やきもち焼きの土器つくり 新装

  • みすず書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622049043

作品紹介・あらすじ

本書の主題は、料理の火が存在すればそれに必ずともなう土器つくりの火と、焼成される土器の起源である。この主題が三つの方向から探究される。第一に、南北アメリカの遙かに隔たった地の諸神話に見られる構造的・内容的類同性、第二にインディアン神話に見られる動物群の神話的意味、そして第三に象徴的思考をめぐる神話の構造分析とフロイトの精神分析の視点の違いである。自然から文化への移行の秘密を探り、読者の知的愉しみを満喫させる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカインディアンの神話の類型。収集された神話と動物が身の回りから遠いので、学術的な興味しか持てず最後まで読み通すのが大変だった。
    はっとしたのは次の文。
    「神話に現れるヨタカは、男であることもあり、女であることもある。女としてのヨタカはある日、意思を粉々に砕いてそれを下僕たちに投げつけたという。破片は火に変じ、下僕たちを殺して森の木々の中に突き入った。今日、火はその森の樹から取り出される。つまりふたつの木片の一方を回転し、摩擦によって火を起こすのだ。下僕たちの親類は復讐を思い立ったので、ヨタカは身を隠した。それ以来ヨタカは昼飛ばない。」
    神話の時代には火を起こす方法にも物語が必要だった。きっと、雨風も、雷も、火も、言葉も、皆不思議の対象だったのだろう。風が空気の流れで、太陽によって生じ、火は化学変化のエネルギーである事、、分からないよね。
    古事記でもいざなみが火の神を生んで、死の国に黄泉平坂を下るんだ。火は生まれる必要があった。
    磁力が正しく認識されるまでは、磁石と琥珀は同じ力を持つ石だった。琥珀は擦ると静電気で埃を引き寄せるから。
    もっと以前には世界と動物と人間と、このように混ざっていたのだ。

  • なにかをひらめくまで、この本をずっとずっと目の前にひらひらひらひらぶら下げておきたい、と考える。ひとがなにを考えているのか(というより、ひとはなにを考えるようになっているのか、かな)を知るためにレヴィ=ストロースが並べ、重ね、つなげ、透かしてみたりもした数々の神話の密林に迷いこみ、そこで彼がなにかを見つけていく様子をその横で見ているような感覚が楽しい。それをともに「わかる」必要はなく、見ているだけで、楽しい。ほんとうはもっとわかったほうが、もっと楽しいんだろうけど。

  • 私の人生を変えた一冊。同じものを見ていても、その先にこれほど豊穣なイメージの世界が広がっているとは考えた事もなかった!!

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