砂漠の思想―リビアで考えたこと

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  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622071136

作品紹介・あらすじ

今だからこそ伝えたいアラブ理想主義者の肖像。"リビアの狂人"と罵られた男の政治実験が教えるものは何か。砂漠の国からアメリカを断じ、日本社会を考える。

感想・レビュー・書評

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  • リビアへの入国が厳しく制限されていた89年当時に、精神科医の著者がカダフィ人権賞の委員として招かれ、リビア国内を旅した紀行書。

    アフリカ大陸の和合を夢見たの小国の指導者の持つ叙情性に、少なからずシンパシーを抱く著者。一方で異邦人として、その浮世離れした「カダフィ劇場」を見つめるその視線には、精神科医としての冷徹な客観性があっておもしろい。

    精神科医というのはある意味で文学者であり、優れた社会批評家なんですね。それとも著者個人の資質か…いずれにしても平易な文章の中に時折現れる鋭い視線にはっとさせられる。

  • <a href="http://www.bk1.co.jp/product/2527826"><b>砂漠の思想</b> リビアで考えたこと</a><br><br> 2005.2<br><br><br>90年に他社より出版されたものの、長らく絶版状態で再販が望まれていました。<br>旅行会社でも紹介されていた本なので、読みたかったんですよぉ〜<br><br>1989年に、カダフィ人権賞会議がきっかけで<br>リビアを旅した(ちょっとニュアンスが違うか…)記録。<br>自分が実際に訪れた年の約10年前なのに、こんなに旅がしにくかったとは!<br>話には聞いていましたが、改めてビックリしつつ読み終えました。<br><br>今でもツアーでしかビザを出してもらえないそうなので<br>受け入れ態勢が随分良くなったとはいえ、<br>フリーで旅するのはまだまだムズカシイところ。<br><br>でもね「こういう道もあるんだなぁ」って思わせてくれるトコロ。<br>やっぱり何度も訪れたくなる国なのです。

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著者プロフィール

1944年生まれ。長浜赤十字病院精神科部長などを経て、現在、関西学院大学教授。専攻は比較文化精神医学。1999年2月の広島県立世羅高校・石川敏浩校長の自殺についての検証をきっかけに、君が代強制に苦しむ教師たちの精神医学にかかわる。著書に、『虜囚の記憶』(みすず書房)、『子どもが見ている背中』(岩波書店)、『させられる教育』(同)、『戦争と罪責』(同)、『喪の途上にて』(同、講談社ノンフィクション賞)『コンピュータ新人類の研究』(文藝春秋、大宅壮一ノンフィクション賞)など多数。

「2009年 『教師は二度、教師になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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