偶景【新装版】

  • みすず書房
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本棚登録 : 49
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622049944

感想・レビュー・書評

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  • 「偶景」(原文ではincidents)というのは造語で、「ミニ・テクスト、短い書きつけ、俳句、寸描、意味の戯れ、すべて木の葉のように落ちてくるもの」とある。この本では、バルトが偶然見かけた光景をスケッチするように書き留めた、断片的なテキストを読むことが出来る。小説の面白い部分を、最小単位まで分解したようなもの。バルトは、「あらゆるものに意味を見出してしまう記号人間(ホモ・シグニフィカンス)」らしい。だから、意味の束縛から解放されて、ただ目の前の映像を描写することにあれこれチャレンジしていたんだと。
    映像の勉強をしているとしょっちゅう、バルトの思想や書籍と出会う。初めて彼の本を読んだが、なんとなくその理由がわかった。彼は評論家でありながら、テキストというメディアを使って色々な実験を行なっているメディア・アーティストだったのかも。イメージや経験に関していろいろ考えながら生きてた人なんだなぁ…だから映像や映画表現に関しても造詣が深いのかな〜。もっと他の本も読んでみたいです。

  • 物事の「意味」や「構造」を追究しないではいられないという、 記号学者であるバルトが、逆に意味なんか見出さず、断片的に感覚に訴える。独特の妖艶な切り口。

  • 物事の「意味」を追究しないではいられないという、 記号学者であるバルトが、逆に意味なんか見出さず、断片的に感覚に訴える。
    独特の切り口。

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著者プロフィール

1915-1980。フランスの批評家・思想家。シェルブールに生まれ、幼年時代をバイヨンヌに過す。パリ大学で古代ギリシア文学を学び、学生の古代劇グループを組織、結核のため1941年から5年間、スイスで療養生活を送りつつ、初めて文芸批評を執筆。戦後はブカレストで図書館勤務、アレクサンドリアでフランス語の講師。帰国後、国立科学研究センター研究員、54年に『零度のエクリチュール』を発表。高等研究員教授を経て、77年からコレージュ・ド・フランス教授。75年に彼自身が分類した段階によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリステヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの楽しみ』『ロラン・バルトによるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、80年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。

「2020年 『恋愛のディスクール・断章 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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