be the leader 指導者になれるかな?
Can I? I Can? なれるかな?このぼくが?
Promise? Promise?
Yippee I'm the leader わーい、ぼくは指導者だ
I'm the leader 指導者だぞ
OK What shall we do? よし、分かった で、何をしようか?
この短い詩は、英国ブレア首相のロシア訪問を記念して、モスクワの地下鉄に掲示されたものだという。ブレアさん、大喜びだったそうで。
「地下鉄の詩」と呼ばれる短詩はプラットホームや車内、種々の商品の広告に混じって掲示され、年間を通じて18篇の詩を乗客は読むことになる。
ロンドン発の「地下鉄の詩」はヨーロッパ中に広がり、やがてロシアにも渡る。
はじめはボランティアだった活動が、今は国立図書館や文化財団や出版社が共同スポンサーになって無料で展示されているらしい。
上記の詩は英国詩人ロジャー・マーゴの「指導者」。
以前ほど詩が読まれなくなったという文化の危機にあたって、詩人も作家も実業家も官僚も政治家も、同じ目的のために協力している。
なんとも羨ましい話だ。
と、こんな話が載っているのが本書。
一冊丸ごと、イギリス文学の魅力を縦横無尽に語ってくれる。
未知の作家さん、未知の書名が続々と登場するのにたまらなく面白い。
レビューなどあげず、こっそり秘密の愉しみにしておこうと、どれほど思ったことか。
大人の本棚シリーズ4冊目は、もう痺れるほどの魅力がある。
夏目漱石の作品に「自転車日記」というものがある。
英国留学2年目になる1902年(明治35年)9月、神経を病んで惨めな状態にあった漱石を、友人が自転車乗りの稽古に引っ張り出す。これがもう、なかなか上手くいかない。
ひっくり返ったり転んだりぶつかったり、有名なあの写真からは想像もできない可笑しさだ。
著者は、様々な「自転車文学(?)」を引き合いに出しながら、漱石の作品を推している。
イサム・ノグチの父であり作家である野口米次郎の話や、アジアに魅せられたイザベラ・バードの「日本奥地紀行」のこと。
19世紀初頭には書評文化が完成していた英国の、著名な書評家たちの文章を披露する。
ジョイスの古靴のエピソードやカズオ・イシグロの「日の名残り」を絶賛し、イギリス人に動物好きの多いわけを語る。
最初から最後まで、宝箱をひっくり返したような魅惑にあふれた書だ。
教養のための読書など、私も決してしたくない。
読みたいものを興味のままに読んでいくのだ。
わき道にそれようが、そこで面白いものが見つかるかもしれない。
それらがふいに、頭の中で繋がっていくときの嬉しさはたとえようもない。
ゆったりと散歩するように、英国文学の案内をしてくれる格好の書。
気になった本を読んでいきながら、何度でもこの本に立ちかえりたい。 -
大人の本棚
野口英世のお母さんのことはジャンプで読んで知りました。
早く帰ってきて下され、という何回もの繰り返しが切実で泣けま...
野口英世のお母さんのことはジャンプで読んで知りました。
早く帰ってきて下され、という何回もの繰り返しが切実で泣けましたね。
ははは!本は読まなくても叱られません(笑)
goya626さんのペースで楽しまれますように!
丸谷才一さんのその本は確か文庫で読んだ覚えがあるのですが、探したら登録さえありません。
もしかしたらブクログ登録前のことかも...
丸谷才一さんのその本は確か文庫で読んだ覚えがあるのですが、探したら登録さえありません。
もしかしたらブクログ登録前のことかもしれませんね。
再読してみましょう(*^_^*)
こちらこそ、夜型さんに読んでいただけてほっとしました。ありがとうございます!